ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

塚原夫妻問題と〈力への意志〉

2018-09-11 10:58:12 | 日記
人は何かに駆り立てられ、さまざまな行動をとる。「俺はカネが欲しい。ゆと
りのある安楽な生活を送りたいんだ」と言う人もいれば、「俺は地位と権力が
欲しい。他人からあれこれ指図されるのは、好きじゃないんだ」と言う人もい
るだろう。自分を行動へと駆り立てるその〈何か〉を、人はさまざまな言い方
で表現する。哲学者ニーチェはそれを総称して、〈力への意志〉と名付けた。

今、何かと世間を騒がせている日本の女子体操界も、ご多分にもれず、この
〈力への意志〉に操られている。言論サイト「日刊ゲンダイ」は、事情通の次
のような言葉を紹介している。

「協会の具志堅(幸司=61)副会長もそう(これを機に塚原夫妻を駆逐した
い意向)だと思う。具志堅副会長と塚原夫妻の間には派閥問題が横たわってい
る。3人は日体大の先輩後輩の関係ですが、塚原夫妻はこれまで日体大を目の
敵にしてきた。光男副会長は日体大在学中にメキシコ五輪に出場し、団体総合
で金メダルを獲得。卒業後にミュンヘン、モントリオール五輪でも金メダルを
取りながら、日体大の指導者には同期の監物(永三)さんが就いた。日体大に
は捨てられたという思いがあるのです。夫妻は朝日生命体操クラブの指導者に
転じ、全日本選手権団体女子の優勝を争って日体大と火花を散らすようになっ
た。10歳下の具志堅副会長は今や日体大の学長です。塚原夫妻との関係がう
まくいくわけがありません」

派閥ーー。そう、派閥である。〈力への意志〉は、派閥の形成へと人を駆り立
てる。単独で行うよりも、派閥を組んでやったほうが、より大きな力を発揮で
きるからだ。(宮川選手のコーチをつとめる速見コーチが この問題の渦中にあ
りながら、問題解決の主導権をにぎれないのは、彼がどの派閥にも属せず、単
独で行動しているからである。)

決着の主導権をにぎるのは、日体大閥の具志堅・体操協会副会長なのか、それ
とも塚原夫妻が牛耳る朝日生命体操クラブ閥(すなわち塚原閥)なのかーー。
前回、本ブログで書いたように、この問題に裁定を下す「第三者委員会」の委
員長に、朝日生命と利害関係を持つ弁護士が決まった。そうなれば、塚原夫妻
は無罪放免となる公算が高い。ということは、2つの派閥の争いが塚原閥の勝
利に終わったということなのか。塚原夫妻と具志堅副会長との間に、カネやポ
ストなど何らかのやりとりがあり、手打ちがなされた可能性もある。

だが、これをもって一件落着とみなすのは、早計かも知れない。きのう次のよ
うな報道があった。

体操の宮川紗江選手が日本体操協会の塚原千恵子女子強化本部長と夫の光男副
会長からパワーハラスメントを受けたと訴えた問題で、日本体操協会は10日、
臨時理事会を開き、第三者委員会(委員長・岩井重一弁護士)の調査対象であ
る塚原夫妻の職務を一時停止すると決めた。第三者委の結論を受けて最終的な
決定をするまでで、千恵子氏は常務理事職も停止された。
協会は当初、東京五輪の団体予選を兼ねる世界選手権が開幕する10月末まで
に調査が終わることを想定していたが、第三者委が「調査の期限を切ることは
できない」と主張。これを受けた協議で、「このままの態勢では現場の選手や
コーチに影響が出る」との結論に至ったという。
                 (朝日新聞DIGITAL 9月10日配信)

この記事を読むかぎり、2つの派閥の闘争は日体大閥が優勢を保ったまま、終
息に向かっているようにみえる。体操協会による「塚原夫妻は職務停止」の決
定をうけて、塚原夫妻は「この騒動の裏には黒幕がいる」と語り、事態が「
力闘争になっている
」との見方を示したという。これに対して、(体操協会の)
具志堅副会長は、「理解できない」と不快感をにじませたという。

闘争の敗者が「自分は闘争に負けたのだ」と言い、闘争の勝者は「闘争などな
かった」と言いつくろう。奇妙にもみえる口論の展開だが、闘争の背後には
(ヤ▲▲の世界にみられるような)醜い闇の泥沼がある。だから勝者は、(善
人の仮面をかぶり)闘争そのものの存在を隠蔽したがるのだろう。
さてさて、この闘争、一体どうなりますことやら。
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