ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

安倍3選 翌日の社説は

2018-09-21 11:58:35 | 日記
自民党の総裁選は、安倍首相が3選を果たした。一夜が明け、きょうの新聞社
説はこの話題で持ちきりである。一通り目を通したが、どれも似たり寄ったり
で、特徴のないありきたりの言説で満ちあふれ、へそ曲がりの偏屈な頭には
入ってこない。

私なりに整理すると、安倍首相を取りあげる場合、その姿勢は、以下の3つの
パターンに分かれるようだ。
1.理想の首相像 R を提示し、安倍氏はこの R に近い/遠いと褒めたり、貶
したりするもの。
2.理想の首相像 R を提示し、安倍氏は R に近づくよう努力すべきだと激励
するもの。
3.理想の首相像 R を提示し、安倍氏は自分が R だと錯覚している、勘違い
していると批判するもの。

現職の首相に対する批判としては、3が一番きついが、きょうの新聞社説を見
た限りでは、毎日新聞の社説《安倍氏が自民総裁に3選 独善的な姿勢から決
別を》がそれに当たる。毎日はこう論じている。

首相は国会議員票では圧倒したものの、党員・党友の得票は、現職首相という
有利な立場であるにもかかわらず55%にとどまった。
党員票は国民全体の世論により近いと見られる。今回は世論と議員意識の間に
大きな落差があることが明白になった結果とも言える。
それでも首相は当選後の記者会見で「全体で7割近い票を得た」と胸を張り、
勝ったのだから全てが理解されたといった口ぶりだった。本当にそう考えてい
るとすれば、認識は甘いというほかない。

この社説は表題で、安倍首相の政治姿勢を「独善的」と表現している。それだ
けでおよその論説の中身は察しがつくが、上に引用した通り、「案の定」と
いったところである。

朝日新聞の社説《3選はしたものの 安倍1強の限界明らかだ》はどうか。こ
れも論説の中身は表題に表れている。朝日は冒頭から、次のように論じてい
る。

1強の弊害に真剣に向き合わず、異論を排除し、世論の分かれる政策も数の力
で強引に押し通す。そんな安倍政治はすでに限界と言わざるを得ない。

これを へそ曲がりの流儀で言い換えるなら、「1強は1強であるがゆえに R
になることはできない。それが1強の弊害であり、1強の限界である」という
ことになる。これは「負けるが勝ち」の逆パターンにほかならない。朝日の社
説に従えば、安倍首相が R になるには総裁選に敗れるしかなく、しかし破れ
たのでは首相になることができない。安倍氏はどのみち R にはなれないこと
になる。いかにも朝日らしい、為にする議論と言えるだろう。

もう一つだけ社説をとりあげよう。産経新聞の社説《安倍総裁の3選 憲法改
正の先頭に立て 謙虚な政権運営を心がけよ》である。これも表題から、論説
の中身は明らかである。「憲法改正の先頭に立て、そうすれば R になれる」
と安倍首相の尻をたたいている。この新聞の特徴がよく表れている。

ここまで書いた今、私は前言を撤回しなければならない。冒頭で私は、どの社
説も「似たり寄ったりで、特徴のないありきたりの言説で満ちあふれ」ている
と書いたが、上のように見ただけでも、各紙の特徴はそれなりに表れている。
表題に留意するのが、社説の上手な読み方なのかも知れない。
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