ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

拉致問題をどう考えるか

2018-05-13 10:53:50 | 日記
最近、北朝鮮が日本批判を強めている。その言説を見ると、この国が何ゆえ
に日本を批判するのか、また、何を嫌い、何を避けようとしているのかが解っ
て興味深い。たとえばこんな具合である。

北朝鮮の朝鮮中央通信は12日、日本人**問題の解決を訴えている安倍晋
三首相らを名指しし、「日本の反動層がすでに解決した『**問題』を再び
持ち出し世論化するのは、稚拙で愚かな醜態だ」と非難する論評を配信し
た。
                (朝日新聞DIGITAL5月12日配信)


北朝鮮国営の朝鮮中央通信は12日、日本人**問題について、「既に解決
された問題」と主張し、問題の解決を求める日本政府を批判した。
6月12日にシンガポールで開催予定の米朝首脳会談では、トランプ米大統
領が安倍首相の要請を受けて日本人**問題を提起する方針だ。米朝会談を
前に、**問題解決を強く主張する日本政府をけん制する狙いがあるとみら
れる。
同通信は「既に解決された『**問題』を再び持ち出すのは、国際社会が歓
迎する朝鮮半島の平和の気流を阻もうとする卑劣で愚かな醜態」と非難。日
朝関係について「本質は、加害者と被害者の関係だ」と日本の植民地支配に
言及した。
                (YOMIURI ONLINE 5月12日配信)

解読のキーワードをあえて伏せ字にしたが、ここに何が当てはまるかは、蝶
々するまでもない。そう、「拉致」という二文字である。北朝鮮は、日本が
「拉致」問題を持ち出すことを、ひどく嫌っている。北朝鮮はこの問題を、
「すでに解決された問題」だと見なしている。

15年ほど前のことだが、北朝鮮は拉致被害者のうち、生存者全員(5名)
を帰国させ、残りの8名はすでに死亡していると発表した。「すでに死亡」
とされた8名のうちには、横田めぐみさんも含まれている。死者は生き返
らない。したがって帰国させるわけには行かないから、北朝鮮からすれば、
「解決」はこういう形にならざるを得ないのだろう。それは致し方ないこと
だと言うしかない。

こういう形の「解決」を受け入れられない、横田めぐみさんのご両親の気持
ちはよく解る。痛いほどよく解る。あのめぐみが死亡したとは、どうしても
信じられない。信じたくないのだ。めぐみさんが死亡したとされる日時以降
に、めぐみさんを見たとする目撃証言もある。返還されためぐみさんのもの
とされる遺骨がめぐみさんの遺骨でないことが、科学的に立証された。北朝
鮮は嘘をついているのだ。

めぐみさんのご両親からすれば、真の意味での「解決」は、生きているめぐ
みを日本に帰国させることであり、これに尽きると言ってよい。

日本政府は、こうした横田夫妻の思いを無下に退けることはできないから、
これを政府の要求としてそのまま北朝鮮にぶつけるしかない。しかし北朝鮮
からすれば、日本政府のこうした要求は「死者を生き返させろ!」という要
求に等しく、無理難題をふっかけていると言うしかない。だから「卑劣で愚
かな醜態」だということになるのである。

では現実的に、どういう解決が可能なのか。めぐみさんの生死をめぐって両
者の主張が真向からぶつかりあう以上、どちらの主張が正しいのかを確定す
ることが、まずもって必要だろう。両国が、真偽を確定するための調査を第
三者機関に委ね、北朝鮮がこの第三者機関に、国内で調査を進める活動の自
由と権限を保証する、というのではどうだろう。この解決策で、めぐみさん
のご両親は納得するだろうか。
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