ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

すべては神の中

2018-03-17 10:50:11 | 日記
春の風が吹くと、野には花が咲きほこり、木々は緑に色づきはじめる。我々
の心もなぜか浮きたち、どこか遠くへ旅に出たいな、と思いはじめる。
関東地方では、きょうあすにでも桜が開花するとか。桜の花が開けば、あち
こちの公園は花見客でにぎわうことだろう。
桜が花のつぼみを開かせるのは、「生きとし生けるものの余白の風」による
ことであり、それが我々を宴へと駆り立てるのだ。ーーそう解釈する井上洋
治氏は、この「余白の風」と諸事物との関係を、神学者・八木誠一にならい、
「磁石と磁場と砂鉄の比喩」を使って説明している。

「いま砂鉄を砂場から取ってきて紙の上に置き、下から磁石を近づけますと、
磁力によって磁場ができ、砂鉄はこれに感応して小さな磁石になります。し
たがって磁石を動かしますと、砂鉄は一斉にそれに従って紙の上を移動いた
します。このことは、これらの砂鉄はばらばらのようでも実際には磁場の中
で一つにまとめられているのだということができます。」(85頁)

井上氏が「余白の風」と呼ぶのは、この比喩でいえば、「砂鉄間に下から働
いてくる磁場の力」のことである(86頁)。

我々人間もふくめ、すべての事物は一つの磁場の中にあって、これに包ま
れ、まとめられ、この磁場の力に従っている。ーーこの見方を、井上氏は
「汎在神論(パンエンテイスム)」と名付けている(85頁)。

ネット上の便利百科事典「ウィキペディア」では、panentheismには「万
有内在神論」の訳語が当てられ、以下のような説明がなされている。

「万有内在神論(ばんゆうないざいしんろん、panentheism)とは、有神論の
一種であり、世界の全てが神(絶対者)の内に存在している、言い換えれば、
神(絶対者)は超越と内在を兼ね備えているという考え方のこと。

万有内在神論(panentheism)は、語義的には「πᾶν(all)- ἐν(in)- θεός
(God)」、すなわち「all-in-God」「all things-in-God」ということであり、
「神の内に万物・万有(全ての有るもの=世界)が属している」という意味
である。」

この神学的見地が井上洋治氏オリジナルのものなのかどうかは、このウィキ
ペディアの解説だけからは分からない。

窓の外を見ると、空の下は穏やかな春の日差しで充たされ、庭の草木が風に
ゆっくりそよいでいる。いい天気だ。これではお天道様に申し訳ないから、
抹香臭い話はこのあたりで切り上げ、さて、私はこれからうつらうつら、春
のうたた寝でも決めこむことにしよう。
コメント