ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

安倍降ろしの主体はだれか

2018-03-05 10:57:52 | 日記
毎日のように読ませてもらっているブログに「元気いっぱいの新老人の ツッ
パリ発言」がある。このブログで紹介されていた天木直人氏のブログを読ん
で、意外なことを知った。朝日新聞が「覚悟」を固めて、「安倍首相を引き
ずり下ろすつもり」だというのである。天木氏がこう判断した根拠は、「昨
年末に厚労省東京労働局から特別指導を受けた野村不動産の50代の男性社
員が、過労自殺し、労災を認定されていた事」を、朝日が一面トップで報じ
たことである。

天木氏のこのブログを読んで、私は意外の念を禁じ得なかった。氏が言及す
る朝日のこの一面記事は、私も知っている。けれども、この一面記事を読ん
だとき、私は、朝日がマジで安倍内閣の倒閣キャンペーンを始めたなどとは、
すこしも思わなかったのである。たしかに朝日のこの一面記事は、倒閣を目
論む野党にとっては、攻撃の格好の武器になることだろう。だが、野村不動
産の一社員が自殺したのは、安倍首相の責任でもなければ、安倍内閣の責任
でもない。この記事が決定的・致命的な攻撃の武器になるとは、私には思え
なかった。

安倍内閣に対する攻撃の材料という点で言えば、森友関連文書の改ざんを暴
露した朝日のスクープのほうが、はるかにインパクトが大きく、致命的だと
言えるだろう。こちらの方は明らかに犯罪(有印公文書偽造)であり、この
犯罪を命じたのは、安倍首相の周辺にいる人物である疑いが濃厚である。こ
の線をたどっていけば、安倍首相がこの犯罪に加担していたことを立証でき
る可能性だってなくはない。実際にこの経緯が立証できれば、安倍首相は間
違いなくジ・エンドだろう。

天木氏はなぜ、このスクープよりも、過労自殺関連の記事に注目し、そこに
朝日の倒閣キャンペーンを読もうとしたのだろうか。察するに、天木氏は、
安倍首相が裁量労働制問題で躓いて、すでに瀕死の状態にあるとの情報を、
どこかから入手したのだろう。この情報を入手した天木氏は、安倍首相の苦
境を朝日新聞の手柄であるとして、これを(たまたま目にした)朝日新聞の
一面記事に結びつけようと考えたに違いない。

だが実際には、安倍内閣に対する倒閣の動きは、朝日の記事などとはまった
く関係ないところで、着々と進行していた。なんと、安倍首相の膝元の自民
党内で、確実に進行しているというのである。日刊ゲンダイは《1強体制に異
変…裁量労働制断念から始まる「安倍降ろし」》と題して、次のように書いて
いる。

つい最近まで、首相周辺は「裁量労働制の拡大」も強行突破できると甘く考
えていた。しかし、先週23日(金)に自民党内から「裁量労働制拡大」の
分離案が浮上すると、風向きが変わったという。27日の自民党の厚労部会
では「法案審議が持たない」と公然と批判が噴出。
決定的だったのは、二階幹事長が官邸の要望を無視して「予算案の衆院通過
」を1日遅らせたことだ。しかも、わざと官邸の耳に入るように「自民党は
官邸の下請けじゃない」とドスを利かせている。「安倍1強」のこの5年間、
自民党が官邸の命令に逆らうことは、ほぼ皆無だった。
官邸の意向を、党が軽んじるようになったら、政権は長くないのが過去のパ
ターンだ。
 (日刊ゲンダイ3月3日《1強体制に異変…裁量労働制断念から始まる
 「安倍降ろし」》)

裁量労働制は、「働かせる側」である経営者が、労働者を酷使できるように
するための制度である。庶民泣かせのこんな制度をさらに拡大し、民意にそ
むいて財界のご機嫌をとろうとする内閣が、安泰でいられるはずがない。民
意から乖離した安倍内閣に、いち早く見切りをつけた自民党側の判断は的確
だった。とすれば、「安倍降ろし」のホントの主体は、(自民党でも、二階
幹事長でも、朝日新聞でもなく)民意だということになる。
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