ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

ミサイル発射 対北圧力はいかに

2017-07-06 10:43:22 | 日記
北朝鮮がまたもやミサイルをぶっ放した。安倍自民党が都議選で大敗し
た、との報を聞いて、北の豚魔大王は、日本の独裁者への同情から、ひ
とつ助け舟を出してやろう、と考えたのだろう。目くらまし作戦の一環
として「北の脅威」をプロデュースしたばかりの安倍政権だが、今度の
ミサイルはICBM級だというから、迫力は満点、脅威のリアリティーも
抜群である。

ところで、きょうの産経の社説は《北朝鮮への圧力 拉致の解決に結びつ
けよ》というタイトルである。ミサイル発射のイベントを踏まえた社説は
この一つだけだが、私は正直、この論説に目を通す気にはならなかった。
アメリカと中国が一緒になって北に圧力を加えようとしても、効果的な圧
力としては機能せず、きのうのミサイル発射を阻止できなかった現実があ
る。こういう現実を嫌というほど見せつけられているのに、今さら「北朝
鮮への圧力 拉致の解決に結びつけよ」はないだろう。

当初は対北の対話路線を打ち出した韓国の新大統領も、きのうのミサイル
発射にはさすがに堪忍袋の緒を切らし、問答無用の姿勢で、米軍と合同の
ミサイル発射演習を実施した。「斬首作戦」を射程に入れた軍事的圧力
の、その実行をアピールするための軍事演習だが、産経の社説が日本政府
に求めている「北朝鮮への圧力」は、まさかその類(たぐい)の圧力では
ないだろう。

自民党の機関紙・産経は、ではどういう画餅をぶら下げるのかーー。そう
いう好奇心に抗えず、この社説に目を通してみた。

目を通してみた感想は、「やっぱり、時間の無駄だったか」というもので
ある。産経の主張は、「日本は米国とともに、北朝鮮への圧力を強める先
頭に立つべきである」、「改めて政府は拉致問題の解決に向けた決意を、
国内外に示すべきだ」と謳うだけの、中身のない空疎なスローガン。大風
呂敷のタイトルの域を少しも出ていないのだ。多少とも具体性を持ってい
るのは、以下のような主張である。

安倍首相はドイツのハンブルクで開かれる20カ国・地域(G20)首脳
会議や、中国やロシアをはじめとする各国首脳との個別の会談で、対北圧
力の強化を求める方針だ。この際、拉致被害者の救出についても強く訴え
てほしい。

産経の編集委員は、こんなふうに書きながら、G20や中露首脳会談でのア
ピールが実効性を持つと、本気で考えているのだろうか。このアピールが多
少でも意味を持つとしたら、それは、日本国内向けの政治的パフォーマンス
としてだろう。落ち込んだ内閣支持率は、それによって幾分か上昇するだろ
うか。
コメント
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