ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

TPPと民進党

2016-11-19 15:15:12 | 日記
民進党はTPPに対して、どういう態度をとっているのだろうか?TPPその
ものに反対なのか。それとも、TPPそのものには反対ではなく、あくまで
も「TPPに対する自民党の取り組み」に対して、反対しているだけなのだ
ろうか。

きのうテレビを見ていたら、安倍首相が訪米してトランプ次期米大統領と
会談したことについて、民進党の安住代表代行が、記者会見で「(大統領
選で)当選してすぐ飛んで行くというのは、朝貢外交でもやっているつも
りではないか」と述べていた。なんとも情けない、レベルの低さである。

国内政治といえば、近頃、国会審議がTPPをめぐって紛糾していることは
知っていたが、野党第一党とはいえこの程度のレベルしか示せない民進党
が、それではTPPそのものについてどういう見解を持っているのか、はた
とそれが気になった。

さっそくgoogleで「民進党TPP」と打ち込んで検索してみた。意外という
べきか、案の定というべきか、ネットの「Yahoo知恵袋」に、次のような
トピが立てられていた。「民進党は、TPPに反対なのか?賛成なのか?」
TPPに対する民進党の態度がイマイチ分からないのは、どうやら私だけで
はないらしい。
思わず笑ってしまったのは、「ベストアンサー」が次のようなものだっ
たことである。

「自民党が賛成すれば反対。自民党が反対すれば逆に賛成。TPPの中身な
ど二の次。てか、「TPPって何?」なのが民進党議員」

この答えはズバリ、この問題の核心を突いているのかも知れない。この回
答には、国民の大方がこの政党の体質についてどういう認識を持っている
かも示されていて、面白かった。

そもそも民進党は、自動車メーカーなど大手製造業の労組を自らの支持組
織としている関係上、関税の撤廃や自由貿易の促進をうたうTPPには反対
できないのだろう。しかしおおっぴらに「TPP賛成!」とうたったのでは、
与党自民党に追従することになり、他の国民とくに農業従事者の支持まで
失うことになる。かといって、農業従事者にいい顔をして、「我が党はTPP
には反対である!」と言ったのでは、今度は大手製造業の労組の支持を失う
ことになる。

あちらを立てれば、こちらが立たず、やれやれ。民進党がTPPに対して態
度を明確にできないのは、このあたりに理由があるのではないか。

この私の推測が妥当かどうかを確かめるべく、googleに「JA 民進党」
と打ち込んだら、「農業協同組合新聞」のこんなコラム記事(「民進党の
あいまいなTPP政策」)が出てきた。一部をコピペするが、この主張は
おそらく農業従事者全体の総意に近いのだろう。

「今週から始まる国会でのTPP論議に期待することは、政府の揚げ足を
取ることではない。TPPが農業、農村を破壊し、食糧安保を危うくする
ことを、国民に分かりやすく暴露することである。そうして、TPPに原
理的に反対し、TPPの批准阻止を戦略目的にすることである。
 いま、農村にはTPPに対する怒りの声が充満している。だが、その怒
りを2大政党は、まともに受け止めていない。民進党が、夏の参院選に勝
とうとするなら、選挙公約で、TPPに反対する姿勢を明確に示さねばな
らない。自民党との違いを鮮明に示さねばならない。
 そうすれば、農村の1人区で圧勝できるだろう。それが各地へ波及し、
全国でも大勝できるだろう。」

なんとも息の荒い書きぶりではないか。

政治にとって大事なのは、利害の衝突にどう折り合いをつけるかである。
この点に活路を見いだせるかどうかが、民進党の生き残りの鍵となるだろ
う。

さあ民進党、どうする?
コメント
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