子供のころ、バッハの練習が嫌いだった・・・
「インベンションとシンフォニア」
ピアノの先生は練習しない私に、「みんな嫌いなのよ。でもピアノの教科書と言われるほど大切な勉強だから、頑張ってね。」
何が嫌いか・・・弾きにくい割には華やかさがない・・・メロディー(フレーズ)を右手、左手、はたまた両手で弾き分けなければ
ならない・・・頭がこんがらがる・・・
混声二部合唱、三部合唱、四部合唱を一人で歌いきるような感じだ・・・
大学生になってからのバッハ・・・
幾何学模様のように整然と並べられた音符、隠し絵のように浮き出てくるフレーズ・・・
数学の問題を解くかのように、ピンセットでフレーズをつまむように・・・不思議な感覚だった。
大人になってからのバッハ・・・
細胞の一つ一つに浸みわたるような澄み切ったフレーズが、時には悲しく、時には楽しく、
形を変えて現れては消える。本当に自然に流れていく。バッハの頭の中には、難しいことは一つもなく、
体の中にごく自然に流れている音楽だったんだろうな~と、今思う。
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