１１年前の今日、Dream TheaterのAwake Tourを観に行くはずでした

1995年1月16日深夜
「明日は初生Dream Theaterだ！」
と大学生だった私は、大学のクラスの友人たちとの飲み会を終えてベッドへもぐった。

1995年1月17日5時46分

ドーン！と体が宙に浮き、数秒は寝ぼけていたせいもあって、
何が起こっているのか全然把握できなかった。
ベッドに必死にしがみつき、ロデオに乗っている感じだった。
遠くで食器が割れる音が聞こえる。
しばらくすると、揺れは収まり、
「あー、大きい地震だったなぁ」と再び寝床に入ろうとすると、母が
「あんた、何寝てんのよ？！」

・・・今考えると、「あんた、大丈夫？」やろ！と思うがｗ

リビングへ行くと、観音扉の食器棚から大量の食器が床に落ち、粉々になっていた。
それらを掃除するのを手伝い、弟もどうやら無事だったようで、起きてきた。
ちなみに、一番怖がりの父は東京へ出張中であった。

テレビをつけると、滋賀が震度５って報道されていて、確か、神戸（兵庫）は
震度なんぼとも全然出ていなかった。

「震源地は琵琶湖かねぇ。」
なんて、呑気な会話をし、
「そういや、今日はゼミの先輩の卒論発表会だよ・・・、学校行かなあかんなぁ。」
と面倒に思って、朝食を取りながら、テレビの報道をみているうちに、どんどんエライことになっていった。


「震源は神戸、震度７」


え？
うそやろ？


「電車は止まっています。」


あら。
学校行かれへんやん。



「阪神高速が倒れています。」



・・・・！！！
当時の彼氏が、阪神高速の真横に住んでいた。
あ。いつもの見慣れた景色やん。
その瞬間に、ほんまにエライこっちゃ、と実感できた。
そして、彼氏の無事が気になった。。。っていうか、この時点では生死というレベルではないが。


「神戸市長田区、神戸市灘区周辺が火事です。」



うわ！燃えてる！
すげぇ。
っていうか、関西外から大学に通っている友人はほとんどその周辺に住んでいる。


「死者は５０名以上にのぼる模様。」



うそや。
そんな桁じゃないはず、高速倒れてるわ、家つぶれてるわ、燃えてるわ、絶対もっと凄い死者の数だ。

やっと、電話をかけて、彼氏の安否を確認しようと頭がまわった。
受話器を上げる。

電話番号をプッシュするも、話中のトーキが流れるばかりで、全く通じない。
しまいには、受話器を上げてもうんともすんとも言わなくなった。

電話が通じないなんてこと、それまでなかったから、ほんまにほんまにエライこっちゃ。
もちろん、当時、携帯電話なんてものは一学生が持てるものではなかったし。


さて、電話が通じたり、いろいろな正確な報道がなされ始めたのは、昼過ぎだった。


昼過ぎに、避難所の臨時電話より、彼氏からの連絡があった。
体中の力が抜けた。ほっとする、っていうのは、このことだと思った。
とりあえず、周辺住民はみんな避難所となっている小学校にいるらしい。
周りの木造の家はすべてぺしゃんこ、彼氏の家は丈夫そうな鉄筋マンションだったので、
びくともしなかったとか。阪神高速の傍なのに、奇跡的だ。


そして、しばらくしてから、昨日、一緒に飲んで、また明日学校でね！
って言っていた友人が亡くなったとの連絡が入った。
そして、更にしばらくしてから、私が所属していたクラブの部員の安否を確認することにし、
連絡網というのはなかったけれど、思い当たる連絡先に電話しまくった。
・・・結果は、１年後輩の子が亡くなっていた。


友人の死、っていう実感はあまりなかった。


クラブの後輩の子の葬儀に後日行ったときにようやく、実感っぽいものがわいたが、
ドーンて揺れた瞬間にペシャって建物が崩れてきての、圧死だったらしく、
こういう言い方はよくないのかもしれないが、まだ良い亡くなり方だった。


しかし、クラスの友人は・・・
生きていたのに、火事に巻き込まれて亡くなった。
詳細を書くと辛くなるので。。。


さて、その日の夕方に近付いてきた刻。
「Dream Theater公演はさすがにないよなーっていうか阪急（電車）動いてないし」
って考える余裕ができた。
めっちゃ観たかったのになーなんて言うのは不謹慎だったか、でもそう思っちゃった、ごめんなさい。
でもDTのメンバーも大阪で阪神大震災を体験したのです。
直後の福岡公演では阪神大震災に遭った人たちへ向けてのメッセージが
ラブリエの口から（通訳通して）語られたようです。
今日、DTは帰っちゃうけど、彼らにとっても今朝は特別な日の朝だと思います。



さて、私はと言うと、友人の葬儀、彼氏の救出、
神戸の友人が避難してきた大阪の友人の家にお見舞いに行ったり、
いろいろ忙しい１週間だった。しばらく学校は休みだったしね。


大学のときのクラスの友人たちとは、１月１７日には必ず集まることにしている。
最初のうちは、友人が亡くなった現場に行ってお供えなどもしていたのだが、
もう今、その現場は当時の面影も無く、新しい生活が始まっているため、
みんなで酒でも飲んで、わいわい楽しもうってことで、大阪近辺で集まっている。

そして、今日も。行ってきます。

R.I.P. Kouji