「パティシエになりたーい!」ブログ。

元パティシエ・オペラのお菓子の話やらオタクっぽい話やらのごちゃ混ぜブログ。

「赤毛のアン」のいいセリフ・16話~18話

2014-11-19 23:56:11 | 赤毛のアン
第16話「ダイアナをお茶に招く」より
冒頭、アンが外から帰ってくるなり言うセリフ
「ねえマリラ!10月がある世界に住めてとっても嬉しいわ!10月を抜かして、いきなり9月から11月になったらつまらないでしょうね。」
「……」(無言でアイロンをかけ続けるマリラ)
「ほら!この楓の色を見て?胸がわくわくするでしょう!あたし、この枝で自分の部屋を飾るの!」
「散らかるよ。」
…「赤毛のアン」がおもしろいのは、アンのおしゃべりだけじゃなく、それに対するマリラの冷静すぎるツッコミのためだとうちは思います!!
会話は続きます。
「寝室は寝るために作られているんだよ。」
「あら!それから、夢を見るためによ、マリラ!綺麗なものが置いてある部屋で寝た方が、夢がよく見られるのよ。」
なるほど…!!これはマネしたい…!って言ってもうちの寝室は部屋とイコールで、ってそれはアンも同じか…。この後、ちゃんと部屋のテーブルの上の青い壺に紅葉した楓の枝を飾って、満足げに見やるアンがかわいすぎます。

この日、マリラはお出かけするので、午後にダイアナをお茶に招いていいと言われて。
「…まあ…マリラ…!なんて素敵なんでしょう!マリラはやっぱり想像力があるのよ。でなければあたしがどんなにそうしたがってたが、わかるはずないもの!…人をお茶に呼ぶなんて、楽しくって大人になったみたいだわ…!」
アンに一番学びたいのは、喜びの表現です。ほんとに嬉しいんだなってことが、わかるよね。嬉しい時は嬉しいって、自分が嬉しいだけの大きさで言えるようになりたいってことは常に思います!…いやうち言ってるような気もするけど。もっと、ちゃんと言えるようになりたいなーって!

…で、こんなに楽しみにしてたんだから、あんなことになってしまうのはほんとにかわいそうで…。
かわいそうなんだけど、その翌々日、泣いて家に飛びこんできたアンに向かって「今度は何が上手くいかなかったんだね」って言うマリラのセリフにどうしても笑ってしまう…www 「今度は」って!アンにはしょっちゅう上手くいかないことがあるんですね…w

まあ事態はほんとに笑い事じゃなく…、マリラの説得でもだめだったのでアンは自らダイアナのお母さんのところへ行って許しを乞うのですが…
「あたし、あたし、あの…ダイアナを酔わせる気なんか、全然なかったんです!どうしてそんなことができるでしょう!おばさんが親切な人にもらわれた哀れなみなしごで、世界中で心の友と言える相手はたった一人なんだと想像なさって下さい…!その友達を、わざわざ酔わせようなんて誰が思うでしょうか!あたし、あれはただのいちご水だとばかり思ってたんです!てっきりいちご水だと思い込んでたんです!…ああ、もうダイアナと遊ばせないなんてどうぞおっしゃらないで下さい…。もしそんなことおっしゃったら…あたしの生涯は、悲しみの暗い雲に覆われるでしょう…」
アンは必死です。声も体も震わせて…見ててかわいそうになるくらいに必死です。だけどこういう時、アンの芝居がかったようなしゃべり方は不利だよなあ…。バカにされてると思う人もいるでしょうね(実際、バーリーのおばさんは眉ひとつ動かさないで戸を閉める)(リンドのおばさんには許してもらえたんだけどなあ)。

第17話「アン、学校にもどる」より
出だしからアンとダイアナの…メロドラマか!っちゅーやりとりが続いて、どこをピックアップしていいか迷いますね…。
ダイアナが外からアンを呼んで、アンは喜んで飛び出すんだけど…その表情を見て、お母さんが許してくれたのではないことに気づく。まだ存分に怒っていて、二度と遊んではいけないって言われてるらしい。ダイアナ自身も必死に、アンが悪いんじゃないと訴えたけど、マリラも呆れるほどの頑固頭のバリーのおばさんは全く聞く耳をもたないらしい。今も必死にせがんで「お別れ」を言いに来る許しをもらったんだと…でも10分しかだめだって…今も時間を計って待ってるんだと、涙を流すダイアナ。嘆くアン。
しばらく二人で並んで川を見つめて…そして涙を拭き、アンが言う。
「…わかったわ、ダイアナ…。あぁあ…でも永遠の別れを告げるのに、10分じゃ短いわ!ダイアナ、若き日の友として、あたしを決して忘れないって約束してくれる?……『より愛しき人のなれを抱くことありても』」(この最後のは、芝居がかったセリフっぽい感じで言ってる)
「…ええ、もちろんよ…!それからあたし、決してもう心の友なんて持たないわ。持ちたくないの!どんな人だって、あなたみたいに愛することはできないもの。」
…もちろん変な意味ではなく。二人とも本当に悲しんでるんだけど、このダイアナの「愛」の発言で、アンの表情がパアアと明るくなるのが…かわいいです。喜んでる場合じゃないだろ!ってツッコみたくなるけど…この後がね…
「だってねダイアナ、あたしを愛してくれる人が現れるなんて、思ってなかったんだもの!物心ついてから、一人としてそんな人いなかったんですもの。ああ…なんて素晴らしいんでしょう。」
アン…。
これ、その…謙遜、とかじゃないんですよね。これまで、人生で当たり前に与えられるべき愛情も、与えられることのなかったアン。そこまで悲壮感のない言い方からしてアンは、それは自分の身の上では当然だと思っているっぽい…。だからこそ、ダイアナの言葉が本当に、本当に嬉しかったんですね。「ねえ、もう一度言ってみて。」ってダイアナに言います。
「…あなたを心から愛しているわ、アン。いつまでも変わることなく。本当よ。」
真剣な顔で繰り返すダイアナ。感激の涙を流すアン。二人は…お互いに本当にかけがえのない、大事な存在だったんだなって、よくわかります。偶然仲良くなったとかじゃなく、お見合いみたいな状態の出会いで(なにその例えって感じだけど…そうだよねえあれ)、しかも最初からかなり暴走気味のアンを、ダイアナが優しく受け入れた…みたいな印象が強いんだけど、アンにとってだけでなく(アンはしょっちゅうダイアナの存在への感謝を口にしてるから、余計に印象が強いんだな)、ダイアナにとっても、唯一無二の存在だったんだなあって。そりゃ、アンみたいな子なかなかいないよね…。出会えて、本当によかったよね…。(今、引き裂かれてるけど…)

そして、あれほど嫌がっていた学校に戻ることにするアン。学校でならダイアナを見られるから(※話はできない)。
もう石板を人の頭で叩き割ったりするんじゃないよって忠告するマリラに、アンは答える。
「模範生になるように努めるわ。…たいしておもしろいことじゃないと思うけど。フィリップス先生はミニー・アンドリュースを模範生だと言ってるけど、あの人にはひとかけらの想像力も元気もないのよ。退屈そうで、何のおもしろいこともなさそうな顔をしているわ。…でも、今はあたし元気がないから、簡単に模範生になれるかもしれないわね…。」
本当にしゃべり方からして元気がないです。あいかわらず一つのセリフが長いけど…。あとミニー、なにげにボロクソ言われてるけど、がんばれ……(後でダイアナへの手紙の中で「いい子」と評される。想像力はやはりないらしいけど…)。

第18話「アン、ミニー・メイを救う」より
さあ来ました!大変なんだけど、最高にかっこいいアンが見れる、大好きな回です!
シャーロットタウンに総理大臣が来るとのことで、マリラや、街の大人が多数不在の雪の夜。グリーンゲイブルズに顔面蒼白のダイアナが飛び込んできます。妹のミニー・メイの具合がひどく悪いけど、両親がいないためにお医者さんを呼びに行けない、メイドさん?も自分もどう対処していいかわからないため、アンに助けを求めに来たのでした。
ダイアナの説明を聞いて、何も言わずにマシュウはお医者さんを呼びに行くために家を出る(これもかっこいい。私の持ってる本には、アンが「(マシュウの考えていること、そしてアンがマシュウにこの場で頼むべきことすら)何も言わなくてもわかるのよ」と言うシーンがある)。お医者さんも遠くに出かけてきっといない…と泣いてるダイアナを励ますアン。
「泣いてちゃダメよダイアナ!お医者はきっとマシュウがなんとかするわ。それに、喉頭炎ならどうすればいいか、あたしよく知ってるの。ほら言ったでしょう?ハモンドさんとこには、双子が3組いたって。双子を3組も育てれば、自然、経験も豊かになるわ!」
ダイアナを落ち着かせるため、明るく言うアンがすごい。性格のせいもあるだろうけど…アンだって緊張はしてるはずなのにねえ。
そして言葉の通り、アンはミニー・メイの様子をよく見て、確かに喉頭炎だと判断。メイドさんとダイアナにそれぞれ指示を出しながら、冷静に対処するのでした。薬を一匙飲ませるのも大変そうだけど、真剣にやってるアンのかっこいいことといったらない…!
お医者さんはなかなか見つからず、やっとマシュウが連れてきた時にはもう夜中の3時を過ぎていた。…でも、その時にはもう、ミニー・メイの容態も落ち着いていて、お医者さんはそこにいたアンの処置を絶賛。後でお医者さんがバーリーのおばさんに報告する時のセリフが素晴らしいので書きます。アンがどれだけすごかったか端的に説明してくれてる!
「あのアンとか言う赤い髪の女の子はまったく切れ者ですな。お宅のお子さんの命を助けたのはあの子ですよ。私がここに着いた頃にはもう手遅れになっていたはずですからね。とてもあんな年頃の子供とは思えない腕前と冷静さを持っているようですな。容態を説明した時のあの子の目つきと言ったらなかったですよ。」

夜を徹した看病を終え、マシュウの馬車で帰る時、美しい雪景色を見てこのセリフ。
「ああ、マシュウ、素晴らしい朝ね!まるで神様が、自分の楽しみだけのために描いてみせた世界みたい。」
自分の楽しみだけのために描いてみせた…、出てこない、出てこないよこんなセリフ…!
そして続いてこれ。
「…あたし、双子のことでハモンドのおばさんに腹を立てたの、後悔してるわ。だって、3組の双子がいなかったら、ミニー・メイを持て余したに違いないんだもの!」
子守りは大変なことばかりだったはずなのに…。こうやって言えるのは本当にすごい。

…そしてこの件がきっかけとなり、バーリーのおばさんはアンを「ミニーメイの命の恩人」だとして心から感謝し、あのいちご水事件で「ダイアナを酔わせる気はなかった」というアンの言葉を信じなかったことを許してほしいと…そして、今まで通りダイアナの友人として付き合っていってほしいと言ってくるのでした。アンを正式な「ゲスト」としてお茶会に招き(アン曰く、特別なお客様用の茶器まで出してくれて、完璧大人扱いだったらしい!もちろんアンは大喜び!)、ダイアナといっしょにタフィー作りをする様子をほほえましく見守る姿、16話と比べるとものすごい変化です…が、半端な事はしないのはかっこいいよバーリーさん!
そして本当によかったね、アン…!ダイアナ…!