「パティシエになりたーい!」ブログ。

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遊戯王文庫版感想 18巻(破)

2009-09-07 20:01:03 | 遊戯王☆感想文
「『自己愛発言』からの海馬瀬人についての考察」
(17巻感想作成中に書いていたもののため、かぶっているところもあります)

社長は、自分のことが嫌いだったのかもしれない。
あんな人だから、自分大好き!に一見、見えるけど…。

遊戯の指摘した、「憎しみ」。それは他人だけでなく、自分にも向いていた?
そう考えると、あの自己愛発言もちょっとわかるような。
でも社長の環境は…剛三郎とか親族とか、100パーまわりのせいである。
それでも、きっかけはどうであれ…こういう手段しか取れなかった自分への憎しみが…、モクバに「家族」を与えられなかった自分への憎しみが…積み重なっていった。
「イカサマゲームなんかやらなければ…」
これはモクバの願いであって、本当の兄サマの願いでもあった?


「教えてやろう遊戯…。人間が何故闘うのか!何故勝利をつかみたいのか!それはすべて『自己愛』獲得のためなのだ!」
自分が嫌いだから信じることもできない。しかしそれでも自我崩壊せず、周りへの憎しみへと変えて生きてきた。闘って勝つ、という「結果」だけが自分で自分を認められるもので…だから勝利にこだわっていた。この発言は一般論じゃなくて、経験談であったのかもしれない…。
怒りと憎しみを糧にして、…それにつぶされないようにまた新しい最強の称号を、勝利を求めて…。あの闘いで負けなければ、闇様の言う通りの未来になってしまっていたのだろう。




…唐突に、「炉心融解」について。
日記としても書き残してますけども、17巻感想を書いてるときにこの曲を初めてちゃんと聴いて、大きな衝撃を受けました。ニコニコでは超有名な曲です。いろんな意味で。

とりあえず…まあ一度は聴いて欲しい。
コメントは消したほうが美麗なPVも歌詞もよく見えていい感じです。右下クリックで消えます。
【鏡音リン】炉心融解【オリジナル】


この曲を聴くたびに、びっくりするほど泣いてしまうようになってしまった理由は…、何度も聴いているうちに、歌詞が社長のことにダブって聴こえてきてしまったから。
「君の首を絞める夢を見た
光の溢れる昼下がり
君の細い喉が跳ねるのを
泣き出しそうな眼で見ていた」

あの映像…あの、首絞めてるとこ…社長が、子瀬人の首を絞めてる映像が見えてしまう。あの綺麗な青い瞳を細めて、全力で、昔の自分を殺して、…闘って生きてきた社長が見えてしまう。

それが子瀬人なら、社長はその手を緩めることは絶対ないだろう。
だけど、いつのまにかモクバに変わっていたら…
子瀬人を、…本当の自分を殺し続けることは、モクバを傷つけることに他ならない。夢の中だから出てくる無意識。現実には絶対に出してはいけない…『気づいてはいけない』事実。
その手はもう止まらない。でもモクバはきっと、最後には笑うんだろう。

ドーマ編で(いきなりアニメの話ですみません)「救える!」と断言していた社長に…愚問だとは思うけど、聞きたい。
モクバを切り捨てようと思ったことはないですか…。
…ないですよね。でも、いっそ自分と一緒に…くらいは思ったことはあるかもしれない。
または、…強く、強く押さえつけていたからこそ、こういう夢は本当に見ていたかもしれない…。

「核融合炉にさ 
飛び込んでみたいと思う
真っ白に記憶 融かされて消える
核融合炉にさ
飛び込んでみたら また昔みたいに
眠れるような そんな気がして」


そんなことは絶対に思ってはいけない。
けど、全部忘れて…綺麗に消えてしまえたら、もう闘わなくてすむのなら…それはどんなに楽だろうか。
そんな思いを押さえつけるあまりの、あの態度なんだとしたら…と思うと、もう涙が止まりません(ていうかここまで全部私の妄想とか本当すみません…)(もちろん、社長がそんな女々しくて弱いわけないだろう!それお前だろ!っていう意見が大多数だろうなとは理解してます。でも、こういう可能性だってある、ということで!)。




遊戯との闘いでの、「理想とする家族像」発言…。
過去を憎む発言は、たっぷりあるけど…ここでの過去の具体的な話はモノローグのみ。しかも向かう先はモクバ。
自分の過去を他人に話す気はない、同情はいらない、わかっているのはモクバだけで、それでいい…ということ?
子供時代の口ぐせは、「いい暮らしをさせてやる」
施設から出て、新しい家族と…お金もたくさんあるところに見事行ったつもりだった…。だけど剛三郎が……。
今や二人は社長と副社長。超お金持ち。剛三郎すら、いない。
だけど、モクバに「家族」は与えてあげられなかった…。「(そこに理想とする家族像などなかった…)」のセリフは、そのことをまだ、悔やんでいるということなのかもしれない。
…そういや、剛三郎はなぜモクバには英才教育をしなかったんだろう?
瀬人だけに才能を見ていた?(イカサマするくらいだし)
いや、違う…。きっと、瀬人が守ってたんだよ。自分がやるからって、モクバを守ってたんだよ…(琥珀さんだよそれ…涙)。

モクバを守ることが、生きる力、闘う原動力になっていた社長。
…それを重荷に感じることもあったのでは?というのが上の…炉心融解の話あたりの考察なんですが、
重荷に感じていたのは、モクバだったかもしれない…というのが最後の考察。

あんな賢い子だから…自分さえいなければ、兄はもっと自由だったかもしれないと考えたことも一度や二度ではないと思う。それでも何もできない…兄に守ってもらうしかない、って理解してしまうのは…辛いだろうなあ。今、あんなにしっかりしているのは、必死の背伸びの結果なのかもと思うとまた泣きそうになってしまう。それでも兄がすごすぎて、全然追いつけないんだもんね。
社長はたとえモクバに何か言われたとしても、聞き入れることはないだろう。モクバを守ることが自分の使命だと信じているような感じだし…モクバもまたそれを理解して、あえて言わないようにするだろう。だから、「自分さえいなければ」みたいな考えをモクバが持っているかもしれないってことには、社長は永久に気づけなかったかもしれない。…きっと、そういう意味でもあの敗北には意味があったんだ。憎しみで本当の自分を傷つけ、消し去ってしまうことだけでも、とにかくやめてもらえたんだから。


それにしても闇様はすごいなあと…本当に思う。
私はかなりの時間を掛けて、妄想で回り道しつつも必死で色々考えて、ようやく社長の本質みたいなものを少し理解できたかなぁ…と思える程度なのに、あまり長くない時間を一緒に過ごしただけで社長のことをあそこまで見抜いて、救って…そして変えてくれたんだもの。すごい。
真剣勝負の中で向き合う、っていうのは、お互いにとってそれくらいに凝縮した、充実した時間なのかもしれないけど…それにしてもすごい。闇様が何者だったのか…これから読めるのがとても楽しみ(次を書いてからだけど…)。


さあ、それでは行きましょう。
ここまで本当に、本当に色々あった海馬くんの、…一つの「答」を見に。
その成長を、変化を、受け入れて…、
そして笑顔で見送るために。