その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

夢屋王国(兵卒の死)

2011-11-02 17:49:14 | 夢屋王国

それは突然の悲報でありました。一兵卒S君の死を告げるメールでありました。
今から20年前、私たち8人の勇者が、とあるプロジェクトのために一堂に集められました。年齢的にはバラツキはあったものの、30歳前後の兵卒たち。6ヶ月ほど、別の職場に出向という形で集められ計画書作りをした仲間であります。今の私の立場からすれば、実に稚拙な計画書ではあるのだけれども、当時は、それぞれが小さな子どもを抱え、その子供たちの将来に向けて真剣に議論しながら計画書作りをしたつもりであります。
物事の思考回路が泥臭い『夢屋』に比べ、彼の思考回路は整然としており、容姿とともに実にスマートでした。もし、彼が管理職としてもう少しだけ生を許されたならば、彼の職場もリーダーシップを発揮することになったろうに・・・。
30代で1名、40代で2名の幼馴染みが亡くなりました。そして50代。自らの生も含め、同期や知り合いの訃報に接する機会が増えることでしょう。それは、どこまでも他人の死でしかないのでありますが、否が応でも自分の生を考えさせられることとなるのであります。自分は何をして来たのか、こんな生き方で良いのだろうかと…。

S君の死など全く意に介することも無く、行く秋を精一杯活動する昆虫たちがおります。彼女の背中には、大きなハートマークがひとつ。「エサキモンキツノカメムシ」であります。彼女は、子育てをするカメムシとして有名であります。「エサキ…江崎悌三・九州帝国大学教授」、「紋黄…背中のハートマーク」、「ツノ…肩の張り出し(形態分類)」のカメムシであり、半翅目研究の権威であった江崎教授に敬意を表して、発見者が命名した名前だそうであります。
背中にハートマークがあったところで、人の生活に何の影響を与えるものではありませんが、人間、事に当たっては熱いハートが必要なんだよなぁ…泥臭い思考回路は、今も健在なのであります。S君のご冥福を祈ります。

No.069 エサキモンキツノカメムシ Sastragala esakii HASEGAWA  昆虫綱 半翅目 ツノカメムシ科

このカメムシ♀は、自分の生んだ卵が孵化して、一度脱皮する(2齢)まで、自分の体の下で子どもを守る習性があります。興味のある方は、(コチラの観察日記をどうぞ^^;)
ネグレクト、幼児虐待などニュースの社会面をにぎわす昨今、人間様も彼女たちに子育てを学ぶ必要があるのかも知れませんなぁ・・・。

 

 

コメント
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