連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

妻が脳梗塞でダウンー5

2019-10-17 | 妻の闘病

手術から5日目

面会時間に行ったら、病室がナースステーション前の個室に変わっていた。

「あれお母さんじゃない?」中で治療中らしい車椅子の女性を見て嫁が叫ぶ。

確かにそうだ。ぐったりと首を横にうなだれているが、オバサンに違いない。

気丈な妻の面影は無い。「部屋で話しますか?」看護師さんが気を遣ってくれた。

頭を撫でながら彼女に話しかける「頑張れよ」不覚にも瞼がじわり。

「死ぬんだから頑張れない」そんな意味の事をたどたどしく口にする彼女。

「何言ってんだよ」何か言おうとしても言葉にならない。そっと頬に手を添える。

「お父さん、手を握ってあげて」嫁にせかされ手を・・何年振りだろう・・

右手は麻痺が無いようで驚くほど力強い。こんなに綺麗な手だったか・・

強い力で何度も何度も握ってくる。「しっかりしなさいよ」と言われているかのよう。

治療中なので直ぐにナースステーションに戻った彼女。後ろ姿にまた涙。


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