連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

我儘はお互いさま

2013-12-26 | Weblog
外から戻った夢さん、手にはオバサンの好きな店のケーキ。

「さっきは酷い事を言ってご免なさい、どうぞ召し上がってください」

食事の支度をしているオバサンに、カウンター越しにペコリと頭を下げる夢さん。

ちょっと大袈裟かなと思ったが、芝居がかったジョークを交えて思い切ってやってみた。

照れるんじゃないかと思いきや、すんなりには本人がビックリ。おいおいマジかよ!

平気でこんな事が出来るとは驚き。歳を取ると言うのは実に恐ろしい夢さん愕然。

もっとも、いまさらオバサン相手に突っ張ってみてもはじまらないからね。

能面のようだった、オバサンの顔がフッと緩んだ。おっご機嫌なおったかな?

「そうよね あんな酷い事 普通は言わないわよね」オバサンがやっと口を開いた。

「自分だってあんな事言われたら腹が立つでしょ?」チクリチクリと二言三言。

ムカッ!  

そうかいそうかいそう言わせたのは一体誰なんだっけ?

一言多いんだよなったく!・・・・・・


「あら美味しそうねありがと」箱を開けたオバサンニッコリ。

「あたしこれ好きよ」 だろそうだと思ったよ。

「ご飯食べてからね、片付けてから」うん いいよ。  

自分が好きな”栗のモンブラン”も、しっかり入れてもらった夢さんだ。フフッ