生死一大事血脈抄

　人間五十年
　
　下天のうちをくらぶれば　

　夢幻のごとくなり

　一度生を得て

　滅せぬ者のあるべきか　

　　　　信長
　

己の信念を貫くことを諒として逝く者と・
現世利権や生に執着して・手を尽くして生き残る者。

どれ程宇宙の法則に遡行しようとて、
些細な人智など　真実の力に及ぶものではない。

たかだか数十年の結果に
一喜一憂して何になろう。


真の勝敗は、自分自身の中にしか無い。



今生に人を恐れて
後生に悪果を招くこと勿れ


章安云く
「彼の為に悪を除くは　即是彼の親なり」と

　
異解して説く者を
皆名づけて謗と為するなり

　
全く仏子を禁むるには非ず
唯偏に謗法を悪むなり　

　
弥身口を調へ
謹んで主人に向うべし・主人に向うべし

　　　　　日蓮
　

相構へ相構へて
強盛の大信力を致して
南無妙法蓮華経臨終正念と
祈念し給へ。

生死一大事の血脈・
此れより外に　
全く求むることなかれ。

煩悩即菩提・生死即涅槃とは
是なり。

　（生死一大事血脈抄）

　　　　日蓮