朝日新聞出版
これで一体、どのようなことがわかるのだろうか。
そもそも、フレイルとは、どのような状態を指すのだろうか。
フレイルとは、「加齢によって心身の活力が、徐々に低下してくる状態」を指す。
これまでは「虚弱」「老衰」などといわれてきたが、可逆性をもつ、つまり元の状態に戻る可能性がある、
希望がもてる言葉として「フレイル」が提唱された。
年をとれば、ある程度の衰えはしかたがないことだが、フレイルが進行するままにしていると、
その先には寝たきりなど、要介護状態が待っている。
フレイルは健康と要介護の中間にある状態ととらえてもいいだろう。
フレイルにはいくつかの側面がある。
身体面では、歩く速度が遅くなって横断歩道が渡り切れない、
ちょっとした段差につまずくなどがフレイルのサインとなる。
質問票では、(1)、(7)~(9)が該当する。
また、オーラルフレイルと呼ばれる、口腔機能の低下の有無も重要だ。
自分で噛んで食べることが、健康寿命を延ばすために必要であることはよく知られている。
質問票では(4)、(5)で評価される。
精神や認知機能の健康度もフレイルに含まれ、
認知症やうつを防ぐための大切な評価ポイントとなる。
質問票の(2)、(10)、(11)にあたる。
そしてもう一つ重要なのが、質問票の(13)、(14)でみる社会性の評価だ。
外出や人との付き合いで社会性を保つことも、心身の健康につながるからだ。
これらに、生活習慣や体重変化、サポートの有無などのチェックが加えられている。
東京大学高齢社会総合研究機構機構長の飯島勝矢医師はこう話す。
「本来は、医師や看護師、保健師などの専門家が評価する健診ですが、
自分で、または家族や友人とともにチェックしてもいいでしょう」
その際、何点以上ならフレイル、という判定ではなく、
マイナス方向の答えになった項目を改善して、
次の機会には、すべての項目がプラス方向の答えになることを目指すのが重要だという。
「『はい』が三つだから、フレイルのリスクなし、という評価ではないのです。
マイナス方向の答えのゼロを目指してください」(飯島医師)
■プレ・フレイルなら元の状態に戻ることも
フレイルの要素は、それぞれが関係し合っている。
例えば、一度転んでしまうと、また転ぶのではないかと不安になり、散歩をやめてしまう。
引きこもり気味になって、徐々に足腰が弱ってくる、からだを動かさないので食欲が落ちる、
友人にも会わなくなり、ぼんやりしていることが多くなってきた・・・
このように、一つのフレイルから次々に、そのほかの面でもフレイルが起きてくる。
東邦大学医療センター大森病院リハビリテーション科教授の海老原覚医師は次のように話す。
「小さなことがきっかけになって、ドミノ倒しのように、フレイルが進むケースは少なくありません」
では、フレイルに気づいたときには、もう手遅れなのだろうか。
そうではなく、重要なのはフレイルには可逆性がある、つまり努力次第で元に戻れることだと、
両医師ともに強調する。
あと少しでフレイルになってしまいそうな段階(プレ・フレイル)であれば、さらに戻りやすいという。
フレイルを放置して要介護になってしまうと、元の健康な状態に戻るのは難しくなる。
■運動、栄養、社会参加、口腔ケアで脱フレイル
フレイルは一つだけを改善するのではなく、複数の側面からアプローチすることが大切だ。
それぞれのポイントごとに解説する。
▼運動=筋肉を増やそう
フレイルの要因として重要なのが、サルコペニア(筋肉減弱症)だ。
加齢によって、筋肉量が徐々に減っていく。
歩く、走るなどの日常の動作が不自由になるだけでなく、筋肉量の減少で消費エネルギーが減り、
食が細くなって体重が減少する。
また、免疫力が低下することも明らかになっている。
指輪っかテストでおおよその筋肉量を測ってみよう。
指輪っかとふくらはぎの間に隙間ができていたら、サルコペニアの可能性が高い。
【指輪っかテストで筋肉量を測ってみよう】
「サルコペニアは、フレイルの最大の要因です。
高齢者が2週間、からだを動かさず寝たきりのような生活を続けると、
7年分の筋肉を失うことがわかっています。たった2週間で要介護にぐんと近づいてしまうのです」(飯島医師)
しかし、筋肉量は次のような工夫で、回復させることができる。
(1)こまめにからだを動かし、代謝をよくして食欲を取り戻す。
(2)歩くなどで足を使う。
(3)たんぱく質を積極的にとって、筋肉を育てる。
▼栄養=たんぱく質をしっかりとろう
筋肉を増やすために不可欠なのが、たんぱく質だ。
どんなに運動を頑張っても、筋肉のもとになる栄養素であるたんぱく質が不足していては、
筋肉は増えない。
また、筋肉や骨に栄養素を運んでくれるビタミンDも意識してとりたい。
日光に当たることも、体内でのビタミンDの活性化には不可欠だ。
食習慣についての考え方を、ぜひ変えてほしいと、両医師は口をそろえる。
中年期はメタボリックシンドロームを防ぐために、
低カロリー、低脂肪、野菜中心の食生活が勧められていたが、
老年期になると、それではいけないという。
「老年期になると代謝も変わり、生活習慣や環境も変化します。
『おなかの脂肪を落とそう』と考えるのではなく、しっかりたんぱく質やカロリーをとって、
フレイルの予防に努めることを第一にしてほしいです」(飯島医師)
(文・別所 文)
≪取材協力≫
東京大学 高齢社会総合研究機構機構長・ 未来ビジョン研究センター教授 飯島勝矢医師
東邦大学医療センター大森病院 リハビリテーション科教授 海老原 覚医師
※週刊朝日ムック『新「名医」の最新治療2020』より ・・》
記事を読み終わった後、多々教示させられた・・。
歩くことが何より健康体の源(みなもと)と思い、そして適度な熟睡する睡眠、或いは程ほどの食事が、
セカンドライフの私なりの健康体の三種の神器として思い、年金生活を過ごしてきた。
やがて現時点では、特に問題がないよなぁ・・と微笑んだした・・。
私は亡き母の遺伝を純粋に受け継いだ為か、恥ずかしながら男の癖におしゃべりが好きで、
何かと家内と談笑したり、ご近所の奥様、ご主人など明るく微笑みながら談笑したりしている。
そして私は、遊歩道、公園などを散策していると、見知らぬ男性、
女性グループの御方たちと、話しかけられたり、或いは話しかけたりして、談笑し、
殆ど毎日過ごしている。
こうして歩く時の私は、紳士バックを園児のように斜め掛けして、颯爽と歩いたりしていることが多いが、
大半はデジカメをネクタイのように首から掛けて、歩いている中で瞬時に魅了された情景を、
一期一会ねぇ、と思いながら撮ったりして、記憶のかたみとしている。
そして私は殆ど毎日歩いているので、 家内より日焼けしているわょ、
と私は毎年3月頃から言われたりした。
そして私は洗面所で顔を見ると、日焼けした顔立ちを見て、
クロちゃんだねぇ、と微笑んだりし、高齢者は元気が何よりだよねぇ・・と微笑む時もある。
或いは、知人とか友人と時折お逢いする時は、しばらくねぇ・・、と私は笑いながら逢ったりして、
日中はコーヒー、夕暮れからはビールか水割りのウィスキーを飲みながら、談笑をしたりしている。
ときおり国内旅行を私たち夫婦は幾たびか重ねてきたが、
旅先でも、私は食事処、ロビーなどて隣席した見知らぬ方でも、話しかけて談笑したりしている。
こうした中で、好奇心をなくしたらこの世は終わりだ、と信条している私は、
体力の衰えを感じている私でも、その時に応じて溌剌とふるまったりしてきた。
しかしながら、今年の