夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

阿川佐和子さんは、私にとっては姪っこのような存在の人・・!?

2013-10-29 15:12:18 | 定年後の思い
私は東京郊外の調布市に住む年金生活の69歳の身であるが、
昨夜の夕食の少し前、たまたまテレビのスイッチを押したら、
作家・阿川佐和子さんの笑顔が映しだされ、
あれぇ・・何の番組かしらと注視したら、NHK総合テレビ『鶴瓶の家族に乾杯』であり、
今回のゲストとしては阿川佐和子さんが出演されていた、と私は判明した。

そして台所で夕食の準備している家内に、
『XXちゃんさぁ・・阿川佐和子さんが『鶴瓶の家族に乾杯』の番組で出演されているょ』
と私は大声で伝えたりした。

家内は芸能人、映画やテレビの女優さんには苦手であるが、作家・阿川佐和子さんの言動には、
何かと日頃から好感している人となっている。

そして我が家として稀であるが、この番組を視聴しながら、夕食を頂いた。

この後、私は阿川佐和子さんの言葉、しぐさを見ながら、
こうした言動にお父様がご覧になっていたら、さぞかしご安堵されている、と私は思ったりした。
          

私は東京オリンピックが開催された1964〈昭和39〉年の秋、
大学を中退して、映画青年の真似事をした後、養成所の講師の知人のアドバイスに寄り、
文學青年の真似事をしたりした。

こうした中で、中央公論社から確か『日本の文学』と命名された80巻ぐらいであった
と思われる文学全集を読んだりした。

やがて講談社から出版された『われらの文学』と名づけられた文学全集を購読したりした。
この文学全集は、確か1965(昭和40)年の頃から毎月一巻発刊され、全22巻であった。

そしてこの当時に最も勢いのある大江健三郎、江藤 淳の両氏による責任編集の基で刊行され、
この当時の老成家した作家を除外した斬新で新鮮なな全集であり、
選定された28名の作家の作品を私なりに精読していた。

そして、この全集の中で、第15巻として『阿川弘之、有吉佐和子』が、
1966(昭和41)年7月に発刊された。
             
これ以前に、阿川弘之・著作は、確か新潮文庫であったと記憶しているが、
『春の城』(1953年)、『雲の墓標』(1954年)を二十歳過ぎの時に読んだりした。

特に『雲の墓標』は、阿川弘之氏が純文学月刊雑誌のひとつの『新潮』に、
1954(昭和29)年に於いて、連載し発表された作品である、と学びながらも、
私はこの戦時中の時代の空気も描かれ、
鹿屋基地にある海軍海兵団の青少年の心情も深く表現されている作品に感銘を受けたひとりであった。
そして私は、《・・雲こそ吾が墓標、落暉よ碑銘をかざれ・・》の一節にも感銘させられて、
この小説は、私の人生観を揺さぶられたひとつの書物となっていた。

そして『われらの文学』に於いて、氏の未読だった作品を読んだりし、
氏の『文学的出発の頃』を読みながら、敗戦後の野間 宏さんなどの戦後派の作家の隆盛の中で、
清貧の生活の中で、氏の文学を確立されるまでの状況に圧倒的に感銘をさせられた。

やがて第三の新人と称される庄野潤三、遠藤周作、安岡章太郎、北 杜夫など各氏と共に、
氏の作品を読んだりしてきた。


こうした中で、阿川弘之氏の数多くの随筆の中で、ご家族の状況を描かれ、
この中のひとりとして長女・佐和子さんも記載されていた。

このように私は、阿川弘之氏の愛読者のひとりであったので、長年読んだりすると、
佐和子さんの学生時代、その後のご様子も解り、
何かしら私にとっては親戚の娘の姪っ子が10代から育つ情態が手に取るように、
氏の随筆から佐和子さんの軌跡を解ったりした。
          

そして私は阿川佐和子・著の『あんな作家 こんな作家 どんな作家』(講談社文庫)を読み、
カバーの裏を読みと、何かしら著名な作家の57名の方にインタビューされた本と解った。
そして、私は『文庫あとがき』を読んだりした。
《・・本書は1986年初頭から1991年秋まで講談社『IN★POCKET』に連載し、
そののち単行本『あんな作家 こんな作家 どんな作家』として上梓した
作家のインタビュー記の文庫本である。

1986年初頭といえば、私がテレビの仕事を始めて2年あまり経った頃のことで、
活字の連載はこの『IN★POCKET』の仕事が初めてのものであった。・・》

そして阿川佐和子さんはインタビューした後、
《書けない、わからないと、進まない、泣き言を並べる私に対して・・》編集者に
悪戦苦闘する心情が、克明に綴られていた。

もとより作家は、伝統芸能の歌舞伎、茶道、華道などの世界と違い、
筆一本で生活できるのは、たとえ父親が作家であっても、困難である。

稀な作家の娘としては、古くは幸田露伴さんの娘である幸田 文さん、佐藤紅緑さんの佐藤愛子さん、
或いは吉本隆明さんと吉本ばななさん、そして江國 滋さんと江國香織さん・・となっている。
まして阿川佐和子さんの親友と称されている壇 ふみさんさえ、父親が壇 一雄であっても、
数冊ぐらい上梓しているが、作家としては生活が成り立たないのである。
          

ここ5年ぐらい阿川佐和子さんは、精力的に多作を発刊されているが、
この作品が活字としては処女作であったと知り、このような時代があったのだ、と私は微苦笑していた時もあった。

たまたま2011年の10月初旬に、阿川佐和子さんは、
確かNHKのテレビの朝の番組【生活ほっとモーニング「この人にトキメキっ!】に於いて出演されて、
《・・大学を卒業後、人生に彷徨(さまよい)いながら、
テレビの副司会者として起用されたのは、父上の阿川弘之氏からの親の七光り・・
その後は筑紫哲也氏などの番組の副司会者として出演でき、親の七光り・・
ですから親の14光り、かしら ・・》
このような意味合いの言葉を発言されたりし、
私はこのお方の感性に、瞬時に魅了されたのである。

もとより阿川佐和子さんはが多くのエッセイ、小説を発表されているが、
初期の頃は父上の阿川弘之氏の文章の手ほどきを受けたりし、
その後も文章を綴ることの労苦を味わっていたのである。

この番組で、《・・父が母と子供4人を、筆1本で家族を養ったこと・・》
と感謝しながら発言された感覚に、
改めて私は阿川佐和子さんのこれまでの軌跡を思い重ね、
この方の素敵な言葉、笑顔、しぐさに私は魅了され増したのである・。
          

この以前に、阿川佐和子さんの対談集のひとつ
阿川佐和子の会えばなるほど ~この人に会いたい 6~』(文春文庫)を購読し、
対談の達人、と私は感じたりしていた。

そして、阿川弘之、阿川佐和子・共著の『蛙の子は蛙の子 ~父と娘の往復書簡~』(ちくま文庫)は、
ここ10数年、再三に私は愛読している本でもある。

父は1920(大正9)年、娘は1953(昭和28)年生まれの社会背景の中、
父から娘、娘から父への想いが真摯に綴られている。
父の阿川弘之氏は、戦後の文学風潮の中、小説家としての自己の文学の悩みなど発露され、
敗戦後から平成の8年までの、単なる家族関係でなく、
社会風潮も根底に秘められ、私なりに学ぶことが多いのである。
          

やがて昨年の2012月1月に、阿川佐和子さんは『聞く力 ~心をひらく35のヒント』(文春新書)を上梓され、
昨今の出版不況の中、100万部を超えるヒット作となった。

こうした中、総合月刊雑誌の『文藝春秋』(平成24年10月号)の定例コーナーの『日本の顔』に於いて、
阿川佐和子さんが取り上げられた・・。

そして阿川佐和子さんの日常生活が公開され、こうした中で父上の阿川弘之さんがご病気で、入院されて、
娘の佐和子さんがお見舞いに訪れる情景の写真があった。

私は阿川弘之さんが90歳を過ぎ、やはり心身ご健在だった人でも、
御歳を召された、と悲しんだりした。

そして阿川弘之さんは、異例な寄稿文を綴り、父親がこの先の娘に案じる深い思いに、
私は読み終わった後、涙を浮かべたりした・・。
《90歳を過ぎてから、小生、身体のあちこちに故障が生じ、都内の某病院に入院、現在は、療養中です。
人と話すとひどく疲れるのでお見舞ひはすべて拝辞、勝手ながら「面会謝絶」といふことにしてをります。
失礼の段、どうぞお許しください。

それと併せてもう一つ、娘佐和子の件。
至らぬ者が今回、この欄に登場と決まり、望外の栄誉なれども、
親の立場としてはやはり若干の憂慮を抱かざるを得ません。

読書の皆さん、旧知の編集者諸賢、彼女が今後、どのやうな歩み方をするか、
厳しく、かつ、あたたかく行く末を見守ってやつて頂きたい。
(虫がいいけれど)くれぐれもよろしくとお願ひする次第です。》
注)記事の原文に、あえて改行を多くした。


そして私は阿川弘之・著『鮨(すし)そのほか』(新潮社)に於いて、
今年の2013年4月が発刊されて、発刊日に本屋で買い求めたりした。
              
或いは阿川佐和子・著『阿川佐和子の世界一受けたい授業 ~第一人者14人に奥義を学ぶ』(文春ムック)、
             
昨年の2012年11月に発行され、やはり店頭で微笑みながら買い求めたりした。

そして私は阿川弘之さんのご著書を愛読して、50年になり、
阿川佐和子さんのご著書は姪っこに対する心情のような思いで、ここ15年ばかり読んだりしている。

☆下記のマーク(バナー)、ポチッと押して下されば、幸いです♪
strong>
にほんブログ村 シニア日記ブログ 60歳代へにほんブログ村
人気ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする