夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

この半年、私が読んだ本の中で、圧倒的に感銘させられた三冊の本は・・。

2013-07-13 15:53:10 | 読書、小説・随筆
私は東京郊外の調布市に住む年金生活の68歳の身であるが、
中小業の民間会社に35年近く勤め2004〈平成16〉年の秋に定年退職後、
日常の大半は、随筆、ノンフィクション、小説、近代史、総合月刊雑誌などの読書が多く、
或いは居間にある映画棚から、20世紀の私の愛してやまない映画を自宅で鑑賞したり、
ときには音楽棚から、聴きたい曲を取りだして聴くこともある。

このように定年後からの生活を過ごしてきたが、
私が読書に目覚めたのは、遅ればせながら高校生になってからである。
活字から綴られた底しれぬ内容はもとより、そして行間から感じられる深淵に、圧倒的に魅せられた。

そして年金生活の今でも本屋で、単行本、新書本、文庫本のコーナーを見たりして数冊買い求めたり、
ときには雑誌コーナーで月刊誌、季刊誌、臨時特別号を眺めた後、魅了された時は購入している。
そして、結果として手ぶらとなった時は、古本屋に行ったりして、読みたい本を探し求めて、
早や50数年過ぎている・・。

こうした中で単行本、新書本、文庫本の書籍に於いては、
定年後からは特に塩野七生、阿川弘之、佐野真一、藤原正彦、嵐山光三郎、曽野綾子、三浦朱門、
高峰秀子、松山善三、中西輝政の各氏の作品を中核に購読している・・。


先程、今年の1月~6月の半年間で、私が読んできた本の中で、圧倒的に感銘させられた本は、
と思い馳せたりした。
あえて3作品を選定すれば、と30分ばかり思考したりした結果は、下記の作品となる。


◎松山善三・著作の『依田勉三の生涯』(ハースト婦人画報社)
               
本書は1979〈昭和54〉年に潮出版社より刊行され、その後の復刻本である。

私は十勝地方を開拓に多大に貢献した晩成社を率いた依田勉三(よだ・べんぞう)氏を、
私が長年敬愛している映画脚本家、作家である松山善三(まつやま・ぜんぞう)氏が、
依田勉三氏に関して、書物に著作され上梓していたことに、私は驚きながら買い求めた一冊である。

たまたま私たち夫婦は、過ぎし1月20日より北海道の帯広市の郊外にある十勝幕別温泉の中のひとつのリゾートホテルに、
5泊6日で滞在し、積雪の中をひたすら歩き、周遊した。

そして十勝地方の帯広の地域の開拓を思い馳せれば、依田勉三氏の功績を抜きにしては語れず、
私なりに旅立つ前に、ネットに掲載されている情報を見たり、
旅の最中で観光案内所で頂いた資料を読んだりし、
そして緑ヶ丘公園にある『百年記念館』を訪れて、多々教示された。

しかし誰しも光と影があるので、果たして依田勉三氏の生涯で、
この十勝地方の未知の開拓の具体的な心の奥底は・・と私は旅の最中は思案したりしたが、
私は氏の立体感が整理できなかった。

本書は依田勉三氏の生涯を心の深淵まで、くまなく表現され、
《故郷を失い、我が子を失い、それでも大自然は人間を許さない。
 想像を絶する過酷の中で、一体、人は何ができるのか・・。(略)》
このような本の帯の解説に明記されている通り、松山善三氏の筆力で依田勉三の本人はもとより、
妻子、同行された友人、知人の人の業を余すところなく表現された力作である。

そして松山善三氏は、長年に及び脚本家の体験もあるので、
特に十勝地方の未開拓の四季折々の情景、何よりもその人なりの心の動きの描写が、
圧倒的に読む人に感動を覚える作品でもある。


◎オリバー・ストーン&ピーター・カズニックの著作『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1~3』(早川書房)の日本訳
   
三冊に及ぶ大作であり、今年の4月が毎月一冊刊行されたアメリカの近現代史である。
これまでのアメリカ史は、ともすれば光の部分、アメリカの功績が強調された書物が多かったが、
本書は影の部分に焦点を当てて、今日のアメリカの混迷の実態の原因を追究する為、
第一次世界大戦の時期から、アメリカを中核とした歴史を動かしてきた主要国の動向を、
怜悧に表現されている。
               
本書が刊行された後、4月初旬から逐次にNHKのBS1に於いて、
世界のドキュメンタリー『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史』として放送されたが、
本書の方が、圧倒的に当事者の心情を余すところなく深淵まで描写している。

もとより主要国は国益の基で、それぞれの時代に怜悧に言動してきたことが、具現的に明記されている。
まして世界大戦、冷戦時代、各国の戦争など20世紀であったので、
日本では敗戦後に何かとアメリカの影響下にあり、平和ボケの人には苦い薬、
と私は感じたり、多々教示もされた本でもある。


◎トム佐藤・著作『マイクロソフト戦記 ~世界標準の作られ方~』(新潮新書)
               
本書は2009年1月に刊行された新書である。
著作者はイギリス・マイクロソフトに入社した後、マイクロソフト日本法人でウィンドウズのマーケティングを担当し、
マイクロソフトがグローバルスタンダード化の奔流となった頃、1990年9月に退社された方である。

パソコンの草創期、その後の黎明期である1980年代から1990年前後、
OSのMSXの失敗とウィンドウズの成功まで明暗が明確に描写されている。

こうした中でマイクロソフトの創業者のビル・ゲイツの悪戦苦闘、やがてIBMの下で協調、破綻、
やがて世界標準化のグローバルスタンダードまでの苦難、そして労苦の心情が余すところなく表示される。

そして本書は、アメリカ、日本、ヨーロッパ主要国のパソコンの熾烈な歴史書である。


このように私は、この三作品が過ぎし半年に読み、圧倒的に感銘させられた本である。

そして私は本日発売の後藤直義、森川 理・共著『アップル帝国の正体』(文藝春秋)を買い求めて、
               
ただいま読書中でもある。

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コメント (2)
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