風になれたら

SUZUKI Bandit1250Sに乗って風になり
中島みゆきや渡辺美里を聴いて風になり
山を歩いて風になる

文化的活動記録2019

2019-11-16 | 日々のこと

2019年に観た音楽(ライヴ)、舞台、映画、好きな順に並べてみます。その日の体調や気分、座席などによって感じ方は大きく変わることがあるので、順番はひじょーに大まかなものになっています。

今回追加したのは映画「ターミネーター:ニュー・フェイト」サラ・コナー最高!、舞台「タクフェス第7弾 流れ星」大切な人に優しくしよう!、舞台「50Shade! 〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜」笑いました!
前回追加したのは舞台「ドクター・ホフマンのサナトリウム〜カフカ第4の長編〜」兎に角かっこいい、音楽「Little Black Dress TOKYO MUSIC SHOW〜歌謡ヒットパレード〜」歌謡曲は文化だ、映画「夕陽のあと」今見るべき心に響く映画だ!
前々回追加したのは映画「ジョーカー」社会への警鐘とエンターテインメントの融合、素晴らしい、けれど心は晴れない、「帰郷」仲代達矢主演、杉田成道監督、人間の業と出逢い、悲劇と喜劇、そして贖罪、命は人の為に使うべし、素晴らしい映画だ!
前々々回追加したのは映画「真実 (特別編集版)」「マレフィセント2」「イエスタデイ」どれも好きな作品だ、舞台「地球防衛軍 苦情処理係」人生には楽しいことも悲しいこともあるよねと鴻上さん、その通り!

== 音楽 ==
中島みゆき「夜会」VOL.20 リトル・トーキョー @赤坂ACTシアター (2回目)
渡辺美里 Live Love Life Sweet Emotion Tour 2019-2020 @調布市グリーンホール
MISIA 平成武道館 LIFE IS GOING ON AND ON @武道館 (2日目)
渡辺美里 Live Love Life Sweet Emotion Tour 2019-2020 @青葉の森公園芸術文化ホール
渡辺美里 Live Love Life Goes On! 美里祭り in 日比谷野音 2019 @日比谷野外大音楽堂
渡辺美里 Premium meets Premium 2019 うたの木 Grace @浜離宮朝日ホール
MISIA Candle Night Reiwa @いわき三崎公園野外音楽堂
MISIA 星空のライヴX LIFE IS GOING ON AND ON @NHKホール
LOVE PSYCHEDELICO Premium Acoustic Live "TWO OF US" Tour 2019 @EX THEATER ROPPONGI
渡辺美里 Live Love Life Sweet Emotion Tour 2019-2020 @栃木県教育会館
MISIA 平成武道館 LIFE IS GOING ON AND ON @武道館 (3日目)
中村 中 LIVE2019 箱庭 -NEW GAME- @日本橋三井ホール
MISIA TICAD7 LIVE HEART FOR AFRICA @横浜みなとみらいホール
MISIA SOUL JAZZ SWEET & TENDER @EX THEATER ROPPONGI
渡辺美里 Live Love Life Sweet Emotion Tour 2019-2020 @関内ホール
中島みゆき「夜会」VOL.20 リトル・トーキョー @赤坂ACTシアター
MISIA 平成武道館 LIFE IS GOING ON AND ON @武道館 (1日目)
LOVEx中村 中「友達以上恋人未満 」TOUR @晴れたら空に豆まいて
SAKANAQUARIUM 2019 (834.194) 6.1ch Sound Around Arena Session @幕張メッセ
辻仁成、弾き語りの宴、2019 @南青山MANDALA 
中村 中 アコースティックツアー 阿漕な旅2018〜2019 ひとりかるたとり@神奈川県民ホール 小ホール
Little Black Dress TOKYO MUSIC SHOW〜歌謡ヒットパレード〜 

== 舞台 ==
王様と私 @東急シアターオーブ
奇跡の人 @東京芸術劇場 プレイハウス
KAKUTA らぶゆ @本多劇場
無名塾 野鴨 @仲代劇堂 (2回目)
無名塾 野鴨 @仲代劇堂 
虚構の劇団 ピルグリム2019 @シアターサンモール
good morning N°5 どうしようもなくて、衝動。 @浅草九劇
good morning N°5 どうしようもなくて、衝動。 @浅草九劇 (2回目)
good morning N°5 どうしようもなくて、衝動。  @浅草九劇 (3回目)
青蛾館 毛皮のマリー @東京芸術劇場 シアターウエスト
ドクター・ホフマンのサナトリウム〜カフカ第4の長編〜 @KAAT神奈川芸術劇場
地球防衛軍 苦情処理係 @紀伊国屋サザンシアター TAKASHIMAYA
タクフェス第7弾 流れ星 @サンシャイン劇場
タクフェス第7弾 流れ星 @サンシャイン劇場 (2回目)
PIPPIN @東急シアターオーブ
シス・カンパニー 死と乙女 @シアタートラム
ブラッケン・ムーア〜荒地の亡霊〜 @シアタークリエ
青蛾館 毛皮のマリー ラ・ママ・バージョン @東京芸術劇場 シアターウエスト
海辺のカフカ @赤坂ACTシアター
無名塾 ぺてん師 タルチュフ @能登演劇堂
人形の家 Part2 @紀伊国屋サザンシアター TAKASHIMAYA
プラトーノフ @東京芸術劇場 プレイハウス
十二番目の天使 @シアタークリエ
ハムレット @シアターコクーン
お気に召すまま @東京芸術劇場 プレイハウス
入江雅人グレート一人芝居「パンクスタイル 7」@APOCシアター
毛皮のマリー @新国立劇場 中劇場
世界は一人 @東京芸術劇場 プレイハウス
フローズン・ビーチ @シアタークリエ
二度目の夏 @本多劇場
渦が森団地の眠れない子たち @新国立劇場 中劇場
50Shade! 〜クリスチャン・グレイの歪んだ性癖〜 @新宿FACE
ミュージカル ロミオとジュリエット @東京国際フォーラム ホールC
悪魔と天使 @KAAT 神奈川芸術劇場
プルガトリオ -あなたと私のいる部屋- @東京芸術劇場シアターウエスト 

== 映画 ==
おとなの恋は、回り道 (Destination Wedding) 
グリーン・ブック (Green Book) 
真実 (La vérité、特別編集版、2回目は舞台挨拶とティーチインあり)
真実 (La vérité、ジャパンプレミア)
真実 (La vérité、吹き替え版、舞台挨拶あり)
帰郷 (東京国際映画祭 特別上映、舞台挨拶あり)
夕陽のあと (舞台挨拶あり)
ターミネーター:ニュー・フェイト (Terminator: Dark Fate)
マイ・サンシャイン (Kings) 
最高の人生の見つけ方 (舞台挨拶あり)
マレフィセント2 (Maleficent: Mistress of Evil)
ジョーカー (Joker)
運び屋 (The Mule)
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド (Once Upon a Time in Hollywood)
ガーンジー島の読書会の秘密 (The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society)
さらば愛しきアウトロー (The Old Man And The Gun)
ふたりの女王 メアリーとエリザベス (Mary Queen of Scots)
長いお別れ (舞台挨拶あり)
アリー/スター誕生 (A Star is Born)
アリータ:バトル・エンジェル (Alita: Battle Angel)
ゴーストランドの惨劇 (Incident in a Ghostland)
こどもしょくどう (舞台挨拶あり)
イエスタデイ (Yesterday)
ジョン・ウィック:パラベラム (John Wick: Chapter 3 - Parabellum)
天気の子 (Wethering with you)
多十郎殉愛記 (舞台挨拶あり)
ダンボ (Dumbo)
シンプル・フェイバー (A Simple Favor)
女王陛下のお気に入り (The Favorite)
旅のおわり世界の始まり (ロカルノ国際映画祭招待記念 凱旋上映&トークイベントあり)
ベル・カント とらわれのアリア (Bel Canto、ジャパンプレミア)
ロケットマン (Rocketman)
見えない目撃者 (舞台挨拶あり)
世界の涯ての鼓動 (Submergence)
十二人の死にたい子どもたち
蜘蛛の巣を払う女 (The Girl in the Spider's Web)
メリー・ポピンズ リターンズ (Mary Poppins Returns)
中島みゆき 夜会工場 VOL.2 劇場版
フロントランナー (The Front Runner)
命みじかし、恋せよ乙女 (Cherry Blossoms and Demons)
アド・アストラ (Ad Astra)
ミスター・ガラス (Glass) 

== その他 ==
祝!35th ニューアルバム「iD」完成記念スペシャル試聴会 ~美里と奥野と本間のはなし!~ @マウントレーニアホール
谷川俊太郎 X 覚和歌子 対詩ライブその9 @晴れたら空に豆まいて 

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大雪山・十勝岳連峰縦走 2019 2日目

2019-09-16 | 徒歩の旅

7/1 (月) 霧

朝起きると周りは霧に包まれていた。出発の準備をしていると一人の女性が近づいて来た。どちらまで行かれますかと尋ねられた、今日は忠別岳避難小屋であることを伝えると、同じ予定で今夜の宿泊が一人にならなくてなくてよかった、とのこと。
お先にと言って白雲岳避難小屋を後にした。

霧のため良くても数百メートルの視界の中を歩いて行く。晴れていれば素晴らしい景色だろう。こんな時は足下の花を見つけながら歩いて行く。

蝦夷御山の豌豆 (エゾオヤマノエンドウ)

岩梅 (イワウメ)

猩々袴 (ショウジョウバカマ)

蝦夷鹿の足跡。羆 (ヒグマ) のいる気配はない。

細葉得撫草 (ホソバウルップソウ)

丈の短いホソバウルップソウも咲いている。

綿菅 (ワタスゲ)

黄花塩竈 (キバナシオガマ)

稚児車 (チングルマ)

風雪に晒された道標は高原温泉を指していた。高原温泉は沼巡りのために訪れたことがある。その時の日記はこちら

ただ霧の中を進んで行く。

進行方向左側は急峻な崖になっているが下の様子は見えない。

蝦夷の白山一華 (エゾノハクサンイチゲ)

駒草 (コマクサ)

黄花石楠花 (キバナシャクナゲ)

忠別岳山頂に着いたが何も見えず。

登山道を下っていると茶色の塊が足元から前に跳ねた。かわいい蝦夷兎 (エゾウサギ) の子供だった。

下りきって振り返れば霧が少し取れて忠別岳が現れた。

分岐点から忠別岳避難小屋まではハイマツとササの中を行くので胸から下が再び濡れてしまった。小屋前の雪渓はクレバスが多くジグザグに歩いて三角屋根の小屋に到着した。

小屋の前のトイレの前にテントを張るスペースはほとんどなかった。今日は小屋に泊まるか、と小屋の扉を開けると若いメンバーのパーティーがトランプに興じていた。泊まる予定であることを告げると場所を空けてくれようとした。2階が空いているか聞いたところ空いているとのことだったので入り口横の梯子を使って2階に上がった。レインウェアを脱いでどこに寝ようかと考えていたのだけれど、解放的な場所で寝たいので、テント場はどこか彼らに聞くと下の方にあるとのことなのでそちらに移ることにした。

そこは雪渓前の小ぢんまりとしてとても静かな場所だった。これだよ、これ。

テントを張る前に雪渓で冷やしておいたビールをいただく。フッフッフ、とはこのことだ。

それにしても今日はとても静かな山行だった。白雲岳の避難小屋を出てここに着くまで誰にも会わなかった。動くものは小鳥、シマリス、エゾウサギだけ。

それからしばらくして白雲岳で朝話した人がテント場に着いた。それからひとしきり山の話で盛り上がった。

 

 

 

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大雪山・十勝岳連峰縦走 2019 1日目

2019-09-04 | 徒歩の旅

何度か訪れたことのある北海道の大雪山と十勝岳連峰の山々、いつか北の旭岳から南の富良野岳まで歩いてみたいと思っていた。そこで今年の夏休みは大雪山・十勝岳連峰縦走に挑戦してみることにした。

咲き誇る高山植物の花を見るためには7月中旬がベストかもしれないが、そこは予定が入っていたので6月末から訪れることになった。この時期は残雪と藪漕ぎが想定されるので余裕を持って5泊6日の行程を組んだ。

山旅が成功するかどうかは準備で決まると聞いたことがある。一度出発してしまえば後は現地でやりくりするしかないのだ。今回は今まで一番の長旅なので出発の1週間前に準備を整えた。コース上に営業小屋はないので途中で食料を補充することはできない。テント泊装備と6日分の食糧に予備食、缶ビールとワインなどを入れて20kgを超える荷物となった。結構食料はギリギリの量だ。残雪対策にクランポンとアイスアックスは持たず、チェインアイゼンを持った。

前日、飛行機で旭川に入って登山口のある旭岳温泉までバスで移動した。その頃天気は毎日雨で出発の日は当初の予定から2日ずらしたのだった。晴れていたら登山口でもテント泊しようと思っていたのだけれど予報は雨なので宿にお世話になることにした。

 

6/30(日) 晴れ

旭岳裏の黄花石楠花(キバナシャクナゲ)

 

昨夜は雨が降ったが朝には上がったようだ。晴れなくても雨にならなければいい。

前泊した大雪山山荘を出発する。登山者向けの宿で暖かく明るい女将がもてなしてくれ、お見送りまでしてもらった。

宿から数分のロープウェイ山麓駅からロープウェイに乗って姿見駅まで10分ほど、久しぶりに期待に胸が高鳴る感情を覚えた。空は雲に覆われていたが旭岳はしっかり見えた。

よし、行こう。これから数日山に入るかと思うと顔がにやけてしまう。

天気予報は何だったのか、頂上が近くなるに連れ空が晴れて行った。これから歩くトムラウシ山、十勝岳連峰の山々が見えた。テンションマックスである。

金庫岩、本物の金庫なら相当でかい。

旭岳の頂上までは人も多いが、そこから先へ行く人の数はかなり減る。長い雪渓が残っている旭岳裏をガシガシと下って行く。

千島金梅(チシマキンバイ)の花にバッタが止まっていた。暖かいのだろうか。

峰蘇芳(ミネズオウ)、漢字で書いたら読めないな。

赤味を帯びたキバナシャクナゲ、厳しい環境なのでシャクナゲも大きくなることはない。

あー来てよかったと思える一瞬

お鉢平の縞々模様が美しい、左から北鎮、凌雲、桂月、黒岳。あちら側から見たお鉢平も美しい。

キバナシャクナゲの他、岩梅(イワウメ)も盛りであった。

蝦夷御山の豌豆(エゾオヤマノエンドウ)だと思う。

北海岳までの稜線は少し風が吹いていた。白雲岳の分岐に着く頃はすっかり曇ってしまったので白雲岳はパスした。

そこから少し行くと雪渓の向こうに白雲岳避難小屋が見えた。その左の雪渓を緑岳に向かうパーティーもいた。

白雲岳をパスしたので白雲岳避難小屋に12時45分に着いてしまった。ガラガラのテント場にテントを張る。この日のテン泊は全部で4張りだけだった。

テントを張ったらダラダラ、いやゆったりと過ごす。雪解け水で缶ビールを冷やして飲んだ。北海道でサッポロビール、ってどこでもサッポロだけど。

夕食はパスタ、ソースはコストコで買ったイベリコ豚のミートソース、これが毎日続くが飽きない味だ。

ここは驚くほどラジオが入る。AIR-G' (FM北海道)を聴いていたらサカナクションの山口一郎さんが11日前にリリースされたニューアルバム「834.194」の全曲を紹介すると言うもの凄い番組をやっていた。山口さんの話を北海道で聴くことができて本当によかった。

今日は申し分ないスタートの日となった。

 

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残雪の聖岳 最終日

2019-06-16 | 徒歩の旅

5/4 (土)

朝起きると足の痛みが少しだけ治ったような感じがした。足の付け根の痛みは足をあげる時に感じるのでほとんど下りの今日は大丈夫だろう。

アルファ米とポタージュスープで体を温めて3:45に友人より少し早く聖平小屋を出た。夜明け前の静かなひととき、雪を踏む音だけが聞こえる。

薊畑まで少し登ったらあとは下るだけだ。早朝で雪が締まっているのでトレースを外れてジグザグに進んで行く。調子に乗っていたらルートを外れてズボズボ埋まりだした。

雪に隠れていた折れた立ち木に小指をぶつけて少し血が出てしまった。トレースに戻ろう。

少し行くとルートは合っているもののトレースがなくなって腰まで埋まってしまった。ルートを間違えたか、尾根に向かってみたがトレースはない。地図やGPSで確認下がやっぱり合っている。さてどうしようと考えていたら友人が追いついた。

友人もこのルートでいいと言った。ちょっと先を見てくると友人が進むと僕が埋まった場所の先にトレースがあった。友人は雪に埋まらなかった。友人より体重と荷物で10kgぐらい重いのでその差で踏み抜きが多いのだな、と納得した。体重落とそう。。。

標高2000mまで下ると雪も少なくなってそこからは急な坂となる。友人は彼のペースで僕は僕のペースで歩き出す。渡渉箇所のある沢に降りるまで多分2組のパーティーとすれ違った。彼らも聖平小屋を目指すのだろう。

沢に着くと先に行った友人が休んでいた。ここで靴下を脱いで火照った足を風に晒して冷ました。余っていた行動食を口に放り込み十分休んだら出発だ。

ここまでくればあと少し登山道は林道へと変わる。林道と言っても狭く整備されているわけではないので車は通る事ができない。トンネルもある、トンネルでチャンピオンポーズをする友人を撮った。

山吹が先ごろを迎えていた。緑に映える鮮やかな黄色、山吹色だ。

沢沿いの林道を歩く、何か気の利いた山菜を見つけられればいいのだけれど知識が乏しいので何も見つけられない。時折見かけたタラの木はどれも丸坊主でタラの芽は残っていない。タラの木は全ての芽を摘むと枯れてしまうと言う。

聖平小屋から6時間15分、下山口の柴沢ゲートに着いた。温泉まではちょっと遠いので下栗の里でお昼ご飯を食べることにする。下栗の里まで先導するがついアクセルを開けてしまう。伴ちゃん(Bandit 1250S)の力を借りれば速く進めるのだ。

下栗の里の村営施設にはバイクがウジャウジャ止まっていた。ここからしらびそ高原は通行止なのでここが最終地点となるからだろう。下栗の里で蕎麦定食を食べた。なんと言うことのない定食だが山から降りた食事はいつも美味しい。ビールを飲みたいところだがバイクなのでビールもどきで喉を潤した。友人とはここで別れた。気をつけてな、言葉は少ないがこれでいいのだ。里を降りきる前に聖岳が見える場所にバイクを停めた。いいな、南アルプス。

中央道に入って南アルプス方面を眺めると積乱雲に覆われていた。天気は大荒れになるだろう。

駒ケ岳SA に寄ってお土産を物色した。鹿肉のお焼きと野沢菜漬けを買った。それと外で売っていた山菜、タラの芽もあったがコシアブラを買った。コシアブラは次の日天ぷらにして食べた。コシアブラを初めて食べた妻が喜んでいたので良いお土産となった。

中央道を山梨に入ると前方に黒い雲が見えた。まずいかも、と思って少し走っていたら急に風が強くなり大雨となった。その後バチバチと指や肩に当たる粒が痛いなと思ったら雹だった。マジか、もう全身ずぶ濡れなのでレインウェアを着る意味はないかと思い走り続けた。そのうちに寒くなって身体が少し震えるほどだった。山ではなく高速道路で低体温症に突入しそうだった。東京に入っても雨は続き高速を出る頃にやっと雨が上がった。寒い、すぐに風呂に湯をためて肩まで浸かった。やばいところだった、身体を温めながらそう思う。十分温まれば気は楽になりゆっくりビールを飲んだのであった。

 

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残雪の聖岳 2日目

2019-06-09 | 徒歩の旅

5/3 (金)

昨夜は3シーズンのシュラフだったので寒さで起きてしまう事があった。小屋の中の温度は5℃ぐらいだったようだ。

今日は足が痛かったら聖岳には登らず小屋で過ごそうと思っていた。目覚めると左足の付け根の痛みはそのままであった。今日は休養日としよう。

友人に今日は小屋にいる事を伝えた。その後ノロノロと朝ごはんを食べながら今日は何しようかなと考えていた。

そんな時に一日ここで過ごすよりも行けるとこまで行ってみようかという思いが突然湧いて出た。そうと決まれば行こうという事で素早く準備して友人と同じく5:30に小屋を出た。

小屋前のテント場にはテントがひとつ、素晴らしい快晴だ。やっぱり行くことにしてよかった。

小屋を出て上りになる場所から友人に先に行ってもらった。友人はあっという間に見えなくなった。小屋から薊畑まで歩いてみたが小股で歩けば痛みは少ない。

薊畑からの樹林帯には先日降った雪が残っていた。斜面のトラバースが楽しく好きなルートをズボズボと歩いて行く。

樹林帯を抜けると富士山が見えた。西から見る富士山の整ったシルエットに感動を覚える。

稜線はほとんど雪がない。小聖岳の山頂から聖岳を望む、いい感じの佇まいだ。

少しだけ怖い尾根を通過して振り返る。左手に見えるのは上河内岳か。

その後尾根道をショートカットして斜面を歩いたり頂上直下の雪渓を小気味よく登ったり今シーズン最後と思われる雪道を楽しんだ。

頂上直下の雪渓で登頂した友人が下りてきた。風が強かったので奥聖には行かなかったそうだ。その後すれ違った方も凄い風だと言った。

頂上に着くとどうですか言わんばかりの大きな赤石岳が眼前に現れた。風はそれほど強く感じなかったので奥聖まで行こうかと言う考えが過ぎったが欲は捨てようと天使の声が聞こえた。

帰り道、小聖をすぎて樹林帯に入った。登山道から最後の鞍部とピークを見て登りたくないなと思った。左手を見ると聖平小屋が見えた。地形図でも難所はなさそうなので下りてしまおう。

そうと決まれば好きなルートを時折り踏み抜くのを楽しみながらズボズボと歩いて行く。谷筋なので沢のだけは歩かないようにした。沢は雪融けが進んで雪の下に大きな空洞ができているに違いない。

上り3時間半、下り2時間半、小屋にはお昼前に着く事ができた。小屋に着くと友人がシュラフを干してくれていた。そこにアイゼン、ピッケル、ゲイターなども干した。ゲイター以外はドイツ語、山道具はドイツ語由来が多いな、他にもザック、ザイル、ストック、コッヘル、英語で言った方が今っぽいと思うのは思い過ごしだろうか。スリーピングバック、クランポン、アイスアックス、バックパック、ロープ、トレッキングポール、クッカーなどなど。

聖平小屋には立派なトイレがあるので利用しよう。昨日沢の水を汲みに行ったらこっちに来ないでと声がした。数メートル先に人が腰を降ろしていた、しばらく待ってそこを通ると大便と紙があったのでびっくりぽん!するなら小屋から離れた場所、人の通り道から離れた場所、水場から離れた場所でしなければいけない。もちろん紙は持ち帰りだ。

お昼ご飯はボロネーゼのパスタを食べた。その前にはサッポロ黒ラベル、ビールを持ってきて本当によかった。

その後「黒部の山賊」を読みながら過ごした。友人はラジオを聴きながら横になっている。

パスタが消化されたのを見計らい、セブンイレブンで買ったサラダチキンでミネストローネを作る、それにサラダビーンズを投入した。持ってきたワインも飲み切った。

あとは暗くなるまで本を読んで眠りについた。友人には明日1時間早く出ると伝えた。

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残雪の聖岳 1日目

2019-05-08 | 徒歩の旅

久しぶりの日記である。記憶がある近い過去から書いてみようかな、気が向いたら少しずつ(弱気)

5/2 (木) 晴れ

旧友と1年ぶりに山旅をした。前回は南アルプスの農鳥岳、今回は同じく南アルプスの聖岳だ。残雪期でテン泊なので荷物は多い。缶ビールとワインも持ったら重量は19kgになってしまった。ヘルメットとゴーグルは置いていこう。

日が変わる前の23:30に家を出た。睡眠時間は2時間だけだったが頭はスッキリしているので問題はない。家から登山口までは6時間、気合いを入れて雨の中バイクを走らせる。深夜なので都内も中央道も渋滞とは無縁で走りやすい。山梨に入ると雨が止んだ。気温は10℃以下で少し寒い。身体を温めるべく双葉SAで夕飯のキツネうどんを食べた。お揚げが甘くジューシーであった。深夜のSAは閑散としていた。

松川ICで降りて登山口の芝沢ゲートを目指す。しばらくするとクネクネとした山道となる。夜明け前の暗く細い山道を気持ちよく走っていく。明るくなる頃下栗の里の麓に着くと目指す聖岳が遠くに見えた。おおっ、遠い。。。頂き付近は十分雪が残っている。スマホを見ると友人から連絡が入っていた。コンビニでタバコを買ってきて欲しいとのことだったが、時すでに遅し。下栗の里はバイク旅で何度か訪れた場所で日本のチロルと呼ばれている。なお下栗の里からしらびそ高原方面は現在通行止めである。通行止めのゲートから裏道を登山口に向かうが落石だらけであった。北又渡の橋を渡ると1.5kmの荒れた未舗装路、ガタガタ揺れてせっかく冷えているビールが心配である。

5:30に芝沢ゲートに到着すると友人が待っていた。世間話をしながら仕度を整える。さて出発。便ゲ島まで2時間の林道歩きだ。

このように崩落した箇所を巻く登山道が作られている。新緑と道路脇に咲く山吹の鮮やかさに喜びを感じながら歩いていたら左足の付け根に痛みが出た。先日の唐松岳のキックステップで痛めてしまったところだ。一人だったら引き返すかもしれないぐらいの痛みだ。痛みをこらえて歩く。

1時間半で便ゲ島に到着した。便ゲ島には今は休業となっている小屋とキャンプ場があって残っている東屋で休憩をとった。

騙し騙し歩いていたがこのペースでは歩くのは無理なので友人に先に行ってもらうことにする。彼からもらった湿布を貼って出発した。便ゲ島から少し山道となりその後荒れた林道となる。林道にはいくつもの崩落箇所があった。荷物が重いので慎重に崩落箇所を超えて行く。

途中廃屋を左に曲がって登山道があるのだけれど、前から人が歩いてきたのでそちらの方に足を向けてしまった。すると道がなくなり崖になってしまった。崖をトラバースしようとしたがかなり危険なので引き返した。どうやら彼らも道を間違えたようだ。道を間違えたなら教えてくれればいいのになぁと思うのだが。。。

そして渡渉箇所までやってきた。橋が流された時のために手動のロープウェイがある。これは古いもので使われていないよいうだ、下流に新しいものがある。

橋は健在だったのでこちらを渡る。ロープウェイは時間と体力を要するのだ。

ここから急登が始まる。ここまで400mぐらい標高を上げてきたが、薊畑まで一気に1300mを登る。イタイ、アツイ、キツイ、ほとんど修行である。

標高2000mまでくれば苔平、あと400mである。ここまで6時間、コースタイム+30分ぐらいであった。

この後が苦しかった。陽気に溶かされた残雪を踏み抜いてなかなか前に進めず薊畑の分岐まで2時間45分もかかってしまった。

薊畑に着いてホッとした。聖小屋まで30分弱の道程だ。薊畑からは上河内岳の山塊が目の前だ。

薊畑から聖平小屋まで下りなので足への負担はほとんどない。足の付け根は足を上げるときに痛むのだ。ところが時々緩んだ雪を踏み抜いてはイタタタと何度も思ったのだった。

小屋では友人が待っていてテントはやめて避難小屋に泊まろうと言った。テントより小屋の方が暖かいからそうしようと即答した。小屋は数組のグループには十分な広さであった。

友人は持ってきた梅酒、僕はビールで乾杯した。その後は避けるチーズとハンバーグでワインを飲んで、ペンネを茹でてボロネーゼを食べた。レトルトは重いがつい持ってきてしまう。

その後ココアを飲んで歯磨きシートで歯をゴシゴシして7時にはシュラフに潜り込んだ。明日は聖岳に登れるだろうか。足が痛かったらダメかもしれないがここまで来たからよしとしよう。

 

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平成最後の初日の出

2019-01-12 | 日々のこと

田子の浦港から

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文化的活動記録 2018

2018-12-29 | 日々のこと

毎年書いている映画ランキングに今年は音楽と舞台のランキングも加えてみました。
基準は映画はもう一回観たい、音楽と舞台はナマモノなので心に染みたランクにしてみました。

今回追加したのは映画「マダムのおかしな晩餐会」じわりといい、舞台「メタルマクベス disc3」面白く楽しめた、でも疲れてて途中寝てしまった、2018年はこれでおしまい、来年も沢山観に行けるといいね。
前回追加したのは音楽「中村 中 るつぼ リリース記念イベント ミニライブ」寒空の下、心を温めてくれる歌を聴けた
前々回追加したのは音楽「宇多田ヒカル Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018」素晴らしい歌の見本市、あとからジワジワと思い出す
前々々回追加したのは音楽「渡辺美里 ribbon power returns」彼女はどこまでも真っ直ぐで清らかでいい歌を聴かせてくれる

= 音楽編 =
渡辺美里  M・Evolition Tour 2018 @人見記念講堂
MISIA  THE SUPER TOUR OF MISIA @横浜アリーナ
渡辺美里  M・Evolition Tour 2018 @かつしかシンフォニーヒルズ
辻仁成  辻音楽師の三日間 2日目 @Zher the ZOO YOYOGI
辻仁成  辻音楽師の三日間 3日目 @Zher the ZOO YOYOGI
辻仁成  辻音楽師の三日間 1日目 @Zher the ZOO YOYOGI
MISIA  星空のライヴX @河口湖ステラシアター
渡辺美里  ribbon power neo @マイナビBLITZ赤坂
辻仁成  食べて歌って愛せよ vol1 @GRAPES KITASANDO
MISIA  星空のライヴX @東京国際フォーラム
Taylor Swift  Reputation Stadium Tour @東京ドーム
宇多田ヒカル  Hikaru Utada Laughter in the Dark Tour 2018 @さいたまスーパーアリーナ
渡辺美里  ribbon power returns @豊洲PIT
辻仁成  吟遊詩人の会 vol.2 @晴れたら空に豆まいて
辻仁成  吟遊詩人の宴 @Zher the ZOO YOYOGI
中村 中  LIVE2018 三面鏡の女 @新宿FACE
中村 中 るつぼ リリース記念イベント ミニライブ @ラゾーナ川崎プラザ ルーファ広場
中島みゆき  夜会工場 Vol.2 @Bunkamura オーチャードホール
MISIA  星空のライヴX ANNスペシャル」@東京国際フォーラム
谷山浩子  猫森集会2018 <Bプログラム> ゲスト:中村 中 @スペースゼロ
椎名林檎  (生)林檎博'18 -不惑の余裕- @エコパアリーナ
渡辺美里  Premium meets Premium 2018 @浜離宮朝日ホール
Katy Perry  Witness The Tour @さいたまスーパーアリーナ 

= 舞台編 =
肝っ玉おっ母と子供たち @世田谷パブリックシアター
99才まで生きたあかんぼう @よみうり大手町ホール
ミュージカル エビータ @シアターオーブ
ショーガール Vol.2 @EXシアター六本木
かもめ @シアタートラム
現代能楽集 IX「竹取」@シアタートラム
祝杯ハイウェイ @下北沢駅前劇場
看護婦の部屋〜白い魔女〜 @下北沢駅前劇場
新感線⭐︎RS メタルマクベス disc3 @IHIステージアラウンド東京

セレブ気取り @築地ブディストホール
黒蜥蜴 @日生劇場
2018美輪明宏版 「愛の賛歌」 エデイット・ピアフ物語 @新国立劇場 中劇場
「銀河鉄道999」〜GALAXY OPERA〜 @明治座
コインロッカーベイビーズ @TBS赤坂ACTシアター
魁!gmn5スタンダップコメディライブ! @下北沢駅前劇場
近松心中物語 @新国立劇場 中劇場
ハダカ座公演vol.1 ストリップ学園 @新宿FACE
ビートたけし ほぼ単独ライブ 第五弾 @中野サンプラザ 

= 映画編 =
シェイプ・オブ・ウォーター (The Shape of Water) 
北の桜守 (初日舞台挨拶)
焼肉ドラゴン
女と男の観覧車 (Wonder Wheel)
キングスマン ゴールデン・サークル (Kingsman:The Golden Circle)
万引き家族 (舞台挨拶)
日日是好日
ボヘミアン・ラプソディ (Bohemian Rhapsody)
ミッション・インポッシブル/フォールアウト (Mission: Impossible / Fallout)
オーシャンズ8 (Ocean's Eight)
バトル・オブ・ザ・セクシーズ (Battle of the Sexes)
レディ・バード (Lady Bird)
グレイテスト・ショーマン (The Greatest Showman)
おかえり、ブルゴーニュへ (Back to Burgundy)
鈴木家の嘘 (舞台挨拶)
レッド・スパロー (Red Sparrow)
祈りの幕が下りる時
狐狼の血 (初日舞台挨拶)
人魚の眠る家 (舞台挨拶)
ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー (Solo: A Star Wars Story)
マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー (Mamma Mia! Here We Go Again)
マダムのおかしな晩餐会 (Madame)
イコライザー2 (The Eqaulizer 2)
妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII (初日舞台挨拶)
コーヒーが冷めないうちに
クワイエット・プレイス (A Quiet Place)
チューリップ・フィーバー (Tulip Fever)
アンダー・ザ・シルバーレイク(Under the Silver Lake)
かごの中の瞳 (All I see is you)
ゲティ家の身代金 (All the Money in the World)
ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (The Post)
ヴァレリアン 千の惑星の救世主 (Valerian and the City of a Thousand Planets)
レディ・プレイヤー1 (Ready Player One)
ダウンサイズ (Downsizing)
50回目のファーストキス (舞台挨拶)
トゥームレイダー ファーストミッション (Tomb Raider)
カメラを止めるな
ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ (Sicario: Day of the Soldado)
くるみ割り人形と秘密の王国 (The Nutcracker and the Four Realms)
華氏119 (Fahrenheight 11/9)
音量を上げろタコ! (舞台挨拶)

フューチャー・ワールド (Future World)
Vision
15時17分、パリ行き (The 15:17 to Paris)
ビガイルド 欲望のめざめ (The Beguiled)

 

 

 

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北アルプス 吊尾根から涸沢へ 最終日

2018-12-01 | 徒歩の旅

10/9 晴れ

夜明け前に目を覚ましてテントの外を覗くと満天の星だった。せっかくなのでシュラフに潜ったままテントの入り口を開けて空を眺めた。標高2300メートルを超える秋の山の空気は冷たい。丁度見える吊り尾根の上をオリオン座が横切って行く。

周囲が明るくなる頃シュラフから這い出てスープ、アルファ米、コーヒーの朝食をとる。6時近くになって朝陽が穂高を照らし出した。今日も快晴だ。これは涸沢岳。

北穂高岳方面はこんな感じで山の斜面の紅葉と朝陽が溶け合っていた。

今日は下るのみ、サクサクと下って行く。登山道は整備されているが濡れた石でツルッと滑って危うく転倒するかと思うことがあった。気が抜けて安全と思われるところが一番危ないのだ。

後ろ髪はないが、何度も何度も少しずつ見えなくなる穂高の稜線を振り返った。登山道は平坦になってシラビソの森を歩く。こんな道も好きだ。

ダーン!と屏風岩、あの裏にあるパノラマコースをいつか歩いてみよう。

徳沢でソフトクリームを食べようと思って徳沢園に寄ると黒板にNEW コーヒーソフトの文字が、コーヒーもソフトクリームも好きなので迷わず注文した。振りかけられたシナモンがいいアクセントになっている。徳沢園には明るい芝生のキャンプ場もあって山行の前泊にもいい感じだ。

上高地に向かう梓川沿いの林道で団体のガイドの方がこんなに明神岳が見えることは滅多にありません、と言っていたのが聞こえた。確かに雲ひとつない青空だ。昨年沢山いたニホンザルが今回はいなかった。どこに行ってしまったのだろう。

登山口の上高地に戻って河童橋から今回歩いた吊り尾根を眺めると思わず顔がにやけそうになった。この2週間後稜線は雪に覆われた。山の季節は本当に一瞬だ。

五千尺ホテルの喫茶室5HORNに寄る。ここは川と山を眺めながら美味しいケーキを食べられるのだ。定番のレアチーズケーキにしようかな、と思ったら栗の渋皮煮タルトなるものがあった。栗には目がないのだ、昔里のくりと言うアイスが好きであった。タルトもコーヒーもとても味わい深かった。また訪れたい場所だ。

上高地バスターミナルで次の便の最後の座席を運良く確保できた。上高地から新島々までバスで行き、そこから松本まで長閑な田園の中をゆっくり行く列車に揺られた。

松本でお土産と地ビールを買って特急に乗り込んだ。座席は八ヶ岳を眺められる左側、ビールを飲みながら今回の山行を回想した。今年は裏銀座と前穂奥穂の縦走をすることができた。北アルプスを訪れる旅はまだ始まったばかりだ。

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北アルプス 吊尾根から涸沢へ 2日目

2018-11-18 | 徒歩の旅

10/8 晴れ

凛とした空気の中で目を覚ます。上高地に朝靄が立ち籠め、乗鞍と焼岳に朝陽が中る。

足元はまだ薄暗いのでヘッドランプを着けて歩き出した。

標高が上がると共に空気が薄くなり一歩一歩が結構きつい。森林限界を抜ければ空に登って行く感じだ。あの向こうに山頂が待っている。

紀美子平から正面の西穂高方面を眺める。紀美子平は重太郎新道を作った重太郎が幼い娘の紀美子を寝かせるテントを張っていた場所で、23歳で急逝した紀美子の名前でいつしか呼ばれるようになった場所だ。我が子を失う悲しみ以上の悲しみはないだろう。ここにザックを置いて少し休み前穂の頂を目指した。

前穂高岳の頂には絶景が待っていた。南東の雲海のずっと向こうに富士山がちょこんとあった。

北を見ると槍ヶ岳とそこに続く東鎌尾根の全容が見えた。北穂高岳への登山道もよく見える。

手前の岩場でバリエーションルートの北尾根を登って来た人が手を降ってくれた。

山頂で30分ぐらい景色を楽しんで前穂高岳を後にする。少し行って振り返る、雲上を行く気分はカモシカだ。

少しずつ奥穂高岳が近づいてくる。この道を歩ける幸せを噛み締めて進む。

そして奥穂高岳の頂が見えた。人の姿が見えるところが山頂だろう。

山頂付近は多くの人が楽しそうにしていた。せっかくなのでソロの人にお願いして写真を撮りあった。

ヤッホ!山の神に手を合わせて万歳!ん、お腹出てるな。お腹に貯めた脂肪を燃やしてどこまでも行ける、と誰かが言ったかもしれない。

奥穂から眺めるジャンダルム、小さなハーフドームみたい。頂に人が立っている。ハーフドームはカリフォルニアのヨセミテ公園にある岩山だ。

天空の道と呼ぶに相応しい道を行く。穂高岳山荘の真上から涸沢岳と北穂岳を望む。

急峻な道を下って穂高岳山荘に到着し、今日の幕営地がある涸沢を覗き込む。カールの向こうに屏風岩、そのまた向こうに端正な常念岳。

ここから国設涸沢野営場までザイテングラートと呼ばれる尾根道をゆっくりと降る。久し振りの山歩きで脚が少し痛い。事故は疲労の溜まった下山時に起きるのだ。

振り返れば涸沢岳と涸沢槍、秋の山に七竈(ナナカマド)は外せない。

テントを張ったら涸沢ヒュッテのパノラマ食堂でおでんをいただく。今回のお楽しみはビールとこのおでんなのだ。あ、終わりそうな紅葉も。

涸沢岳から北穂高岳に連なる岩の白さが美しい。カラフルなテントもいい感じ。ヤッホ!ヤッホ!と心の中で呟いておく。

テントに戻っていつものようにパスタを食べてワインを飲んでフワフワした気分で山を眺め続けた。

 

 

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北アルプス 吊尾根から涸沢へ 1日目

2018-11-10 | 徒歩の旅

10/7 晴れ

7月に北アルプスの裏銀座を歩き、8月の頭に富士山に登ったあと天気が悪かったり予定が入っていたりしてなかなか山に行く機会がなかった。

そしてもう10月、山は秋から冬に向かっている。目指すは穂高、前穂から奥穂を歩いて涸沢に下る計画だ。天気予報と睨めっこして台風が過ぎ去るのを確認してエイヤ!と高速バスのチケットを買った。早朝に登山口に着く夜便は買えず、買えたのは朝便で上高地に着くのはお昼なのだ。5時半に家を出て新宿に向かう。新宿からバスに乗るのだ。高速に入るとすぐに渋滞、昨日は2時間半遅れたそうだ。うーむ。

上高地に着いたのは13時半、食堂で食べようと思っていたお昼ご飯は抜いて行動食を口に放り込んで出発だ。小雨がパラついていたが本降りにはならないだろう。河童橋から岳沢方面を眺めた。稜線は雲の中だ。

梓川沿いのとろりとした水の流れに上高地に来たなと実感する。正面に六百山、登山道はないとのことだ。

湿原を抜けるとすぐに急登となる。久し振りの山歩きなのでゆっくりと登って行く。それにしても暑い。結構汗をかいてしまった。天然クーラの風穴に期待したが風は吹いていない感じだった。

開けた場所に出て振り返れば上高地が箱庭のようになっていた。

このガレ場を超えれば岳沢小屋だ。山に張り付いた岳樺(ダケカンバ)が色づいている。

岳沢に着いたのは15:45、受付をするとテントはあと5張りぐらいだと言う。おー、ぎりぎりだ。

小屋に近いテントを横目に一番奥まで登るとあったあった、素早くテントを張って夕飯だ。水とビールを求めて小屋まで往復した。小屋まで遠い何かと面倒だがテン場を見下ろせるのは気持ちい。

ビールとレトルトのボロネーゼで寛いでいると一瞬の晴れ間に夕陽を浴びた稜線が現れた。ヤッホ!

下がって行く気温の中で寝袋に包まって明日の山歩きを思うと幸せな気持ちになった。

夜中に目を覚ましてテントの隙間から外を除くと満天の星が見えた。明日は良い天気になりそうだ。

 

 

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北アルプス 花咲く裏銀座を行く 最終日

2018-09-01 | 徒歩の旅

7/27 晴れ

早いもので今回の山旅も下山の日を迎えた。いつものスープとコーヒーで身体を温め、水分を補給した。

今日も良い天気になりそうだ。雲はほとんどなく、空気が冷たい。日の出を一目見ようと多くの人が外に出て待っていた。

こちらが今回テントを張った区画Cだ。広さは2人用テントだと本当にいっぱいいっぱいであった。

4:50、テント場を後にする。テント場は小高い頂きを挟んで槍ヶ岳が見えない場所に多くの区画がある。そこまで出ると朝日に照らされた大喰岳が見えた。斜面に残された雪渓の割合が程よい。

数分歩くと飛騨乗越に着く、そこから標高差にして2000mの長い下りが続く。小気味好くザレ場を下っていく。

暫くすると登山道脇にハクサンイチゲが咲いていた。そして鳥兜(トリカブト)、猛毒を持っているので近づかないようにしておこう。

笠ヶ岳の真下に影槍と呼ばれる槍ヶ岳の影が映し出されていた。

救急箱が設置された千丈乗越への分岐点で昨晩一緒にお酒を楽しんだ隣のテントのグループに追いついた。またどこかで会ったらよろしくお願いしますと言って別れた。

樹林帯に入りさらに下っていく。槍平小屋で冷たい水を飲んで残りのアルファ米の赤飯を食べてリフレッシュした。

滝合出合、渓谷の先に神々しい穂高の山並みが見えた。

玉川杜鵑草(タマガワホトトギス)、だいぶ下に降りてきたことを感じさせてくれる。

下野草(シモツケソウ)、線香花火のようだ。

最後の方は広い林道となり、退屈度もアップ、黙々と歩き続ける。そして下界の暑さが身体を包む。

下山口である新穂高ロープウェイ駅に着いたのは10時過ぎ、今日の宿を探そうかと思ったがその前に家に電話して下山を告げた。

すると、台風12号が近付いており明日は大雨のとのこと、交通機関への影響も考えられるとのことだった。温泉宿で1泊する案は取り下げて今日家に帰ることにする。

バスの時刻は11:30、1時間以上あるので温泉で汗を流して生ビールを飲んだ。しかししっかりした食事をする時間はなかったのでバスに乗る直前に肉まんをひとつ食べた。

バスに揺られること2時間、松本駅に着いた。お腹はペコペコ、松本からあげセンターに突撃し、ここぞとばかりに山賊焼カレーと鶏ラーメンのセットと生ビールを注文した。食べ切れるかな、と一瞬ひるんだもののお腹をパンパンにして食べ切った。

新宿行きのあずさに乗り込み今回の山旅を思い出した。天気に恵まれ大きなトラブルもなかった。今回のコースの総距離55kmをテントを担いで歩いた達成感、ブナ林の急登に始まり天空の稜線、お花畑、岩陵と変化に富んだ景色、この先も忘れることのない山旅となった。

 

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北アルプス 花咲く裏銀座を行く 4日目

2018-08-21 | 徒歩の旅

7/26 晴れ

今日は西鎌尾根から槍ヶ岳を目指す。夜は薄曇りであったが今日の天気はまずまずのようだ。

テント場は双六池の北側に広がっている。5時20分、水場で水を満タンにして歩き出す。

小屋の横にそびえる樅沢岳を越えると槍ヶ岳に続く西鎌尾根の全貌が現れた。ここまで歩いてきた達成感は大きい。

右に見える谷には雲が敷き詰められその向こうに乗鞍岳が見えた。

西鎌尾根は花も楽しめるルートだった。短い夏に一斉に咲く花々、命を繋ぐ形と色の多様性に生きる力を感じながら歩を進めていく。

車百合(クルマユリ)

峰薄雪草(ミネウスユキソウ)

小梅蕙草(コバイケイソウ)、今年はコバイケイソウの当たり年とのこと。

寄せ植えのような高嶺撫子(タカネナデシコ)、伊吹麝香草(イブキジャコウソウ)、山母子(ヤマハハコ)

左俣乗越あたりから槍ヶ岳を望む。風が吹くと汗をかいた身体が急に冷えていくので長目の休憩を取る際はジャケットを羽織った。

このあたりから本格的な岩場が続く。少しいくと急坂が現れた。気合いを入れて一気に登り切ったら息が上がっていた。

歩いてきた道を振り返る。いい感じだ。

稜線を巻くこの山道を抜けると千丈乗越、槍ヶ岳はすぐそこだ。千丈乗越で残っていたアルファ米の赤飯を食べたら力が出てくるようだった。

千丈乗越から槍の肩まで単調で急なガレ場が続く。標高が上がり空気が薄くなったことを感じながら黙々と歩く。ちょっときつくなったら息を整えて再び歩き出す。10時10分、今日の宿泊地である槍ヶ岳山荘に着いた。

この時間であればテントサイトも空いているだろう。受付でテントの大きさを伝えるとテントサイトが指定され、Cと書かれた木札を受け取った。テント場でCを探すと岩の陰に槍の穂先を目の前にする小さな場所があった。2人用テントで本当にギリギリの場所だ。

テントを張り終わり登頂しようと思ったのだけれど大勢の人が取り付いていたのでしばらく待つことにする。山荘の食堂で山菜うどん(1000円)を食べた。塩っぱい汁物が身体に染み込んでいく。

うどんを食べ終わって外に出て上を見上げると、まだ人の列ができていたのでテントに戻って穂先を眺める。甘いコーヒーを作ってゆっくりと飲む。なんとも贅沢な時間だ。物資を運ぶヘリコプターが山荘にやってきては颯爽と去っていく。

カメラで山頂付近に寄ってみると頂上とその直下に人が群がっていた。

しばらくして人の流れが一段落したようなのでいよいよ登頂することにする。下山したらビールを飲もう。

空いた登山道を景色を楽しみながら登っていく。上も下も高度感があってワクワクする。突きあがる鉄の梯子、もうすぐ山頂だ。

眼下の山荘が小さくなった。テント場の自分のテントは豆粒のようだ。

空いているかと思ったが頂上には10数人の人がいた。360度見渡せるその場所はなかなか離れ難いのだろう。頂上から今日歩いた西鎌尾根を眺めると南側から雲が湧き上がっていた。

15分程周りの山々を眺めた後下山した。下山時、気が抜けたのか少し滑って右の脛を岩で打ってしまった。テントに帰って脛を見ると擦り傷ができて少し腫れていたので持っていた大きな絆創膏を貼った。

暫くすると隣のテントの人たちが帰ってきた。挨拶をきっかけに一緒に飲みながら山の話をして盛り上がった。会社のお仲間だそうで双六、槍と4人で回ったそうだ。とても気持ちの良い人ばかりであった。ひとり旅だと見ず知らずの方々と一緒になることがたまにあるから面白い。

今回の旅は酷暑の影響で昼は暑い日もあったが、ずっと好天に恵まれていた。毎日夕陽を楽しむことができ、今日は槍ヶ岳が夕陽に染まる一瞬に出会った。山で過ごす最高の一瞬だ。

テントから出て西を見渡す。空と大地が少しづつ闇に包まれていくのを見て地球は回っているのだなと思う。

明日はいよいよ最終日、少しの淋しさと大きな安堵感に包まれて眠りについた。少し飲み過ぎたな。

 

 

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北アルプス 花咲く裏銀座を行く 3日目

2018-08-17 | 徒歩の旅

7/25 晴れ

今日は再び祖父岳を経て鷲羽岳、余裕があったら三俣蓮華岳と双六岳に登って双六小屋まで向かう予定だ。

朝ご飯を食べたらテントを畳む。すでに半数の人は旅立ったようだ。テントを張った場所は鳥の巣があったみたいな感じだ。

5時半、テント場を後にして木道を行く。分岐点を過ぎて少し歩くと水晶岳から日が昇った。 朝から神々しい山の姿を見ることができた。ハイマツ帯に入る前にスイス庭園と呼ばれる場所に寄ってみた。薬師岳と水晶岳に挟まれた大きな谷が見える場所だった。残雪の近くに何かが動いていた。雷鳥だ。数羽の子供と母親だった。子供はカルガモの子供に似ていた。親子は慌ただしく餌を啄ばんでいた。

ハイマツ帯を抜けて祖父岳の頂を目指す。左手足裏の親指の付け根の痛みは歩くのに大きな支障はなさそうだったが確実にペースは落ちているようだ。

祖父岳から三俣蓮華岳と笠ヶ岳を望んだ。笠ヶ岳は本当に笠の形をしている。

小さな向日葵かと思った兎菊(ウサギギク)、葉の形がウサギの耳を連想させるのでその名がついたと言う。

鷲羽岳手前のワリモ岳はちょっと岩場があっていい感じだ。ときおり緊張すると怪我をしないような気がする。ワリモ岳の切れ落ちた崖の脇で遠くの山を眺めて休んだ。食欲が落ちてきたので朝起きて食べられなかったアルファ米を休憩時に少しずつ食べた。ワリモ岳の鎖場を抜けると鷲羽岳は目の前だ。

鷲羽岳の頂は三俣山荘方面から登って来た人で賑わっていた。頂から少し降ると池が見えた、鷲羽池だ。鷲羽岳の火口に水が溜まったものだと言う。

ガレ場を下り切って登山道の交錯する三俣山荘に着いた。

山荘でネクター(300円)を買った。久し振りに飲んだが背徳の甘さであった。

三俣山荘を後にして宿泊地である双六小屋を目指した。通過した山荘近くのテント場はとても過ごしやすそうな場所であった。

足の裏に痛みがあるので三俣蓮華岳の山頂は経由せず巻道を行くことにする。思いがけず巻道にお花畑が広がっていた。

ハクサンイチゲとチングルマが主役だ。チングルマはずっと見ていても飽きない。

綿毛になりかけのチングルマと四葉塩釜(ヨツバシオガマ)

深山金鳳花(ミヤマキンポウゲ)

深山金梅(ミヤマキンバイ)

お花畑を抜けると雪渓から沢が流れ出ていたので登山靴を脱いで火照った足を浸した。ここからしばらく行ったところには雪渓から染み出す綺麗な水場があって思い切り水を飲んだ。

最後に少し登り返して高台に出ると双六小屋が見えた。テント場が広くていい感じだ。

双六小屋に着いてテントを張ったら生ビール(1000円)だ。鷲羽岳に乾杯!

ビールを飲んでいると陽が陰って少し涼しくなってしまった。テントに戻ってワインを飲みながらパスタを食べた。毎日同じボロネーゼだが飽きずに食べている。

 いよいよ明日は最終目的地の槍ケ岳だ。ここまで歩いた安堵感に包まれて眠りについた。

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北アルプス 花咲く裏銀座を行く 2日目

2018-08-13 | 徒歩の旅

7/24 晴れ

気持ちの良い朝だ。アルファ米、カップスープ、甘いカフェオレ、これが今回の朝ごはんのメニューだ。水分多めで身体を温めるようにしている。年齢とともに新陳代謝が落ちてくるから身体を温めることは重要だ。

4時40分、烏帽子小屋のテント場を後にしてゆっくり歩き始める。朝焼けに染まる赤牛岳、右奥には薬師岳。歩きたい山が増えていく。

三ツ岳の分岐、ずんぐりとした野口五郎岳が姿を現す。その奥には最終目的地の槍ケ岳が見えた。開けた景色がいつもそこにあるのが稜線歩きだ。裏銀座はどちらを向いても山、そして山、人工的な形跡は限られている。心の奥からジワリと感情が膨れ上がる。

三ツ岳西峰を巻いてお花畑ルートを選んだ。登山道の両側にハクサンイチゲ、チングルマ、シナノキンバイが咲いている。

白山一華(ハクサンイチゲ)、可憐な花だ。

青の栂桜(アオノツガザクラ)、こいつも可愛い。

歩を進めると前方の水晶岳も大きくなってきた。

そして大きな石が増えてきた。大きな岩がゴロゴロしたした地形をゴーロと呼ぶ。野口五郎岳は野口のゴーロなのだと妙に納得する。烏帽子小屋を出て3時間10分、無事野口五郎岳の山頂に着いた。ぐるぐる回って頂上からのパノラマを十分に楽しんだ。

この後気温が上昇して汗が出てきた。それと合わせるかのように左右の足の親指と足裏の親指の付け根に痛みが出てきた。無理せず歩こう。まだ半分以上の行程が残っているのだ。

東沢乗越までくれば水晶小屋までもう少しだ。しかしここからがきつかった。急登、容赦ない日光、痛みの出た足、時折吹く涼しい風だけが味方だ。

かなりの水分が絞り出された身体で水晶小屋に着いた。ここから水晶岳を往復しようとして予定していたのだけれど、先のことを考えて水晶岳をパスして休憩に変更する。

水晶小屋はまだ新しいが、ここに至る道のりは簡単に想像できるものではない。その辺の話も含めて三俣山荘、雲ノ平山荘、水晶小屋に関する情報は三俣山荘事務所が参考になる。 

三ツ矢サイダー(300円)で喉を潤した。サイダーなんて久しぶりだな。小屋番の方にメニューにあった力汁(1000円)て何ですか、と訊ねると焼いた餅と根菜を味噌仕立てにしたものだと言う。力汁を食べて塩分とエネルギーを補給した。塩っぱいのがいいね。

十分休んだが、足の裏の痛さを思うとやはり水晶岳はパスして雲ノ平に向かおう。残りの水は300mL、ワリモ北分岐を過ぎて岩苔乗越に水場のマークがあったのでそこで水を補給すればいいだろう。

降ること30分、岩苔乗越に到着したが水場がない。雪渓の一番上の部分が見えるだけだ。そんな状況とは関係なく薬師岳が美しい山容を見せていた。

雲ノ平山荘まで2時間ほど、黒部源流に向かう道にも水場のマークがあったが戻って少し降るまでもなく、まぁなんとかなるだろうと祖父岳(じいだけ)に向かった。しかし暑い、水足りるかな。

すると少し行った祖父岳直下に水場があった。残念なことに水は少し濁っていた。飲めるかな?浄水器を持ってくればよかったと思ったが、まぁいいか、プールの水より美味いだろう。

ペットボトルに水をすくって飲んだ。とにかく暑くて汗が出るので冷たい水は貴重であった。人の身体の大部分は水でできているのだなぁ。

左を向けばお花畑の向こうに鷲羽山、槍ケ岳、穂高連峰、暑くても足が痛くても一瞬の輝きがそこにはあるのだ。

白山風露(ハクサンフウロ)

ハイマツの間を縫う蒸し暑い登山道を抜けて祖父岳の山頂に着いた。薬師岳がだいぶ大きくなった。

山頂を超えると雲ノ平が見えた。おお、もう少しだ。祖父岳を下りきったところの雪渓には綺麗な水が流れていてそこでも喉を潤した。今日はここまでで3Lぐらい水を飲んだと思う。

再びハイマツ帯となりそれを抜けると開けた場所に出た。そこからしばらく歩いて雲ノ平山荘に近づいていく。山荘は泊まってみたいなと思わせる佇まいだった。

小屋に着いてテント泊の受け付けを済ませて缶ビールを飲んだ。生ぬるい、が山の中なのでよしとしよう。

山荘からテント場まで30分弱、小梅恵草(コバイケイソウ)の咲く木道を歩いた。可愛い花だが猛毒を持っているそうで食べると死に至ることもあると言う。

テント場との分岐からテント場までは稚児車(チングルマ)が満開であった。ここは少し谷になっているので雪解けが遅かったのだろう。

テント場は岩が多いもののトイレと水場に近い。テントの中が熱いことを除けばなんてゆっくりできる場所だろうか。テントの中に入って居られないので日傘をさしてぼんやりと山を見ていた。目の前にはチングルマが揺れている。

水はこの通り、豊富に湧き出ている。テント場に着いて1Lぐらい飲んでしまったかもしれない。

日没の1時間ほど前、積乱雲によって太陽が遮られてようやくテントに入ることができた。テントに入ってまずすることは着替えだ。ウェットティッシュで身体を拭いてテント場で過ごすウールのTシャツを着る。汗をかいたウェアはまた明日の昼着となる。

そして今日はこれを用意した。ナイフ、ライター、絆創膏、消毒液、そしてキネシオテープ。

そしてこれができあがり、足にできたマメから液を出したのだ。マメはそのままにしておくのが一番だが、マメの場所と状況によっては液を出した方が痛みが和らぐと言われている。今回の場合は後者だろう。

せっかく好天なので外で夕飯を食べてワインを飲んでいたらブヨに耳、額、顎、腕など5箇所も刺されてしまった。水の綺麗なところにブヨあり、腫れて痒くて痒くてたまらん、たまらん。

でも夕焼けを見ることができたからいいか。明日もいい天気になるだろう。

雲ノ平の夜は風もなく本当に静かだった。そしてよく眠ることができた。

 

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