~東風吹かば にほいおこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ(春を忘るな)~。旧暦の1月25日、菅原道真が太宰府に左遷されました。そのとき、邸宅の庭の梅に別れを惜しんで詠んだのがこの歌です。
東風(こち)とは、東方から吹いてくるやや荒い風のこと。春を告げる風とされ、年が明けて初めて吹く東風のことを「初東風(はつごち)」といいます。また、日本海沿岸では、東風と書いて「あゆのかぜ」と読むそうです。松前船が順風として利用したのだそうです。
この梅は、道真の後を追って、一晩で太宰府まで飛んできたといわれます。「飛梅(とびうめ)」と呼ばれ、今も太宰府天満宮に御神木として残っています。そして、毎年ほかの梅に先駆けて美しい花を咲かせてくれます。
ところでこの暖冬、いつ「東風」が吹くのでしょうかね。