OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

裁量労働時間制と年次有給休暇の時間単位取得等について

2022-10-16 21:50:04 | 労働基準法

先日顧問先からの質問で、専門業務型裁量労働制を導入した場合に「年次有給休暇の半日単位や時間単位の取得は認めないとすることが可能だろうか」というものがありました。

裁量労働制を採用している場合の労働時間の考え方としては、対象となる業務を労使で定め、労働者を実際にその業務に就かせた場合、「労使であらかじめ定めた時間働いたものとみなす」ことになります。またみなす時間は1日当たりの労働時間を協定する(昭和63.3.14基発150号、婦発47号)とされています。例えば1日9時間とみなした場合、8時間を超える1時間については毎日時間外労働が発生することとなり、割増賃金の支払いが必要になりますが、たとえその日に10時間働いたとしても、また5時間働いたとしても、9時間働いたものとみなされることになります。

1日の労働時間をみなす場合について、年次有給休暇の取得についてどのように考えるかという問題があります。探してみたところでは特に該当する通達はないようでしたが、以下の通達があります。

専門業務型裁量労働制に係る労働時間のみなしに関する規定は、法第4章の労働時間に関する規定の適用に係る労働時間の算定について適用されるものであり、第6章の年少者及び第6章の2の女性の労働時間に関する規定に係る労働時間の算定については適用されないものであること。
また、労働時間のみなしに関する規定が適用される場合であっても、休憩、深夜業、休日に関する規定の適用は排除されないものであること(前出通達)

この通達では、特に年次有給休暇について触れてはいませんが休憩、休日と同様と考えられます。従って1日単位で年次有給休暇を取得する場合は、みなされた1日の労働時間について年次有給休暇を取得したことになります。

それでは半日単位、または時間単位を取得することは可能かということなのですが、こちらは取得の余地がないということになります。上記にも書いた通り裁量労働制の場合は、何時間働いたとしても「みなされる労働時間」は変わりません。例え午前半休を取得し午後出勤して4時間働いたとしても1日のみなし労働時間数(冒頭の例で行けば9時間)を働いたことになります。従って、裁量労働制を採用する場合については、年次有給休暇の時間単位や半日単位の取得は「余地がない」ためできないということになります。なお、この質問は労働局にも多く寄せられているようです。

ここに来て街はコロナのことは全く忘れてしまったような賑わいを見せています。ヒカリエのいつも前を通る旅行社のカウンターも本当にここ数年悲しいくらい人がいなかったのですが、今は順番待ちをしている状況です。このまま収まってくれることを願っていますが、今のところマスクは手放せない(というか習慣化してしまった)感じです。

最近ご依頼いただく仕事で一番多いのがM&Aの前後の統合作業と賃金・評価制度の導入支援です。事務所内でプロジェクトを作って、スタッフに担当してもらいながら進めているのですが、かなりの数動いている感じになっています。やはり大きく世の中が変化する中での事業再編の動き、働き方や人への投資の重要性について企業が取り組んでいる証拠なのかもしれません。そういう世の中の変化を直接感じることができる社労士の仕事の面白さをしっかりと感じています。

この記事についてブログを書く
« 60時間超時間外5割増し | トップ | 転勤に関する最近の傾向 »
最新の画像もっと見る

労働基準法」カテゴリの最新記事