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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

懲戒処分の手続について

2022-09-26 00:25:00 | 労務管理
懲戒処分を行う場合には就業規則を必ず確認する必要がありますが、ほとんどの就業規則の「賞罰」の規定には、懲戒の種類(戒告、減給、出勤停止、降格等、諭旨解雇、懲戒解雇など)、懲戒の事由(懲戒処分に該当する様々な行為)が定められており、まずは処分しようとする対象の事由が該当するかどうか、懲戒の種類のいずれが適切かを検討する必要があります。その上で、就業規則には、懲戒処分を行う場合には手続として「弁明の機会を設けた上で懲罰委員会において決定する」と規定されている場合があります。ただ、これまで沢山の就業規則を見させてもらいましたが、実感としては「懲罰委員会の開催」について定めているものは比較的少なく、「弁明の機会の付与」についてはさらに少ないように感じます。
 
懲罰委員会において決定する等手続についての規定がある場合には、必ずその手続きを踏んで処分を決定する必要があります。手続きを踏まないで懲戒処分を行った場合、懲戒処分の内容が妥当であったとしても無効になってしまう可能性があります。ただ、就業規則に懲戒処分についての手続きが書かれていない場合でも、ご相談を受けてみると懲罰委員会を開催しているという会社は結構あり、就業規則に必ず明記しておくかどうかは会社ごとの判断となります。就業規則に規定がない場合でも通常この手続きを踏んで懲戒処分を決定している場合は、ケースによって懲罰委員会を開催せず処分を決定することは避けたいところです。
 
また就業規則に手続について規定されていない場合に、弁明の機会を設けていない又は懲罰委員会を開催していないからといって、就業規則に定める懲戒事由と懲戒の種類に適切に該当されていれば、懲戒処分が無効であるということはありません。なお、労契法15条「懲戒」に定める権利濫用に該当しないよう留意が必要です。

 「弁明の機会の付与は」とは、懲戒処分にする理由を開示した上で本人の弁明を聴くことといいます。懲罰委員会がない場合であっても、懲戒解雇など重い処分を行う場合は、争いになった際に処分の妥当性を説明できるようにしておくために、弁明を聴いておくほうが良いと考えます。

懲戒処分の種類については処分を決定する際にアドバイスを求められることが多いのですが、国家公務員の懲戒処分について人事院の指針が出ているので参考になります。
懲戒処分の指針について(平成12.3.31職職-68、人事院事務総長発)
https://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/12_choukai/1202000_H12shokushoku68.html

来週の火曜日は国葬ですね。さまざまな状況や報道についてはとても残念に感じます。心静かに見送りたいと思っています。   

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