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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

安衛法における事業場の単位

2015-03-04 01:23:46 | 労働保険
今日は支部の今年度最後の研修で安衛法の講義を受けました。内容はもう少し具体的な事例を聞いてみたかったのですが社労士試験向けの安全衛生管理体制の各要件などのお話で、講師時代に講義で話していたことが間違っていなかったという確認はできました。研修をご依頼する際に講師と打合せをしてかなりニーズを伝えたつもりでしたし、こちらからご質問を10個弱お送りしていたのですが、やはりなかなかニーズをお伝えすることは難しいものですね。
 
事務所に戻るとちょうど安衛法のご質問が来ていました。監督署の臨検で「安全衛生推進者」を選任する必要があると指摘があったとのことでしたが、その事業場は事務部門であり本業の現業部門とは別の場所にあるためその他の業種として「衛生推進者」の選任で問題ないように思いました。「安全衛生推進者」は安全管理者選任業種の規模10人以上50人未満の際に選任します。安全管理者選任業種に該当しない場合の規模10人以上50人未満の事業場の場合は「衛生推進者」の選任で足りるとされています。
 
事業場の解釈としては、昭和47年9月18日発基第91号通達の第2の3「事業場の範囲」で示されています。
 
その中で、労働安全衛生法は、事業場を単位として、その業種・規模等に応じて適用することとしており、事業場の適用範囲は、労動基準法における考え方と同一です。
 
つまり、一つの事業場であるか否かは主として場所的観念(同一の場所か離れた場所かということ)によって決定すべきであり、同一の場所にあるものは原則として一つの事業場とし、場所的に分散しているものは原則として別個の事業場とされています。
 
例外としては、場所的に分散しているものであっても規模が著しく小さく、組織的な関連や事務能力等を勘案して一つの事業場という程度の独立性が無いものは、直近上位の機構と一括して一つの事業場として取り扱うとされています。
 
また、同一の場所にあっても、著しく労働の態様を異にする部門がある場合には、その部門を主たる部門と切り離して別個の事業場としてとらえることにより労働安全衛生法がより適切に運用できる場合には、その部門は別個の事業場としてとらえることとしています。
 
この例としては、工場の診療所などがあげられます。なお、事業場の業種の区分については、「その業態によって個別に決するもの」とされており、事業場ごとに業種を判断することになります。例えば、製鉄所は「製造業」とされますが、その経営や人事の管理をもっぱらおこなっている本社は「その他の事業」ということになります。
 
就業規則も36協定も1つの事業場として届出しているということで別の場所にある現業部門と同じ業種になるという考え方は納得できず、是正内容を修正できないか今後監督署に働きかけることにしました。
 
この労基法・安衛法の事業の考え方と、徴収法の労働保険料の一括(継続事業の一括)とは異なる考え方です。労働保険料の一括をしていたからと言っても労基法上や安衛法上の一括がされているわけではありません。労働保険料の一括納付の申請をしているからと言ってもそれはあくまでお金(労働保険料)の払い方の問題のみであり、就業規則や36協定は上記通達の事業の考え方により届出をそれぞれの事業所において行わなければならないことになります。
 
先週末金曜日から日曜日までの3日間ベトナムのハノイに東京会の研修旅行で行ってきました。ベトナムはかなり昔に「サイゴンから来た妻と娘」を読んでからずっと憧れていたのでとても嬉しく、楽しんで参りました。ところが日曜日の日本に着く際に羽田上空で春の嵐に見舞われ2度着陸を試みるもどうしても降りることができず成田に降りる羽目に。その2度の着陸の試みの際の機内の揺れは尋常ではなく私の周りでも気分が悪くなる人も続出し、生きた心地がしないとはこういうことを言うのねという感じでした。ちなみに生まれてこの方「乗り物酔い」を経験したことが1回しかない私は気分の方は全く大丈夫でした。
 
結局成田では給油のみをして再度飛び立ち羽田に今度は特に大きな揺れもなく着陸したのが11時半過ぎで、荷物を取り出し税関を通って外に出たら既に電車もモノレールは終わっておりタクシーを30分待って家に帰りました。タクシーはその後さらに並んだ人が多かったらしく3時まで羽田で飲んでタクシー乗り場に行った人はまだ200人待ちだったとか。
 
そこでこれまで法人化してから盆暮れなど予定通りの休み以外ほとんど休んだことがなかったこのブログを日曜日に更新できず今日の更新になりましたことお詫びいたします。まあ生きて帰れましたので良かったです。
 
 
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