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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

高額薬価について

2019-10-06 21:17:18 | 社会保険

産経新聞の5月21日に高額薬価のことが載っています。少し難しいのですが私の勉強のためにも取上げさせて頂きます。

「厚生労働省は2019年5月15日、血液がんの白血病などに効く新しい治療薬「キムリア」に公的医療保険を適用することを決めた。その薬価(公定価格)は3349万3407円と3000万円を軽く越える。しかも1回分の価格だ。過去最高の薬価である。公的医療保険が適用されると、患者の負担は少なくて済む。だが、薬価の高い薬は医療保険の財政を圧迫し、日本の医療を支える国民皆保険制度を破壊していく。抗がん剤を中心に最近、抗がん剤の登場が相次ぎ、大きな社会問題となっている。」

キムリアはスイスの製薬会社が開発した遺伝子操作による治療を行うもので、その製造の流れは全工程で2カ月かかる「患者ごとにその患者だけに使うキムリアを作って治療するオーダーメイド医療であり」、「製薬や治療に高度な技術と専門的知識が求められ、その結果、薬価が跳ね上がる」ということです。

「キムリアが投与できる疾病は、がんの一種である「B細胞性急性リンパ芽球性白血病」と「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」のうち、これまでの薬が効かなくなった難治性のものだ。ノバ社によると、患者の数は最大で年間216人。だが今後、キムリアの適用が拡大されて対象の疾病が増えると、それに比例して患者数と医療費も増大する恐れがある。
薬代を含めた医療費の患者の自己負担割合は、1割~3割だ。さらに所得などに応じて払い戻される高額療養費制度が適用されるから、年収500万円の会社員の場合、キムリア投与の自己負担額は40万円程度になる。」

ここまで高額な治療が高額療養費のお蔭で誰もが受けることができる日本は素晴らしい国だとは思いますが、医療保険制度の持続可能性に影響があるであろうと心配になってしまいます。この治療が広く普及することで薬価も下がる仕組みは理解できます。年間3500万円だったオプジーボは4分の1まで下がったということです。しかし記事では薬価の決め方が不透明であるとも書かれています。

「最初に高額医薬品として問題になったのは、がんの免疫治療薬「オプジーボ」である。オプジーボは2014年に皮膚がんの治療薬として公的医療保険が適用された。その時点で、患者1人あたりの総医療費が年間3500万円かかると、高額な薬価が注目にされた。それでも患者数が470人ほどで少なく、医療費圧迫には至らなかった。ところが翌年に一部の肺がんの治療でも保険が適用されると、医療費が増大し薬価の見直しが進められた。2017年2月に薬価が半額まで引き下げられるなどしてオプジーボの薬価は現在、当初の4分の1となっている。」

「この「オプジーボ効果」で、2年に1回だった薬価の改定は、1年に4回に増えた。また今年4月からは費用対効果の評価による薬価引き下げの新制度もスタートした。こうした制度を柔軟に作って適用し、高額の薬価を引き下げてくことが大切だ。」ということです。

5月21日付の読売新聞の社説は「ただ、今後も超高額薬が増えていけば、医療保険財政を圧迫する懸念が拭えない」と指摘し「大切なのは、薬価が妥当な水準なのかどうか、検証できる体制を整えることだ。」。また、「公的医療保険で超高額薬をカバーしつつ、制度の持続可能性を維持するためには、軽症用の薬をどこまで保険給付の対象とするかを考える必要がある」「湿布やビタミン剤など市販品で代替が可能な薬は、保険適用から除外する案も浮上している。議論を深めていくべきだ。」とあります。

公的医療保険でカバーする範囲をどう決めていくか、気がもめるところではあり、今後注視していく必要があると思われます。

社労士の仕事をしていると勉強しなければならないことが沢山あり、しかしそれがとても面白く感じます。今年の秋は修士論文に取り組まなければならないので週末はパソコン前に座っていることが多いのですが、夕方からジムに行き汗を流すのが気分転換なります。ジムの帰りに立ち寄る美味しいお蕎麦屋さんを見つけて、ささやかながら楽しみになっています。

 

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