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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

父親の育児休業制度について

2022-01-23 21:43:10 | 産前産後・育児・介護休業

今年の4月と10月を中心とした育児介護休業法の改正は、男性の育児休業を促進させるための仕掛けがいくつもあるといえます。厚生労働省「男性の育児休業取得促進等に関する参考資料集」で、男性の家事、育児時間が長いほど、妻の継続就業割合が高く、また第2子以降の出生割合も高い傾向にあることが示されています。

フランスでは、出生率が2010年に2.01を超え、コロナ禍第2次世界大戦後最低水準となった2020年でも1.84だそうです。方や、日本の2020年の合計特殊出生率は1.34と低水準です。しかしフランスもこれまでずっと出生率が高かったわけではないそうです。JILPTの調査研究によると「女性が高い教育を受け社会進出が進むと、仕事と子育ての二者択一を迫られた結果、女性は就労を選択し、出生率がさらに低下する。しかし、社会における女性の地位が向上するにつれて、出生率は回復することが指摘されている。」ということで、「この20年間に女性労働力率を上昇させながら出生率も回復してきている国の社会環境には、男性を含めた働き方の見直しや保育所整備等の両立支援、固定的性別役割分担意識の解消や男性の家事・育児参加、雇用機会の均等などが進んでいるという特徴がある。」と指摘する、とあります。

上記のような両立支援に取り組んだほか様々な政策を打ってきたフランスでも必ずしも男性の育児休業の取得率は芳しくないそうです。「『女性に多様な選択肢を与え』『仕事か子育ての二者択一を迫らない』家族政策をさらに一歩推進するために、父親に対して家庭責任と育児を分担することを、特に、1歳までの育児を半分分担することを求め」労働時間の短縮などは効果があったようです。今回の育児介護休業法の改正だけではなく、生産性の向上による労働時間の短縮や、在宅勤務などの導入により父親が家事・育児を担う部分が多くなることで、日本の出生率が高まることを期待しています。

【参考】

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)「フランスにおける父親の育児休業制度-なぜ、高い就業率と特殊合計出生率が両立したのか」
https://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2018/12/france.html

厚生労働省「男性の育児休業取得促進等に関する参考資料集」
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/000693710.pdf

昨日は年に2回開催しているBBクラブの勉強会でした。コロナ前は、10時から17時頃まで、法改正と旬なテーマで講演、その後懇親会という流れで行っていたのですが、この2年間はずっとzoomでの開催です。法改正セミナーは91名の参加があり相変わらず会員の勉強意欲を嬉しく感じました。その後のzoom懇親会はやはりリアルとは違って若干歯がゆい部分がありますが、参加してくれたみんなの近況を聴くことができて、zoomのお蔭で継続できていることについては感謝しています。きっとリアルで会える日が来たらとてもとても嬉しいのだろうなと楽しみにしようと思います。延期になっているBBクラブ創立20周年記念パーティーが新たな再開になるかもしれませんね。とにかく今はオミクロン株に気を付けて元気に毎日を過ごすことを心がけたいです。

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