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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

請負事業の一括について

2019-06-10 00:29:32 | 労働保険
労働保険の保険料の徴収に関する法律(徴収法)で労働保険料の徴収について一括ができるものとして定められている保険関係の一括は、「有期事業の一括」「請負事業の一括」「継続事業の一括」の3つがあります。このうち継続事業の一括については、労災保険及び雇用保険に係る保険関係を一括することができますが、有期事業の一括と請負事業の一括については労災保険に係る保険関係のみを一括することになります。
 
この中で、請負事業の一括は、数次の請負で行われることが通常である「建設業のみに適用」されるものです。家を建てる時などの建設の仕事を思い浮かべてみるとイメージしやすいと思うのですが、下請けやさらにその下請けである孫請けなど混在して仕事をします。このような数次の請負で仕事が行われる場合、下請負事業ごとに分割して保険適用することは現実的には困難です。そのため、法律上当然に下請負事業を元請負事業に一括して、元請負人のみを適用事業の事業主として取り扱うこととされています。

この場合注意しなければならないのは、請負事業の一括の対象となるのはあくまで「労災保険の対象者である労働者」ということになります。元請事業の事業主だけでなく、下請負事業の事業主や孫請事業の事業主や一人親方についてはこの一括の対象にはならないわけです。従って請負事業の一括の仕組みがあっても下請負事業の事業主等については労災保険の特別加入をしなければ、労災保険の補償を受けることはできないということになります。

下請事業の実質的経営者が元請事業の労働者であったとして労災保険の休業補償給付を申請したところ「労働者」に該当しないとして不支給処分とされ、それを不服として裁判に訴えたもののやはり労働者性が否定された判決があります(「呉労基署長〈浅野建設〉事件、広島地判平成4.1.21)。元請けが下請負人に行った指示、指導については、労働者性の判断基準となる指揮命令ではなく「請負契約の内容に沿うよう債務の履行を求めているにすぎないもの」と判断されています。
 
なお、「下請負事業の分離」といって一定以上の規模の下請負事業である場合については、元請負人及び下請負人の共同の申請により元請負事業に一括することなく下請負事業を分離して保険関係を成立させることが可能ですが、そのためには厚生労働大臣の認可が必要です。この認可を受ける一定規模とは、下請事業の概算保険料の額が160万円以上又は請負金額(消費税相当額を除く)が1億8,000万円以上になる場合です。
 
久しぶりに小淵沢に行ってきました。昨年秋にお風呂をリニューアルして外の景色を見ながら露天気分になる予定だったのですが、前回までは寒くて寒くて窓を開ける気に全くならず、やっと今回はわざわざ陽のあるうちにお風呂に入ることにして、少し露天風呂気分を味わうことができました。家の前は畑とその向こうは森なので窓を開けてもたいがい大丈夫なのですが、いきなり畑の様子を見に来たのか軽トラが走ってくるのが見えて慌ててブラインドを下ろしてドキドキしました。天気が良い夏なら星を見ながらの露天気分になれるはずと楽しみにしています。
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