OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

2以上の事業所に使用される場合(Q&A 7.18追記)

2011-07-18 16:22:49 | 社会保険

 昨日のテーマである2以上の事業所に使用される場合について、少し追記したいと思います。

細かい話ですが従来の2以上勤務の取り扱いは、それぞれの会社の報酬月額を合算して1つの報酬月額を出してから標準報酬月額を決定する(届出時点での書式もそのような書き方です)、というものでした。等級表にあてはめるのは報酬(月額)を合算したあとだと考えていました。

しかし2以上の事業所に勤務する場合の随時改定のポイントは、「各事業所について随時改定の要件に該当するかどうか判断する」ということです。2等級の差を見るのであれば等級表にあてはめざるを得ず、報酬月額と標準報酬月額が混同されているように感じましたので厚生労働省に確認してみたところ、昨日も書きましたがこれまで各都道府県でバラバラの対応であったものを今回統一することになったとのこと。それぞれの事業所で固定的賃金の変動時に報酬月額を等級表にあてはめるというのは違和感があり「ねじれ」のような感じになるが、虚心に条文を読んでみるとそれぞれの報酬月額を等級表にあてはめ2等級の差を見るのもおかしくはないと考えましたとの回答でした。

報酬月額とは定時決定等の処理を経たものを等級表の報酬月額の欄のランクにあてはめたもの(等級の決定はまだ)と考えれば確かにそうかもしれません。(しかしそうすると従来の通達である報酬月額を合算して1つの報酬月額を出すという2以上勤務の処理が意味不明なのです。元々条文から見ると通達がおかしいような気がしていましたのでなんとなく整合性がとれないでいます。ややマニアックになりました。)

実務上の扱いであると、それぞれの会社で例えば報酬月額を年金事務所に届け出ておき、それを合算して最終的に標準報酬月額を決定するのは年金事務所のようです。その結果昨日のブログに書いた「旧社会保険庁の平成21年度の事務処理誤り等の一覧等の結果」によると片方の会社の喪失があったにもかかわらずもう一つの会社ではまだ2以上勤務として扱われており、その連携が悪くミスがたびたび起こっていたようです。それを考えると随時改定はそれぞれの事業所で要件を見るとしておくのが一番ミスが起こらない方法であるとは思います。なんだか報酬と報酬月額と標準報酬月額の定義があいまいになるようでちょっと怖いのですが、法律条文というのはあいまいな部分がどうしてもありますね。

2以上勤務者の標準報酬月額の取り扱いについてQ&Aが出ていますので載せておきます。

https://www.shakaihokenroumushi.jp/social/user/tsutatsu/pdf/S_20110713.pdf

なでしこJAPANやりましたね。感動しました。沢選手はいわゆる「持っている」選手だと思いました。ところで本文にある報酬と報酬月額と標準報酬月額ですが、「報酬は素材、報酬月額が素材を切ったりすること、標準報酬月額は切った素材を調理して料理を完成すること」とよく講義で話していました。だいたいそういう風に考えるとうまく理解できるようです。

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