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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

在籍出向と労働者供給事業の関係について

2022-11-07 00:44:47 | 労働法

在籍出向と職業安定法第44条により禁止される労働者供給事業について調べたのですが、「労働者派遣事業関係業務取扱要領」にまとまった記載がありました。そもそも職業安定法第44条と45条は、「労働者供給事業の禁止」を次の通り定めています。

何人も、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。例外として、労働組合等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる。

労働者供給事業とは、労働者が「支配従属関係や雇用関係がある供給元」が供給先と供給契約を結び労働者が供給先と雇用関係を持ち労働を提供するという形態ですが、労基法第6条で禁止されている「中間搾取」の恐れがあるなどの問題があり禁止されているものです。中間搾取の排除規定の違反については、強制労働に次ぐ2番目に重い罰則が労基法で規定されています。

労働者供給事業と在籍出向の関係については、「労働者派遣事業関係業務取扱要領」に次の通りの記載があります。

在籍型出向は労働者派遣に該当するものではないが、その形態は、労働者供給に該当するので、その在籍型出向が「業として行われる」ことにより、職業安定法第 44 条により禁止される労働者供給事業に該当するようなケースが生ずることもあるので、注意が必要である。
ただし、在籍型出向と呼ばれているものは、通常、①労働者を離職させるのではなく、関係会社において雇用機会を確保する、②経営指導、技術指導の実施、③職業能力開発の一環として行う、④企業グループ内の人事交流の一環として行う等の目的を有しており、出向が行為として形式的に繰り返し行われたとしても、社会通念上業として行われていると判断し得るものは少ない
と考えられるので、その旨留意すること。

さらに「業として行う」とは、「一定の目的をもって同種の行為を反復継続的に遂行することをいい、1回限りの行為であったとしても反復継続の意思をもって行えば事業性がある」とされ、「具体的には、一定の目的と計画に基づいて経営する経済的活動として行われるか否かによって判断され」るとあります。在籍出向の場合は出向元が出向により利益を業として得るということはないものと考えますが、懸念が指摘された際問題にならないよう留意しておくことは必要だと考えます。

最近ご依頼が多いのが賃金・評価制度の改定についての支援です。内容としてはそれぞれの会社さんが課題としてとらえていることの解消で、採用や雇用の人材確保のためであったり、評価の透明性による社員の納得性の確保であったりと様々ですが、ジョブ型賃金への興味もかなり持たれているようです。ジョブ型賃金は以前は日本には合わないのではと考えていたのですが、勉強の結果最近はジョブ型賃金を導入する必要性も感じています。

だいぶ秋めいてきましたが、小淵沢はかなり紅葉していました。秋は空気が澄んで山もとても綺麗にみえる良い季節です。