OURSブログ

社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

仕事への意識の大転換の必要性

2022-09-04 20:35:55 | 雑感

コロナ禍の数年間は経済活動が縮小していたため長時間労働の悩みは各企業少なかったように思います。その前の働き方改革の効果もあり、長時間労働削減について対策に考えを巡らせることも最近少なかった感じでした。ただここに来てコロナと経済活動の両立が始まり、また働き方が元に戻ってしまう会社が出てくる懸念が生じてきました。時間外労働の削減の方法としては、まず労働時間が正確に把握されているか、その業務にあった変形労働時間制やみなし労働時間制が採用できないか、36協定の上限時間数が法的に適正かつ抑制効果のある数字になっているかの他、会議時間の時間数なども参考にして、時に厳しめのアドバイスをします。以前顧問先の人事担当者がおっしゃっていた印象的な言葉で「労働時間に合った変形労働時間制などの制度を導入するということではなく、変形労働時間制に沿った働き方を模索する」というものがありましたが、それもなかなか難しいことかと思います。

今の働き方では長時間労働の削減は限界があり、人員を増やすしか方法はないのではないかとずっと考えていましたが、最近フト思うのが特に経営層や管理職以上の成功体験がある年代層がこれからの仕事についての意識の大転換をすべき時なのではないかということなのです。

というのも長時間労働になっている原因の一つに「チームでの仕事」があるのではないかと思います。「会社に集合して一緒に現場に行き全ての作業が終わるまでは全員参加、完了後会社に一緒に戻り機材を片付けてからちょっと一杯して解散」というような場合、「ちょっと一杯」は別としても考えてみると生産性を上げるには問題があるのではないかと思いました。仕事を細分化してその中で担当する仕事を明確に決めて、極端にいえばその仕事に必要な時間に現場に個々人が出向き、自分の仕事が完了すれば終業となる、という動きになればかなり労働時間は削減されるのではないかと思うのです。チームでの仕事というのはいつも一緒に最初から最後までというのではなく、各人の担当の部分しっかりこなし、トータルで形に仕上げるマネジメントを担当するのは、労働時間の適用除外の管理監督者かみなし労働時間制の裁量労働対象者という時間管理の自由度が高い層というのはどうでしょうか。最後だけはチーム全員で集まって打ち上げをして達成感を共有するのでも良いのではないかと思います。

以前に海外では医師が手術の途中でも交代すると聞いたことがあり、時々事例としてお話しするのですが、これはよく考えてみるとメスを持っている状況でバトンタッチするのではなく、例えば手術の前の準備の段階、手術、縫合、術後の管理などを分業するという意味なのではないかと思い至りました。

これは私も含めて高度経済成長期からリーマンショックなどを知っている世代では、頭ではイメージしたとしても意識として受け入れにくいですが、これから社会に出てくる世代などにとっては違和感はないかもしれません。高度経済成長期以降、第3号被保険者に代表する外で働く男性と家を守る女性という役割分担が、女性も働く時代になると崩壊して必然的に男性も家事・育児を分担することになりました。男性もできれば早く仕事を終えて帰宅してやらなければならないことがあるという状況であることを感じます。男女の役割分担が、むしろ今後は仕事場での役割分担に変わるのではというイメージです。最近ジョブ型賃金のご相談を受け、曖昧であった理解が少し進んだと思うのですが、個々人の担当業務の明確化はジョブ型賃金にもなじみそうです。細部まできめ細かく、完璧な完成を追求する日本人にとっては大きな意識の変化が必要になるかもしれませんが、従来のやり方にこだわっていると世界についていくことができないのではないかという懸念を感じます。

考えてみると日本の社会は「団体行動」を大事にしてきたと思います。個人主義はどちらかというとあまり良い意味では使われず、団体行動を乱すということは批判的に取られることが多かったかと思います。それは功罪両面があるのだと思いますが、例えば高校で不祥事があると折角出場が決まっていた高校野球の出場辞退などは、選手本人に全く問題がない場合でも必要なのか疑問に思うこともありました。日本の仕事の細かさ、完成度の高さは団体行動による人の力のまとまりや、責任感に由来するもので失いたくないものではあるのですが、そこを保ちつつ構造転換をすることはできないものでしょうか。

人口減少もあり構造変化が起きている社会や家庭を考えると、まずは仕事への意識の大転換の必要性が日本人には求められるのかもしれません。生産性を高めて、ワークだけでなくライフも大事にするには個々の仕事の分担が鍵であり、それが進めば個々人の専門性が高まり分業制がさらに完成していく、ということが流れなのではないでしょうか。

先週日曜日の夜、2時間程度かけてブログの原稿を作ったのですが、どうもうっかり「投稿」ボタンを押すのを失念したようで、火曜日にブログがアップされていないのに気付いたものの、気付いたのが遅かったからかデーターもすっかり消えており「茫然」でした。

ということで本試験お疲れ様をお伝えする機会を逃してしまいましたが、1週間遅れで「お疲れさまでした。1年間よく頑張りました!結果がどうあれ、本試験の経験は決して無駄になることはありません。」ということをお伝えします。