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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

公的年金の所得代替率について

2021-10-04 00:29:37 | 年金

自民党総裁選は、短い期間の中での潮目が変わった瞬間が何度かあり、政治とはそういうものなのだろうなととても興味深く注目していました。結果としては、無難なところに落ち着いたという感じであり、その後の特に閣僚人事は、素人考えかもしれませんが、何となく魅力に乏しく、若干あのあつい候補者の討論の毎日からすると拍子抜けの感じがするのは私だけでしょうか。

候補者の討論の中で、将来の年金の話が出ており、非常に興味を持って聞いていたのですが、河野さんの主張としてはマクロ経済スライドによって年金制度は維持されるが、年金額が保障されていないため、改革が必要であり、基礎年金部分は税金で賄い誰もが公平に受けられる年金にすればよい、という考えだったと思います。私は元々年金制度を改革するにしても、給付と負担の対応関係が明確な社会保険方式を変えるべきではないと考えており財源を税に持ってくるのは反対であり、基礎年金の財源には厚生年金からの拠出金も含まれているのではないかと考えると河野さんの主張の完成度が高いとはとても思えなかったのですが、給付水準について実のところどのようになっているのか、ここのところ見ていなかったので調べてみました。

令和元年に行われた5年に1度の財政検証の資料によると以下のように書かれています。
〇公的年金制度においては、マクロ経済スライドによる給付水準の調整に伴い、所得代替率は、現在(2019年度)の61.7%から将来低下していく見通し。
〇 現行制度における所得代替率は、20~60歳までの40年間就労することを前提に計算しているが、40年を超えて就労し、それに伴い受給開始時期の繰下げを選択すれば、その分給付水準が増加することとなるため、就労期間を延長することにより、将来の所得代替率の低下を防ぐことが可能となる。
○ そこで、以下の資料では、ケースⅢ、及びケースⅤについて、現行制度又はオプションB-⑤の制度を前提に、20歳から何歳まで就労すれば、現在(2019年度に65歳の者)の所得代替率を維持することができるかを生年度別に示すこととする。

所得代替率61.7%を将来も維持するには就労期間を長くして受給開始を遅らせるという方法で、現在20歳の世代は66歳9月まで就労し繰下げ受給を選択すれば、現在(2019年度)65歳の世代と同じ所得代替率を確保できる見通し。(仮にオプションB-⑤(基礎年金45年加入、65歳以上の在職老齢年金の廃止等)の制度改正を前提とすれば、65歳10月まで就労し繰下げ受給を選択すれば、現在65歳の世代と同じ所得代替率を確保できる見通し。

上記の試算を見ると若干ホッとしますが、これは経済状況の仮定を「経済成長と労働参加が進むケース」または「経済成長と労働参加が一定程度進むケース」を元に物価上昇率や賃金上昇率を置いているようなので、やはり年金の将来はひとえに経済成長にかかっていると感じます。

2019年財政検証関連資料(第9回社会保障審議会年金部会2019年8月27日資料4)
https://www.mhlw.go.jp/content/000540204.pdf

緊急事態宣言が解除されて、週末かなり色々なところで人出が多かったようですが、まだまだ慎重に行こうかなと考えていることと、原稿の仕事にめどをつけたいので週末もだいたい自宅で過ごしました。しかしコロナ禍あまりに動かないのも良くないのであちこち自宅の周りの散歩だけはしており、今日は気になっていたお店に行ってみたところ、なかなか素敵なお店で得した気分になりました。まだまだ身の回りでささやかな楽しみを見つけつつ、気を付けていきたいですね。