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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

高度プロフェッショナル制度と企画業務型裁量労働制

2020-10-11 22:08:50 | 労務管理

今検討している案件で、高度プロフェッショナル制度を導入してもよいと考えられるものがあり、同時に裁量も大きいと思われるため企画業務型裁量労働制にも該当する可能性もあり、それぞれの要件をポイントだけ比較してみました。

労使委員会の設置はともに導入要件なのですが、決議事項は多少異なります。主に異なる点は対象業務、対象労働者の範囲、労働時間の考え方です。

1)対象業務

高度プロフェッショナル制度は、対象業務は、対象業務に従事する時間に関し使用者から具体的な指示を受けて行うものは含まれない」とされ、次の通りとしています。

①金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務、②資産運用(指図を含む。以下同じ。)の業務又は有価証券の売買等のうち一定の業務、③有価証券市場における相場等の動向又は有価証券の価値等の分析、評価又はこれに基づく投資に関する助言の業務、④顧客の事業の運営に関する重要な事項についての調査又は分析及びこれに基づく当該事項に関する考案又は助言の業務、⑤新たな技術、商品又は役務の研究開発の業務

企画業務型裁量労働制は、「事業運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であって、業務の性質上、これを適切に遂行するためには、その遂行方法を労働者の裁量にゆだねる必要があるため、業務遂行手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務」とされています。

2)対象労働者

高度プロフェッショナル制度は、対象労働者の要件として「①使用者との間の合意に基づき職務が明確に定められていること、②使用者から支払われると見込まれる賃金額が1,075万円以上で、本人の同意が必要です。

企画業務型裁量労働制は、知識、経験等を有する者で、本人の同意が必要です。

3)労働時間

高度プロフェッショナル制度は、「対象労働者の健康管理時間(対象労働者が事業場内にいた時間と事業場外において労働した時間との合計の時間)を把握する措置を使用者が実施する」としており、時間外・休日・深夜労働の割増賃金は発生しません。ただし年間104日以上、かつ、4週間を通じ4日以上の休日付与がの義務付けられています。

企画業務型裁量労働制は、労働したとみなす時間を1日単位で定めますが、みなした時間に時間外労働時間数が含まれていれば時間外の割増賃金は発生します。また休日労働・深夜労働の割増賃金も必要です。

ざくっとですが上記比較をみると、企画業務型裁量労働制は思いのほか導入しやすい感じがします。

ちなみに、高度プロフェッショナル制度の導入は、令和2年6月末日時点で16件、労働者数436人「高度プロフェッショナル制度に関する届出状況より」

企画業務型裁量労働制の導入事業所数は、調査対象となった約6,400社のうち実施しているのは0.6%「平成31年就労条件総合調査より」

ともに極端に少ないです。

とにかくここの所忙しく、土日に何とかじっくり取り組む仕事を片付けてやりくりするという状況で、ついデザートとコーヒーが進んでしまう状況です。

今月21日から23日までは、全国社会保険労務士会の働き方改革特別委員会でこれからの働き方をテーマの中心としてフォーラムを開催(オンライン)する予定です。私も2日目に担当することになっておりますので、よろしければご覧ください。

https://www.sr-seminar.com/forum/