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社会保険労務士としての日々の業務を行う中で、考えたこと、感じたこと、伝えたいことを綴る代表コラム。

第3号被保険者の行方

2016-07-11 00:14:21 | 労働法

第3号被保険者についての意見は本当に様々あり、社労士の間で話をする場合もそれぞれの主張があるわけですが、パートで働く友人からの真剣な質問もこれまで多くあり、今後の行方も考えていかなければならないところだと思います。昭和61年に第3号被保険者制度ができたときの雇用環境、女性の社会進出等を考えると見直しは必須だと考えますが、今のところその予定は聞きません。

それまで第3号被保険者だったところが、社労士を開業して第3号被保険者のままでいるのは恥ずかしいなと思い、開業2年後だったか第1号被保険者になれたときはちょっと誇らしい気がしたものでした。従って友人のパートの収入が130万円を超えそうだという質問に対しては「130万円の壁など気にせず思い切り働いた方が良いのでは」といつもアドバイスしたものです。※130万円の壁とは収入130万円を境に被扶養から外れ、国民年金第1号被保険者と国民健康保険の保険料負担が生じ可処分所得が減少する事象により収入を130万円以内に調整するというという壁のことです。

先日年金のシンポジウムで厚生労働省の行った「パートタイム労働者総合実態調査(平成23年)」を特別集計して作成した結果を聞いたのですが、「短時間労働者(週20~30時間)の収入分布をみると、第3号被保険者だけでなく、第1号被保険者においても100万円前後に山が存在する」ということです。第1号被保険者の収入80万~90万円8.9%、90万~100万円19.9%、100~110万円17.3%、110~120万円5.2%、120~130万円7.9%、130万円以上20.3%。第3号被保険者の収入80万~90万円15.0%、90万~100万円30.4%、110~120万円6.0%、120~130万円7.1%、100~110万円24.3%、130万円以上1.4%)。

結果としては「自ら国民年金保険料を支払う第1号被保険者においても保険料負担のない第3号被保険者と同様に100万円前後に山がみられるということは、いわゆる130万円の壁とは別の要因が作用していることがうかがわれる」としています。また、決して第3号被保険者の収入も130万円ぎりぎりというわけではないことが分かります。短時間で働く場合は、年収調整をするしないにかかわらず年収が100万円前後に分布する傾向があるということになるのかと思うのですが、そうだとすると今年10月の501人以上の企業における短時間労働者についての被保険者適用拡大についての拡大範囲が第3号被保険者に及ぼす影響は比較的小さく、むしろ第1号被保険者として週20~30時間以内で働く年収が比較的高い人たちが第2号被保険者の適用拡大対象になる部分が大きいということになるというわけです。

特に第3号被保険者の是非を検討する予定はないようでしたが、今後500人以下の企業等にも適用拡大されることで第3号被保険者の範囲が縮小されることを予想しているようです。考え方としては、働いて収入があるのであれば保険料を納めその分について年金をもらうというのが理想的な姿ということで、確かにその通りと思いました。

昨日はセミナーレジュメを作っていたのですが何とかめどがついたので今日はいつも行くお店がセールをしているので久しぶりに行ってみました。先日支部の後輩に「先生、いつもブルーとかが多くて地味ですね」と言われたのが頭をよぎり、少し華やかなものを購入してみました。最近出ていく場が比較的公式な場面が多くここ1年は特に地味にオーソドックスになりすぎていたかと反省しましたが、さて抵抗なく着れるかどうか、ブルー系が落ち着くのですけれど。