Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

進化する周囲

2016-11-17 01:00:00 | 雪3年4部(忠告と真実〜二人の休日)
静香と別れてから登校した雪。

見上げてみると青空に、パタパタと鳥が舞っていた。



キャンパスでは味趣連こと伊吹聡美、福井太一、そして雪は今日も三人一緒である。

特に付き合い始めの聡美と太一は、見ているこちらが照れてしまうほど仲睦まじい。

「うわああー!」「www」「はいはい、楽しそうで何より」



僅かながらも関係は常に変化し続け、その小さなさざ波はいつか大波となって周囲を揺らす。

そしてこの人達の関係性も、雪がもたらした情報によって大きく変わろうとしていた。





一人キャンパス内を歩いていた糸井直美に、大きな怒声が掛かる。

「おい!!糸井!!!」



「待ちやがれ!!」



振り返った直美が目にしたのは、鬼のような形相で近付いて来る柳瀬健太だった。

「お前わざとやっただろ?!」



健太は直美のコートの襟を掴みながら、感情のままに食って掛かる。

「はい?いきなり何なんですか?!離して下さい!」

「お前電話もメールも無視しただろ?!

俺の卒業試験台無しにしやがって!身に覚えがあんだろうが!!」




健太は怒っていた。

”既出問題から出る”という糸井直美の情報を信じて受けた卒業試験が、散々な結果だったのである。



健太は直美に向かって吠えるように捲し立てた。

「テメー頭どうかしちゃってんじゃねーのか?!

俺の卒業試験、どうしてくれんだよ!あぁ?!どうすんのかって聞いてんだよ!」


「酷い言いようですけど、先輩こそどうかしちゃったんじゃないですか?

どういうつもりですか!?」


「どうしたもこうしたも、お前が言ったんだろ?!既出問題から出るって!」



「一つも出なかったじゃねーかよ!!」



怒り狂う健太。

しかし直美はそんな健太を前にしても微塵ほども動じずに、こう言ってのけたのだった。

「え?そんなこと言いましたっけ?」



「は?」



首を傾げる直美を前にして、ポカンと口を開ける健太。

直美は口角を上げながら、堂々とした面持ちで健太を見据え切り返す。

「何か証拠でも?」




”証拠がないから、あの人はあんなにも堂々としていられるんです”



雪の言葉が蘇る。

直美は健太の境遇を逆手に取り、見事証拠無き犯人に成り果せたー‥。






周囲の色々な出来事に、気配りが足りなかったことを後悔してた



いつも自分のことで精一杯で、周りに目を向ける余裕が無かったと、雪は後悔していた。

一番身近な人達にさえ、何もしてあげられなかったと。



そんなことを思いながら、今雪は彼らと一緒に居る。

「はっ‥はっ‥」



身長180オーバーの太一を背負って、聡美はゼーハーしながらも道を歩ききった。

「入隊前にやって欲しいってこと、全部してあげてるの‥ゼーゼー

「ふぅん」



雪は穏やかな笑みを浮かべながら二人を見ていたが、ふとこれからの予定を思い出して声を上げる。

「あ、私まだ教養残ってる」「あたしも!」「俺、聡美さんと一緒に行って勉強しマス」



「それじゃ今日はここでバイバイだね。じゃね、勉強頑張って!」

「うん!」「皆サン、来週の試験頑張りマショ!」

「みんなファイティーン!」



太一は聡美に凭れ掛かれながらポロリと涙を流し、聡美はそんな太一をしっかり支えている。

「試験終わったら沢山デートしましょうネ?それまでスキーはおあづけ‥

「はいはい」






こちらを見ている雪に気がついた聡美は、晴れやかな笑顔で手を振った。

「じゃあね〜」






吹っ切れたような強い笑顔。そんな聡美を見て、雪の心は温かくほぐれていく。

ほんの数日前まで、頬が乾く間も無いくらい泣き続けていたのに‥。

「そんなに悲しまないで、聡美」



「私と一緒に待ってたら、太一もすぐに帰って来るよ」



雪はそう言って、聡美の肩を優しく抱いた。

今自分に出来ることは、泣いてる聡美に寄り添うこと‥。



「ゆきぃ〜〜〜〜!うおおーーーん!



聡美は雪に抱きつきながら、本当に沢山の涙を流した。

そしてきっと太一の前では、笑っていようと決めたのだろう。



身を寄せ合って歩いて行く二人の背中を眺めながら、雪は心が満たされて行くのを感じていた。

今はもう少し周囲に目を向け、気を配ることが出来るようになって、



私は嬉しい。



目の前のことしか見えなくなった時、ふと立ち止まって一歩退く。

動いたのはたった一歩でも、視界が開けて景色が見える。

そして周囲を見回すと、自ずと自分がすべきことが見えて来るのだと雪は知った。



雪の心は凪いだ海のように穏やかだった。

周囲に伝わって行くさざ波の行方を、そう思いながら眺めている‥。



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<進化する周囲>でした。

直美さんのしてやったり半笑い!

「証拠あるザマスか?」


清水香織のこの顔を思い出しますね〜


(何度見てもイラッとするな‥)

聡美と太一も良い感じにまとまりそうで、本当良かったです。

入隊する時の、太一の丸刈りが見たいな‥


最後の雪の微笑みは、自分がすべきことが分かって喜んでいる先輩と、

表情も心情もかぶりますね。

 

やはり黒淳化の進む雪ちゃんから目が離せない!


次回は<心配の種>です。


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