Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

<雪と淳>勘違い

2016-04-05 01:00:00 | 雪2年(学祭後~保健室にて)
学祭も終わり、再び日常がやって来た。



しかし雪はというと、未だに学祭準備の時からの不調を引き摺っている。

雪はズキズキと痛む腹部を押さえながら、全く耳に入って来ない授業を聴いていた。

「‥‥‥‥」



痛みのピークが去っても、体調は最悪だ。

今日マジでヤバイかも‥何日も経ってるのにどうして一向に良くならないの?



明らかに顔色は悪いが、隣に座った聡美は寝ているし、

太一は同期と座っているので、誰も雪の不調に気づかなかった。

咳が出ないだけで風邪も治りきってない感じだし‥胃も痛い‥



なのに追い打ち‥教養授業の連続講義まである‥



こなさなければならない授業は多いのに、胃の痛みで目の前がぐらぐらと歪む。

雪はなんとか教養の授業までは聴くことが出来たが、それ以上は無理そうだった。

痛くなったり治まったり‥とてもじゃないけど授業に集中出来なかった‥



病院行って薬もらって‥



そう思って財布を開く雪。しかしそこには札が一枚も入っていなかった。

昨日母からおつかいを頼まれたのもあって、明らかに金欠だ。

なんてこった‥



財布から銀行のカードを取り出してみるも、使えるかといったら話は別だ。

う‥銀行にまだお金残ってるっちゃ残ってるけど‥

ここで使えば後の生活費にしわ寄せが‥すでにオーバーしてるしな‥




うう‥



バイトをして生活費を稼ごうにも、まずは身体を治さないと始まらない。

しかし脳裏には、昨日母がこぼしていた小言ばかりが思い浮かぶ。

「お父さん、今日も帰って来ないの?」

「このマンション、私名義じゃなかったらとっくに人手に渡ってるわよ!」

「生活費が足りなくて‥」







頼るべきところは、どこにも無かった。

重たい身体が、その現実を前にますます重く沈み込む‥。



ふと目線を上げると、自販機の前に見知った後ろ姿があった。

長身に黒いロングコート。



「あ‥太一」



藁をも掴む思いで、雪はその後姿へと近づこうとした。

しかし心に残ったプライドの切れ端が、ピタと雪の足を止める。

「‥‥‥‥」



雪は躊躇いの中に居た。

こんなことを頼むのは、生まれて初めてのことなのだ。



今まで聡美にはおろか、太一にはお金の話なんて、一度も口に出したことなかったのに‥



太一から「今日あの店に行ってみませんか」と誘われても、いつも「忙しいから」とその本当の理由を口にしなかった雪。

いくら親しい友人といえど、その線を越えたことなど一度も無かったのだ。



それでも今は、なりふりかまってはいられない。

雪は自身を押し殺して、そろりと太一の方へと歩いて行く。

まぁいいか‥今回だけ‥今回だけなら‥









彼女が近付いて来ていることなど微塵も気付いていない彼は、一人自販機の前で佇んでいた。

しかし彼は雪が思っていた人物、福井太一ではなかった。

彼女が徹底的に避けているその人、青田淳だったのである。



淳は、出て来た缶ジュースを手に取るとゆっくりとプルトップを開けた。

しかしそれに口を付ける様子はない。

「‥‥‥‥」



頭の中には、彼女の後ろ姿ばかりが浮かんでいた。

いつもつるんでいる友人達と歩いて行く背中や、勉強に疲れたのか突っ伏して眠っている背中ばかりが。

 

ようやく横顔が見えたかと思えば、すぐに後ろを向いてしまう。

「淳がアイスおごってくれるってよ。行こうぜ」

「いえ、胃の調子が良くないので」



淳はずっと、その後姿ばかりを見て来た。



ずっと。





間が‥



会話を始める一瞬の間さえ‥



彼女の前にある扉はひどく分厚くて、接触を試みても完全にシャットアウトされてしまう。

会話一つ、まともに出来ぬ程に。



カンッ



胸中が苛立ちに騒いでいた。

淳はその場に立ち尽くしながら、初めて感じるその感情をただただ持て余す。

‥だからなんでいつもいつも



俺は一体何を‥




その時だった。




「あの‥」



小さな、聞き覚えのあるその声。

いつの間にか淳の隣に、俯いた彼女が立っていた。







鼻を啜りながら、淳の隣に佇む雪。

思いもよらない展開に、淳はただ目を剥いてその場に立ち尽くす。



雪は彼の方を見ないまま、決まり悪そうに言葉を紡ぎ出した。

「私今日うっかりカード忘れて来ちゃって‥だから‥もし現金持ってたら千円‥」



「いや二百円程貸してもらえないかな?」



雪は小さな声でそう言うと、彼の服の端を握ったまま口元をぎゅっと結んで俯いた。

彼女の勘違いが生み出したこんな状況に、淳は信じられない思いで相対する‥。





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<雪と淳>勘違い でした。

雪ちゃん‥病院代くらいはお母さん出してくれると思うよ‥(T T)

親の気持ちになると本当切ないですよね。こんなになるまで我慢して‥と胸が痛くなります。


そして淳は、どんどん雪が気になって来てますね。
缶ジュース投げ捨てるくらいイライラしちゃって‥。


しかし雪‥太一と淳を間違えた!実は服の趣味、先輩と太一は似ているのでしょうか。

そういえば昔こんな一コマもありましたね。

 

昔といっても、時系列ではこの後の話なのですよね、これ。
変な感じです(^^;)
ていうか欲しい服親戚に頼んで買って来てもらったのか淳‥。なんかイメージじゃないな‥


次回は<雪と淳>赤面 です。


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