Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

大遅刻

2015-11-05 01:00:00 | 雪3年4部(鍵の行方~多大なる勘違い)
「うわああああっ!!」



午後1時21分、赤山家の一室で叫び声がこだました。

先程までの微睡みなど微塵も吹っ飛んで、雪は携帯片手にブルブルと震えている。

「うわああああっ!!うわぁっ?!」



先輩の携帯が留守電になってることに焦り、その画面を見ている最中に電話が掛かって来たことにビビり‥。

パニック状態の雪は掛かって来た電話を取ると、先輩に向かって思い切り動揺する。

「すすすすすすすいません先輩!どーしてアラーム聞こえなかったんだろ?!

マジやらかしちゃったよ!!ど、どうしよ‥先輩今ドコ‥?!!」




ギャアアと叫びながら通話する雪とは対照的に、電話の向こうの先輩は冷静だ。

「今雪ちゃんの家の近くまで来たとこ。あと10分ほどで到着すると思う」



突然そう言われて、雪の叫びがピタと止まる。

「へ?なんですか?10分?



「‥?!?!」



‥このままだと10分後に、この荒れ果てた部屋に先輩が‥?

「先輩、ちょっと待ってーーーッ!!」



「い、家じゃなくて店の方に!店の方にお願いしますっ!!店の方にっ!!」



雪はバタンバタンと音を立てて用意を始めた。

猶予は僅か10分程‥。




「はっ‥はっ‥」



身支度を5分で整えて、雪は家を飛び出した。

はぁはぁと息を切らしながら、店の方へとダッシュで向かう。

「み‥店に来る‥」



一体全体どうしてこんなことになったのか‥。

雪は頭を抱えて現状を嘆いた。

「あーもうマジありえない!最近ホントたるんでるって!」



待ち合わせ時間を二時間近くオーバーする大失態。

けれどそれを受けての先輩の行動に、雪は少し鳥肌だ。

しかしすぐに家に来るとは‥ゾゾゾ



隙のない彼の幽霊さ加減には未だに慣れない‥。

!!



すると道の先に、見知った後ろ姿が歩いているのが目に入った。

「あれ?河村氏‥

 

この先には、「麺屋赤山」があるのだが‥。

何だろ?今日出勤日だったっけ?



そう思いながら彼を見つめていると、亮がピタと立ち止まった。

その場からどこかをじっと見つめている。

 

視線の先には、麺屋赤山の中で忙しそうに働く雪の両親と蓮の姿があった。

もうすっかりエプロン姿が馴染んだ社長や蓮が、こちらに気づくことは無い。






暫し立ち止まっていた亮が、ふと顔を上げた。

店に向かって、歩き出そうとする素振りも。



けれど足を一歩踏み出す前に、再び彼は俯いた。

そしてそのまま、店へと続く道を外れる。






雪は亮の一連の動きを見ながら、彼が一体どこへ行こうとしているのかを推測した。

頭の中に、昨日蓮が言っていた言葉が蘇る。

「ピアノに集中してるかと思って、敢えて連絡せんかった」



そうだった。

河村氏は今ピアノコンクールの準備に専念してるんだから、店で働きはしないはず‥。






雪は彼が踏み出した方向に視線をやり、合点がいった。

あ‥あっちは叔父さんのカフェがあるんだっけ。やっぱりピアノ弾きに行くのかな?



それならこれから河村氏は、繁華街の方面に行くことに‥。

はっ!



すると雪の頭の上で、雷級の衝撃が走った。

てかあっちは先輩が来る方向じゃないの?!また二人ぶつかるってことじゃん?!



まさしく犬猿の仲のあの二人が、再び睨み合う場面が想像出来る‥。

「こないだつかなかった決着、今つけっかぁ?!」「喜んで」



それはまさしく最悪の事態‥。

「‥‥‥‥」



雪は頭を抱えた後、決意した。

ピンクのスニーカーがすぐさま一歩踏み出す。

ダメだ!その前に先輩を阻止する!



そして雪はひっそりと身を潜めながら、亮の後をつけて行ったのだった。


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<大遅刻>でした。

亮さんの後ろ姿に哀愁が‥。



切ない‥。


しかし雪ちゃん身支度5分でよく出られましたね!

↓この中でも行きていけるかも‥雪ちゃん‥




次回は<路地裏のスパイ(1)>です。

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