キ~ス!キ~ス!
雪と淳は、四年男子達による「キスコール」を受けて固まっていた。
いつか止むかと思って雪はその時を待っていたが、一向におさまらない。彼女は遂に声を上げた。
「あ~もう!何でそうなるんですか!やめて下さいっ!!」
しかし彼らは止まらない。健太においてはサムズアップをしながら、尚も絡んでくるのだ。
「な~んだよぉ!経営学科最強カップルの情事を見せてくれよ~!」
雪はドン引きしながら、なぜ敢えてこんなところでしなくてはならないんだと言い続けた。
しかし彼らもしつこく、雪の抗議などまるで気にせず絡んでくる。
「おいおいこのまま逃げ出すのか~?」「空気読め~!」
「いや、だから何でこんな人前で‥」
雪がそう言って再び拒絶しようとした矢先、隣に座っていた淳が言ってのけた。
「良いですよ?」
何でもないことのようにサラリと口にする彼に、雪は思わず耳を疑った。
「はいぃ?!」
突然の彼の了承に、雪は動揺しまくった。
しかし淳は笑顔を浮かべると、まずは柳を指差し、そして健太を指差した。
「こちらと、そしてこちら」
柳と健太がキョトンとした表情を浮かべる。
淳は二人を見てニッコリと笑うと、こう言ってのけた。
「二人がするんなら俺らもします」
ハハハハ、と淳は大きな口を開けて笑った。
柳と健太は顔を引き攣らせ、おまけに淳が「他のお二方も構いませんね?」と更に言うので、
彼らのテンションは大幅にダウンした‥。
そして改めて淳は微笑みを浮かべると、皆の気持ちを代弁するかのように、
「嫌でしょう?」と口にした。
淳は彼らからの理不尽な要求に対して、正攻法で突破する。
「今はすごく酒臭いでしょうし、雪ちゃんもこのようにすごく嫌がっているのでやめましょうよ。
男の先輩達が寄ってたかって女の子の後輩をからかうのは、ちょっといただけないですしね」
柔らかな拒絶。それは淳が最も得意とするところだった。
案の定淳の言葉は彼らの中に入り込み、健太も唇を尖らせながらも頷いた。
「まぁ‥俺だって別に赤山を困らせようとしてるわけじゃ‥」
「はいオシマイオシマイ~。メシ食お!」
柳が軽い調子で、少し固くなった空気を盛り上げる。そして彼らの、いつもの飲み会風景が繰り広げられた。
先ほどのキスの言い出しっぺが、身体をさすりながら淳に向かって口を開く。
「うおぉ~!なんかオレ鳥肌立っちゃった!
すげー鉄壁のガード!彼女出来たらこうなるのか?!」
そう言った彼に淳はニッコリと微笑みを浮かべ、鉄壁のガードを再び見せる。
四年間かぶり続けた、鉄壁の笑顔の仮面。
そして一同は、その笑みを向けられた彼を始め、皆一様に笑い出した。
「うわ~見てらんねー!」「おまいらもう結婚しちまえw!」
彼らは雪と淳を理想的なカップルだとはやし立て、ワイワイと二人を囲んで盛り上がった。
酒がすすみ、ご飯がすすみ、話も弾んでいった。
しかし健太は、皆と同じようには笑えないでいた。
どこか未消化でモヤモヤとしたものが、胸の中を揺蕩っているのだ。
ふと淳と目が合った。
健太はそのまま見つめ続けたが、淳はその視線をフッと逸らす。
健太の脳裏に、先ほどの淳の台詞が浮かんで来た。
本気でそう思ってますか?
どこか胡散臭い不信なものを、健太はその野生の勘で感じ取っていた。
淳の浮かべる笑顔の向こう側に隠された、その本性をほのかに感じて‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<笑顔の向こう側>でした。
「二人がするんなら僕らもします」ナハハハ‥
理不尽な要求に対して、理不尽な要求で返す‥(倍返しだ!)
さすがの青田先輩でした。
そして言わせていただきたい、柳ファンからの一言を!
前回の細かい萌えコマ↓
ここの柳にご注目下さい。同席せざるを得ない状況になって、柳が淳に「大丈夫?」と聞いてます。
ここの気遣い!萌ポイント1
*追記*
CitTさんのコメより、ここは「大丈夫?(気遣い)」ではなく「大丈夫だよね?(強制)」ということが発覚致しました‥。
柳‥!厚かましい‥!涙
そして今回のこの萌えコマ↓
「はいオシマイオシマイ!メシ食お!」
淳が作り出した少し固くなった空気を、おちゃらけて軽くするこの気遣い!萌ポイント2
ということで、柳と淳のコンビってバランスいいんですよね。
いつもちゃらけてるけど大事なとこで気が使える柳のことは、淳もそれなりに信頼してるんじゃないかと思います。
以前淳のモノローグで「おかしいのは自分たちの方じゃないのか」というコマで、柳出てきてないですし。。
‥久々に柳に萌えたので熱くなってしまいました(笑)すいません^^;
次回は<静かなところへ>です。
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雪と淳は、四年男子達による「キスコール」を受けて固まっていた。
いつか止むかと思って雪はその時を待っていたが、一向におさまらない。彼女は遂に声を上げた。
「あ~もう!何でそうなるんですか!やめて下さいっ!!」
しかし彼らは止まらない。健太においてはサムズアップをしながら、尚も絡んでくるのだ。
「な~んだよぉ!経営学科最強カップルの情事を見せてくれよ~!」
雪はドン引きしながら、なぜ敢えてこんなところでしなくてはならないんだと言い続けた。
しかし彼らもしつこく、雪の抗議などまるで気にせず絡んでくる。
「おいおいこのまま逃げ出すのか~?」「空気読め~!」
「いや、だから何でこんな人前で‥」
雪がそう言って再び拒絶しようとした矢先、隣に座っていた淳が言ってのけた。
「良いですよ?」
何でもないことのようにサラリと口にする彼に、雪は思わず耳を疑った。
「はいぃ?!」
突然の彼の了承に、雪は動揺しまくった。
しかし淳は笑顔を浮かべると、まずは柳を指差し、そして健太を指差した。
「こちらと、そしてこちら」
柳と健太がキョトンとした表情を浮かべる。
淳は二人を見てニッコリと笑うと、こう言ってのけた。
「二人がするんなら俺らもします」
ハハハハ、と淳は大きな口を開けて笑った。
柳と健太は顔を引き攣らせ、おまけに淳が「他のお二方も構いませんね?」と更に言うので、
彼らのテンションは大幅にダウンした‥。
そして改めて淳は微笑みを浮かべると、皆の気持ちを代弁するかのように、
「嫌でしょう?」と口にした。
淳は彼らからの理不尽な要求に対して、正攻法で突破する。
「今はすごく酒臭いでしょうし、雪ちゃんもこのようにすごく嫌がっているのでやめましょうよ。
男の先輩達が寄ってたかって女の子の後輩をからかうのは、ちょっといただけないですしね」
柔らかな拒絶。それは淳が最も得意とするところだった。
案の定淳の言葉は彼らの中に入り込み、健太も唇を尖らせながらも頷いた。
「まぁ‥俺だって別に赤山を困らせようとしてるわけじゃ‥」
「はいオシマイオシマイ~。メシ食お!」
柳が軽い調子で、少し固くなった空気を盛り上げる。そして彼らの、いつもの飲み会風景が繰り広げられた。
先ほどのキスの言い出しっぺが、身体をさすりながら淳に向かって口を開く。
「うおぉ~!なんかオレ鳥肌立っちゃった!
すげー鉄壁のガード!彼女出来たらこうなるのか?!」
そう言った彼に淳はニッコリと微笑みを浮かべ、鉄壁のガードを再び見せる。
四年間かぶり続けた、鉄壁の笑顔の仮面。
そして一同は、その笑みを向けられた彼を始め、皆一様に笑い出した。
「うわ~見てらんねー!」「おまいらもう結婚しちまえw!」
彼らは雪と淳を理想的なカップルだとはやし立て、ワイワイと二人を囲んで盛り上がった。
酒がすすみ、ご飯がすすみ、話も弾んでいった。
しかし健太は、皆と同じようには笑えないでいた。
どこか未消化でモヤモヤとしたものが、胸の中を揺蕩っているのだ。
ふと淳と目が合った。
健太はそのまま見つめ続けたが、淳はその視線をフッと逸らす。
健太の脳裏に、先ほどの淳の台詞が浮かんで来た。
本気でそう思ってますか?
どこか胡散臭い不信なものを、健太はその野生の勘で感じ取っていた。
淳の浮かべる笑顔の向こう側に隠された、その本性をほのかに感じて‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<笑顔の向こう側>でした。
「二人がするんなら僕らもします」ナハハハ‥
理不尽な要求に対して、理不尽な要求で返す‥(倍返しだ!)
さすがの青田先輩でした。
そして言わせていただきたい、柳ファンからの一言を!
前回の細かい萌えコマ↓
ここの柳にご注目下さい。同席せざるを得ない状況になって、柳が淳に「大丈夫?」と聞いてます。
ここの気遣い!萌ポイント1
*追記*
CitTさんのコメより、ここは「大丈夫?(気遣い)」ではなく「大丈夫だよね?(強制)」ということが発覚致しました‥。
柳‥!厚かましい‥!涙
そして今回のこの萌えコマ↓
「はいオシマイオシマイ!メシ食お!」
淳が作り出した少し固くなった空気を、おちゃらけて軽くするこの気遣い!萌ポイント2
ということで、柳と淳のコンビってバランスいいんですよね。
いつもちゃらけてるけど大事なとこで気が使える柳のことは、淳もそれなりに信頼してるんじゃないかと思います。
以前淳のモノローグで「おかしいのは自分たちの方じゃないのか」というコマで、柳出てきてないですし。。
‥久々に柳に萌えたので熱くなってしまいました(笑)すいません^^;
次回は<静かなところへ>です。
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