YUKI

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『僕は友達が少ない』を読み解く…「夜空」ルート

2012-10-20 09:15:35 | Weblog
MF文庫のラノベ『僕は友達が少ない』(残念系青春ラブコメ)は、
その暴力的なwまでのドストライクなタイトルと、
絵師ブリキさんの、これまたドストライクなイラストが魅力なんだが

深読みというか、ラノベにしては、キャラの行動原理とか
色々と考えさせてくれる。

一言でいえば、「友情ってめんどくさい」ものなんだよ…

既刊8巻、
1~6巻は残念系で、7~8巻は青春ラブコメ系という仕様になっており
勢いだけで書いているかのようにも見えるが、
作者は、落としどころも計算したうえで1巻を書いているようだねぇ。

友達がいない残念な美少女たちが終結するんだが、
人ごみが極度に苦手な真性残念美少女は、
三日月夜空と志熊理科だけなんだな。

三日月夜空:
10年前に突然断ち切られた羽瀬川小鷹との「友情」に異常なまでに執着

里帰りした小鷹と偶然同じクラスに

放課後の教室、小鷹の席付近で、
絶対裏切らない、エア友「ともちゃん」と語らう場面を小鷹に目撃される

隣人部創設

斜め読み「ともだち募集」ポスター作成

隣人部創設の真の目的は、1巻ですでに匂わせているように
夜空が小鷹との友情を取り戻すこと。

しかし、部活の体裁をととのえようとしたゴミみたいなポスターの
メッセージを、なんなく読み解いてしまったのが
圧倒的なスペックを誇る、もう一人のメインヒロイン柏崎星奈。

これが夜空の最初の失敗。

次の失敗は、
どういうわけか小鷹に惚れてしまった楠幸村に
嫌がらせのつもりでメイドや執事の格好をさせたものの
まったくの逆効果というか、小鷹に大好評であったこと。

「なんでいつもうまくいかないんだ畜生」というのは夜空の魂の叫びである。

楠幸村は名前のとおり、楠木正成+真田幸村という
極めて有能・勇猛果敢でありながら敗軍の将に最期まで仕えた、
忠君の誉れ高い武将の属性を持っているようで
小鷹の心の支えとなっているんだがなぁ。

そして、夜空自身も気づいていないことだが
その思惑とは裏腹に、
高山マリアを無理やり隣人部に引っ張り込んだ夜空の悪意は、
高校デビューに失敗した傷心から引きこもりになっていた
高山マリアを更生させる結果となっていた。

さて、三日月夜空と同じ属性(極度の人ごみ嫌い)を持つ志熊理科は、
話を混乱させつつも強引に進めてしまう、トリックスター。

夜空に生徒会長コスプレをさせ、ヘタレヤンキー小鷹に対して
「おまえは俺のものだ」と言わせたり、

仮想タイムマシーンというか、見たい夢が見られる機械で
小鷹の脳内とはいえ、夜空の願望を実現してしまったり…

夢の中の夜空は、裏切り者小鷹に対して地獄のように「怒って」いた。

理科が、メイド喫茶のエピソードや屋上での対決で
小鷹に対して極度に攻撃的になっているのは
夜空の「代理戦争」をしているように思われる。

理科の腐女子特性は、
本質を隠蔽するためのキャラであるように見せかけているが
実は、小鷹との仲が「恋人同士」にはならないという安全装置でもある。

夜空が苦手としている理科は、実は、夜空のanother sideでは?

さて、ラブコメ色が強くなってきた「はがない」…

幼なじみ「夜空」vs許婚「星奈」、
過去に執着する「夜空」vs未来と自分の意思に生きる「星奈」

圧倒的に星奈が優勢の状況で、
ヘタレヤンキー小鷹は、星奈の告白にどう回答するつもりなんだろうか?

「友達のままでいよう」だったら…読者もブチギレだよw

僕は友達が少ない 8 (MF文庫J)
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