平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会共同代表 大田幸世 平和が一番 市民の広場「ひこばえ」

枚方市を住みよいまちに☆原発NO!☆福祉・介護「すずらんの集い」☆枚方市駅前再整備は凍結☆市議会を変える高松まさ子

地域で子供を育てる

2012-09-13 22:04:13 | 月刊『平和がいちばん』

9月11日の関西電力本社前の様子 大飯原発の運転を止めることを訴えた

 平和がいちばん 9月号2面 私が取材している。 毎回、登場者と話ができて楽しみながら取材をさせていただいている。

  子育ての不安が語れる場 子育てのヒントが得られる場として役立ちたい 
 ファミリーポートひらかた スタッフの坂田恭子さん

 坂田恭子(さかた やすこ)さんは、ファミリーポートひらかた(以下ポート)のスタッフ。未就学児の在宅支援や親子で遊べる場所の提供、子育て相談など24時間忙しく過ごしている。
 私とは、20年ほど前の「子どもたちが地域で生き生き過ごせるように」と市民手づくりの“じんじんまつり”を開始した時からのつきあい。また、楠葉の居酒屋『赤ひげ』で交流する友人でもある。
 
 ポートは2004年、子育てを応援し気軽に立ち寄れる「家族の港」として招提で開設された。枚方市内にショートステイのできる場所をという市民の声が枚方市と結びつき、幼稚園の跡地利用をして「国」の「つどい広場事業」と関連付け予算を確保する等の職員の努力もあって実現した。
 彼女は月17日ほど働いている。ショートステイ(ポートは2歳~小4まで)は、年々増えている。母子家庭、生活保護世帯等の子どもが多いという。1日5人まで受け入れ、親戚の家のような役割を果たしている。子どもを1日預かると5500円かかるが、枚方市は普通世帯で2750円負担している。枚方市の良さだと語っている。
 
 彼女は小さい時、絵画、書道、そしてピアノは3歳からと教育熱心の親のレールにのって育てられた。その様な母親を反面教師ととらえ「子どもは道具ではない」と、自分の子育てをしてきた。ところが、上の子は緊張する子に育ち、保育園での運動会の後にひきこもってしまつた。彼女はこれではいけないと思い、子育てセミナーに参加して、子どものやる気を育てる親のトレーニングを受けた。子育ての模索がはじまった。
 
 自分の子育てを通して子どもに向き合う大切さを知った坂田さんは、招提中の心の相談室の相談員になった。小学校を含め10年ほど相談員をし、当時の教育現場を直接見てきた。不登校が問題になり、不登校の親の会が学校内に親が主体でつくられたこと。そして、男女混合の出席簿が使われており、自由な枚方教育の良さ(新しく始まった外部の人間のする相談室を暖かく見守ってくれた)を感じたという。
 勉強ができてもしんどい子はいる。相談室は、いつも誰かが来ていた。その中で、教師は指導する責任があるが、違う立場で子どもから聞き、その子をまるまる受けとめる大切さを経験した。子どもは、話すことを通じて、自分でよい方向に向かう力があると分かった。

 毎日のように相談室にふらっと遊びに来る子がいた。「ふてぶてしい態度。ルールは守らない」という教師の評価だった。キャンプの時も一人はずれていた。ある時その子どもが語り始めた。「私は遠足に行った積み重ねがないから遠足のイメージができない。私は困っていたからふてくされた態度をしていた」と。話を聴くうちに、小学校の時はDV家庭でずっと不安定な生活を送っていたことがわかった。そのことが大人に対する不信感を持った動機だったのだ。守秘義務があるが、先生とのつなぎ役だと考えた。子どもの心の背景を知ることで、先生も寄り添いながらの指導をすることで、子どもは変わっていく。どの子どもを見ても自分のことをオープンにする関係を求めている。心に寄り添う必要性を痛感したという。この時の経験がポートに生かされている。

 坂田さんは、姑と同居を続けてきた。協力を得ながらピアノの先生をし、子育てをしてきた。今、子育ての先輩が近くにいたことに感謝している。今の時代は、親になるまでに赤ちゃんや幼児に関わった経験のない人がほとんどだ。安心して遊べる場所、生活の場で親同士が交流できる場所、そして不安を受け止めてもらい、ちょっとした子育てのヒントをもらえる場所の必要性を感じている。中学校校区ごとに、ポートのような場所があれば、きっと地域とつながって子育てを楽しめると思う。子どもが安心して育つ環境こそが、平和な世界を作る。そう確信して、CAP(キャップ)(子どもへの暴力防止)プログラムの普及にも力を注いでいる。

 今、ピアノを2人に教えている。発達障害のある人という。坂田さんは上手にひくよりも、人のこころに響く気持ちよい音色を出したいという。
          (取材・文 おおた幸世)


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