この名前、マイク・オールドフィールド氏のセカンドアルバム「ハージェストリッジ」を初めて目にしたのは1975年の夏休みだ。
新宿の輸入レコード店のキニーかオムだったと思う。
さて、マイク・オールドフィールド氏のファースト・アルバムチューブラーベルズは有名だ。
日本には映画「エクソシスト」のテーマとして入ってきた。
映画のために作られた楽曲ではなく、イギリス、米国でヒットしたものを使用したに過ぎない。
ロンドンオリンピックの開会式セレモニー後の最初に登場したのがマイク・オールドフィールド氏で、チューブラーベルズのイントロが流れた時には感激したものだ。
その中で「全世界で70ミリオン(7000万枚)売れた。」という解説がある。
1973年5月25日、ヴァージンレコードの第1号アルバムとして売り出され、発売から約1年4カ月後の1974年10月5日に、全英1位になった。
チューブラーベルズ ハージェストリッジ
この時に、オールドフィールド氏のセカンド・アルバム「ハージェスト・リッジ」が全英1位から2位に落ちた。
氏が初めて全英1位を獲得した曲が「ハージェスト・リッジ」だったのだ。
Bridge から 1文字少ない Ridge の意味を調べた。
「尾根」のことだ。尾根は谷と谷に挟まれた山地の一番高い部分の連なりのことを言う。
(後に分かったが、イングランドとウェールズにまたがるこの尾根は丘とは違い、いくつかの丘がくっついたような地形をしていた。)
ということはハージェストは地名ではないかと調べた。
結局何も分からずじまいで終わった。高校生の時だ。
結局しばらくして陸上競技にのめりこみ、記憶の底に埋もれていた。
それから大学に行き、社会人になり、結婚をし、子供ができて平凡なお父さんをしていた。
ウインドウズ95からコンピューターが一般的になり始めインターネットも普及し始めたある日・・・
「マイクオールドフィールド招聘委員会」なるサイトを見つけた。
そこで自分の何倍もコアなマイク・オールドフィールド大好き人間に出会ったのである。
何回目かのオフ会の時に、ハージェストリッジについての資料をもらった。
実在することを知り、高校生の時の熱い気持ちが蘇ってきた。
そして2003年夏にイギリスに行くことにした。
事前にイギリスに住んでいた友人にも聞いたり、地図を買ってみたり・・・
2003年、ヨーロッパの夏は熱波だった。
イギリスは38℃以上、ハージェストリッジの頂上?まで歩くのを諦めたのを覚えている。
命がけになってしまうからだ。
入り口付近の木陰に避難している羊たち(東門) あまりの高温に周囲の景色が曇って見えない
ハージェストリッジは東門からは2㎞ほど登って初めて周囲の景色を全部見渡せるところに出る。
この時は東門から250m進んだ横にある牧場でストップした。
高い所から周囲を見て、オレンジとグリーンのパッチワークのような牧場が見えるのを期待していたゆきたんくはがっかりであった。
2011年に8年ぶりのイギリス行きにハージェストリッジを加えたのは言う間でもない。
この時は、「チューブラーベルズ」の成功と「ハージェストリッジ」の制作のために心身をすり減ってしまったマイクがオックスフォードのマナースタジオを離れ、本人曰く人里離れた一軒家件スタジオの家屋に移り住んだ。
そのスタジオの「The Beacon」(現在は私邸)を探し、旧スタジオルームだった部屋に泊めていただくなどお世話になった。
旧ヴァージン・マナー・スタジオ ザ・ビーコン(マイクの2場面目のスタジオ)
この時は冬だったが気温も低すぎず、体調的には問題はなかった。
前年には50cmも雪が積もったと聞いていたので、まずまずだった。
しかし、天気が不安定だった。
頂上のポスト 周囲の景色はまたもや見えない
ゆきたんくの「ハージェストリッジ」はアルバムのジャケットにあるように青空に白い雲が浮かび、その下の抹茶アイスのような緑が散らばっていて、その向こうにはパッチワークの広がる風景なのだ。
満を持して2014年・・・