ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

そんなことで‥、面倒なだけ

2019-01-14 07:56:57 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「抗議に応える」1月9日
 『黒マスクじわり増?』と言う見出しの記事が掲載されました。従来は白が常識だったマスクですが、最近は黒が流行ってきているという記事です。その中のある記述に引っかかりました。『神奈川県内の市役所に勤める男性(57)は「役所の窓口で黒マスクをしていたら一蹴で抗議がきますよ」と言う』というものです。
 私もそうだろうな、と思います。しかし、よく考えてみるとおかしな話です。黒マスクは若者を中心に人気があり、芸能人や外国人などの間では一般的になっているのに、どうして公務員だけ許されないのでしょう。そしておそらく、教員の黒マスクも、一部の保護者や住民からは顰蹙ものなのでしょう。こうしたことは理屈ではありませんし、あえて逆らって波風を立てる必要もありません。それが大人の知恵というものです。
 ただ、明確な理由もなく、本人も納得していないのに、きちんと説明するのが面倒臭い、感覚の問題だから言っても仕方がない、という姿勢は、真の信頼関係を築くためには望ましいことではありません。黒マスクは小さな問題ですが、それ以外にも、本当は違和感を感じているのに、大人の知恵で事を荒立てずにやり過ごしている問題というのは案外多いのではないでしょうか。公務員だから、教員だから文句を言われないように、というのは間違った「お客様は神様」主義ではないでしょうか。
 学校教育についても、学校側が本当は保護者や地域住民に言いたいのに、そして言うべきなのに言わずに済ませていることはあります。おそらく、保護者や住民側にもあるはずです。
 すぐに思い付くのは、休憩時間の問題です。休憩時間中は勤務につく必要はなく、教員は自由に過ごすことができます。極端なことを言えば、喫茶店に出掛けお茶を飲んでもいてもよいのです。しかし、休憩時間に保護者が職員室にきて、「先生、お話があるんですが~」と言ったとき、「今、休憩時間ですから後にしてください」と当たり前のことを口にすれば、ひどい先生という評判が立つことでしょう。労働基準法の規程から、労働者の権利と説明し納得してもらうのは大変ですから、笑顔で「何ですか」と応じてしまう教員がほとんどです。教員の働き方改革は、実はこんな小さなことから始まると思うのですが。
 また、後者で言えば、例えばPTAの強制加入の問題です。本来は任意加入であるはずなのに、実質的には強制加入になっていて、そのことについて疑問を呈すると、「気持ちは分かるけど~」と明確な説明がないまま周囲の雰囲気に飲み込まれてずるずると会費を払い、年度初めの委員決めのときにどうやって断ろうか頭をひねるというようなあり方が昔から続いています。皆さん大人ですから。
 きちんと説明し、話し合うことで相互理解が深まると思うのですが。

 

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