ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

誰かのために

2018-06-11 06:57:04 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「嘘だ!」6月4日
 『「煩雑」とメモ隠蔽 神戸中3自殺 教委、校長に指示』という見出しの記事が掲載されました。記事によると、『遺族から聞き取り調査に関する質問書が市教委に届いた。校長が回答方針について市教委職員に相談したところ、職員は隠蔽を指示』ということです。職員は課長級職員である首席指導主事という肩書きの人物です。そして職員は『メモの存在が明らかになれば遺族から再度の情報開示請求が出されることが考えられ、事務処理が煩雑である』ことを隠蔽の理由としているとのことです。
 嘘ですね。私はこの職員と同じ立場にいました。このブログで、様々な情報開示請求に対応した経験から、行政を困らせるだけが目的としか思えない、遠方に居住する第三者からの請求の実態を示し、情報開示請求に対する何らかの制限を提案したこともありました。ですから、事務処理が煩雑という思いは理解できます。しかしこのケースではあてはまりません。
 請求者は遺族、当事者ですし、目的もはっきりしています。そして事務処理量ですが、同級生への聞き取りメモをコピ-し、市の情報開示審査会の指示に従って、個人が特定できる部分を黒塗りしまたコピーするというだけのことです。同級生が100人としても、半日で済む仕事です。
 それにもかかわらず、隠蔽を指示したということは、メモの内容について、知られては困る記述があったとしか考えられません。実際のことは分かりませんが、そう考えられてしまうというだけでも、この判断は間違っていました。経験豊富な首席指導主事がなぜこんな初歩的な間違いをしてしまったのか、私にはあり得ないこと、つまり嘘であるとしか思えないのです。
 教委側は『他の職員はメモの存在を知らなかった』と組織的隠蔽を否定していますが、これも嘘だと言わざるを得ません。単なるいじめではないのです。生徒が自殺しているのです。教委の総力を挙げて対応しなければならない事態です。生活指導担当の指導主事、中学校担当の指導主事、当該中学校担当の指導主事、首席を支える次席以下の指導主事などがチームを作り、情報を共有して対応していたはずなのです。対外的な窓口は首席指導主事一人に絞っていても。そして当然のことながら、部長級職員、教育長、市長などにも報告していたに決まっています。教委以外にも情報開示を担当する部署との連携も必須です。
 それにもかかわらず、こんな見え透いた嘘をつく、市教委の意図が分かりません。だからこそ、隠そうとしていた秘密は、よほど大きな汚点なのではないかと勘ぐられてしまうのです。例えば、教員がいじめに加担していたとか。今、市教委には「全国各地」から非難中傷の電話やファックス、メールが殺到していることでしょう。その対応の方がよほど「煩雑」です。
 まさか、加計学園の渡辺事務局長と同じパターンではないでしょうね。

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