ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

10万人の日記

2020-09-15 09:10:21 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「教員も」9月5日
 書評欄に『「仕事本 わたしたちの緊急事態日記」左右社編集部編』についての書評が掲載されました。同書は、『緊急事態宣言下でさまざまな職業の77人が書いた、4月の日記集』ということです。
 『「落ちた箸を拾うのも怖い。ばらまかれたティッシュを集めるのも怖い(中略)怖いからと言ってごみの回収を止める訳にはいかない」(ごみ清掃員・43歳)「『もうさ、やるしかないんだよね』とみんなが口々に言う。『私もそう思います』と頷く」(保育士・28歳)。77人の叫びが、束になってうねりとなって押し寄せてくる。その迫力たるや』だそうです。
 緊急事態日記、学校版も作るべきです。東日本大震災のとき、学校は大きな混乱の中で、数多くの初体験をし、失敗と学習を積み重ねました。私の知人は当時校長職にあったものが多いのですが、彼らと話すと、今でも当時の小さな出来事を鮮明に語ります。
 しかし、苦労をして非常事態を乗り越えてきた彼らには酷なようですが、東京都の学校の校長である以上、どこか当事者感覚が希薄な部分もあったように思います。でも、今回のコロナ禍は違います。全国の学校が、今までに経験のない長期の臨時休校という事態に対応しなければならなかったのです。学習の遅れへの懸念と焦り、子供の健康把握と消毒等の手探りの対応、リモート授業についての試行錯誤、教員自身の感染への恐怖、保護者との対応、風評被害対策や感染者の人権の保護、行政からの情報や指示の混乱。
 そうした危機への対応の一方で、子供が見せてくれた優しさやたくましさに励まされたエピソード。教員同士の連携や絆など、力を与えてくれた出来事もあるはずです。それらすべてを、日記集という形でまとめておくことは大きな意義があるのではないでしょうか。
 地球温暖化による環境破壊、そのために野生動物と人間の生活圏が重なるようになり、今後も新たな感染症が人々の生活を脅かす事例が増えると言われています。交通機関の発達と経済のグローバル化の進展により、従来ならば一地方の風土病で済んだ感染症が、瞬く間に世界中を駆け巡る時代を迎えているともいわれます。
 それだけに、学校や教員が、今後も同様な緊急事態下の対応が迫られる機会は増えるはずです。行政機関が作成する公的な記録や報告書では窺うことができない事実を記録する試み、校長会がリーダーシップを発揮すべきではないでしょうか。

 

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