「非難される指導者、支持される指導者」5月20日
『パワハラで指導陣解任 アイスホッケー 北海道の女子クラブ』という見出しの記事が掲載されていました。記事によると、北海道の女子アイスホッケークラブで、『男性コーチによるパワーハラスメントがあったとして、このコーチと監督ら5人の指導者全員が解雇された』ということです。パワハラの内容は『指示通りに動けなかった高校生選手3人に対し「ユニホームを脱いで出て行け」などと厳しく叱責した』というものだそうです。
よくある話です。ただ、今回の騒動で注目すべきなのは、解雇後の状況です。記事によると、『指導陣の解任後、選手22人のうち10人が退部した』『退部した選手の中には、解任に納得できず辞めた選手もいた』ということです。つまり、コーチや監督を支持し、解任という処分に納得できず、コーチらを処分したクラブ側への不信感をもち、それが原因で退部を選択する選手がいたということです。
コーチの言動はパワハラです。しかし、パワハラをするような指導者であっても、その人柄や実績、指導力などを評価し、慕い支持する選手がいるというのが現実の社会なのです。学校でも同じです。体罰をする教員を支持する保護者や子供がいるというのは珍しいことではありません。「名門部活」であれば、PTA会長や地域の実力者、同窓会やOB会などが、パワハラ体罰教員を擁護することさえ珍しくないのです。
それどころか、被害を訴えた子供や保護者に対して、「そんな些細なことで先生を訴えるなんて」「あんたのせいで伝統ある部活が潰れたらどう責任を取るんだ」「みんな顧問の先生を慕っている。あなたの子だけが変わっているんだ。あんたの子を辞めさせろ。転校してしまえ」というように、被害者側が集中攻撃され、居づらくなって転校していく、引っ越してしまうという例さえあるのです。
どんな問題教員にも、支持者はいます。他者に対する評価は、好き嫌いの感情に左右されるもので、相性や価値観などによって評価が異なるのは自然なことです。教委など処分をする側にとって大切なのは、実績や能力があり、多くの保護者や子供によって支持されている教員であっても、処分に際しては、事実に基づき客観的かつ透明性のある基準によって行うことです。「世論」に迎合してはいけないのです。基準の中には、勤務実績や保護者等の意見に応じて情状酌量する旨の規定が含まれているのですから、それ以上の配慮は有害でしかありません。
教員の処分は、厳しくても温情的でも非難をされます。非難を恐れず説明することが出来るだけの根拠をもつこと、それが処分権者に求められているのです。そして、その覚悟こそ、広い意味で教育行政が信頼される第一の条件なのです。









