ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

褒めてるつもり

2021-10-18 08:21:32 | 我が国の教育行政と学校の抱える問題

「悪口?」10月13日
 『「8番、セカンド岸田君」』という見出しの記事が掲載されました。『自民党の世耕弘成参院幹事長は12日の参院代表質問で、岸田文雄首相が高校時代に所属していた野球部でのポジションを引き合いに、首相の人柄を「目立たないがチームワークの要。みんなが頑張ることができる環境を下支えする」と持ち上げた』ことを報じる記事です。
 与党幹部が党総裁でもある首相を、質問の形で「持ち上げる」ということはよくあることです。ですから普通はあまり露骨だったり、事実と反する内容でもない限り、ニュースにはなりません。私見ですが、今回記事になったのは、世耕氏の「8番、セカンド岸田君」という発言内容が、本当に「持ち上げている」ことになっているのかという点が微妙だからではないかと考えます。
 「8番」というのは、野手では最も打撃が振るわない選手にあてがわれる打順です。岸田氏の母校開成高校は、東大進学率上位の進学校ですが、野球では弱小校で、そこの8番というのは、決して誇らしいものではありません。
 また、セカンドというポジションは、近代野球では内野の要であることには間違いありませんが、岸田氏が高校生であった頃には、あまり高く評価されるポジションではなかったのです。つまり、世耕氏の発言は、岸田氏は大したことはなかったという「悪口」とも言える内容なのです。
 もちろん、世耕氏が岸田氏の「悪口」を言う意図をもっていたということは、党内の人間関係や派閥、政治的な思惑等から考えてあり得ないと思います。よいエピソードだと思ったのでしょう。しかし、岸田氏がどのような思いで聞いていたかは分かりません。我が意を得たり、だったのか、つまらないことをほじくり返してと苦々しい思いだったのか。前世紀から国会議員を続ける老練な政治家である岸田氏が、自身の本心を吐露することは今後もないものと思われます。
 私は、世耕氏の発言を聞き、学校で起きるいじめを想起しました。ある子供の発した言葉が、他の子供を傷つける鋭い凶器となる場合があります。しかし、誰から見ても「悪口」と分かるようなはっきりとしたものではなく、その言葉にどんな意図が込められていたのか、意図とは別にどの点が凶器となったのか、第三者には分からないケースは少なくありません。
 邪悪な意図で発せられたにもかかわらず、善意からの発言だったと言い張られてしまうこともあれば、本当に善意からの言葉であったにもかかわらず相手を絶望や悲嘆に落とし込んでしまうこともあるはずです。
 また、悪意から発せられた言葉であっても受けた側がその意図に気付かず何事も起きない場合もあれば、受けた側が別に傷ついてもいないにもかかわらず「傷ついた」と偽って発言者を責めることだってないとは言えません。
 いじめを巡る言葉に問題は、とても難しいのです。

 

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