ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
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課題が残った灯油ビジネス

2006年02月16日 11時22分50秒 | Weblog
灯油の業転市況が下落しています。業転価格が売価の下落に反映されるまでは業転を手当てしていた業者もこれからしばらくは需給状況に関係なくリバウンド収益が出るタイミングです。

今シーズンは、すでに「よい子」に「たっぷりお小遣いを上あげた」元売主導型のマーケットコントロールの成功で終わるのでしょうか? 

しかし、ここに来て、激動の割に比較的安定していた系列価格も少しは値上げとなりそうです。いまさら売価の値上げもないでしょうからシーズン終盤では「よい子」もチョッとだけ利益が減るのかもしれません。しかし、依然として収益性は確保されるはずです。

最近考えるのは、灯油は収益性が高い分だけ、仕入れも売りも相場感や販売戦略が必要な特殊な商売になったということです。仕入れ方、売り方、経営ポジションでこんなに収益が違うビジネスも少ないでしょう。

店頭販売だけの絶対量の少ない販売業者と機動的な配送体制を持つ業者で販売量そのものに凄い販売格差が出ています。岐阜県の某社ではSSが100坪くらいですが、電話注文での灯油配送と定期配送で月間1,000klオーバーを達成です。SSのよりも大きな敷地に灯油タンクを設置しています。18Lのポリ缶からの対応ですから配送業務も大変だとは思いますが、ビジネスとしてのフォームが完全に確立されています。細分化された上手な値取りをしています。電話によるCTIシステムで着信と同時にエリア毎の担当スタッフに配送指示情報を瞬時に携帯メール配信、お客様がビックリするくらいの速さで灯油が届きます。見学希望者が望んでも社長が絶対に公開しないのが残念です。

高い業転を仕入れて、店頭で安く売っていた業者は当然前年より販売量は伸びても、絶対収益は変わらないようです。場当たり的に仕入れて市況で売れば当然普通のシーズンと同様の結果でした。

灯油は今後も元売にとって系列強化を収益面でコントロールできる、都合のよい商品となるのでしょうか。
「調達仕切格差」と「販売形態」、「配送機動力」など今後の灯油ビジネスにとって今年のケースは大きな課題が残りそうです。


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