ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
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石油業界の「手詰まり感」を打破。求められる思考回路の変更

2012年09月28日 06時03分15秒 | Weblog

早くも9月末ですね。
最近、石油業界メディアの方や、周辺機器メーカーの方との面談や情報交換の機会が増えてきました。
SSビジネスに関する色々な話題で勉強させられたり、啓蒙を受けながらみずからの意識改革も必要だと痛感させられています。

やはり、一番の話題は
エコカーと軽自動車が急速に増加しており、SS店頭における燃料油販売の減販傾向が強まるなか今後の推移が気になります。

これまで、とにかく「売ればもうかる」と拡販一直線で突き進んできたSS業界ですが、
減販傾向が顕著化するにつれて、「量」から「質」へと方向転換すべき時期に来ています、と、言いたいところですが、そんなことは永い間叫ばれてきたことです。
さらに、現状の実態としては、相も変わらず激しい販売競争が続いており、減販を背景として店頭販売競争はさらに激化するとの予測が強まっています。

そんなわけで、『油外収益』という事にもなるわけですが、これもなかなか大変で苦労しているSSが多いようです。

たとえば、
SSにおける車検ビジネスなども全体からみると5%程度のシェア率で定着しており、全体的にはその後の伸長率が思うように伸びていないということ。
格安イメージのSS車検に対する消費者イメージが問題だと自ら嘆いている、SS車検業者も増えています。

ご承知の通り、石油業界でも大手スーパーディーラーなどでは、すでに正規のカーディーラーとして永年のキャリアと実績を積み重ねている企業も多いわけで、
それらの企業では、正規カーディーラーとしての本格的なカーライフサポートビジネスを熟知しています。
ですから、SSとしての車検ビジネスと正規カーディーラーとしての両方の立場からの目線でこれらの状況を把握できる立場にあるといえます。
当然、中古車販売からレンタカービジネスなども展開しているケースも多いわけですから、現状課題も熟知しておりビジネスのポイントをしっかり押さえています。

一般SS業界にとっては、新たなビジネスモデルとして、「夢」多き提案がされているカーライフビジネスなのですが、
実は、SS業界のカーライフビジネスと本物のカーディーラーとしての立場のカーライフビジネスでは格段の質の格差があることを彼らは熟知しており、
それらの、長所も短所も現場で検証も重ねてきたという事実があるわけです。

色々なビジネスモデルの提案がなされているSS業界の周辺ビジネスなのですが、
一部には、周辺ビジネスの提案に乗せられて競合他社が始めたから、対抗上・・・、と
安易に新規ビジネスネスに投資し、そのことが逆に経営の体力を消耗しているといった反省の声も聞こえてきます。

本当に「手詰まり感」が鬱積しているSS店頭ビジネスです。

一方、元売や商社系などでは販社系企業の情報処理システムの見直しや強化で「データセンター」などを駆使した、
情報管理システムの一元化やコスト削減をスタートさせています。

独立系の有力企業などでもそれらの動きが出てきました。
今後は、SSビジネスの外形的な拡販展開よりも、限られた収益でも対応できる経営体質改善とシステム軽量化によるコストダウンが企業としての格差要因となりそうです。
その動きは、確実にスタートしていますが、いまだにその事に気が付いていない古い体質の企業も多いようです。

ここjまできても、SS運営企業のなかには「拡販」による収益向上のみが経営強化なのだという思考のところが多いわけですから、価格競争が終息するはずもありません。
これからも、SS業界ではデスマッチともいえるような修羅場を迎えるまで安売り競争が続くのかもしれません。

そんなわけで
今後は、自らの経営管理コスト減量化による体質改善に向けての、思考回路の転換が求めれています。

確かに、SSビジネスも国民生活と同じですね。
給与所得が減少(減販)している時代ですから、
これまでの生活(経営体質)を見直しながら限られた所得(粗利益)の中で工夫しながら(システム改善)生活経費(一般管理費)を節約して、
どのようにして、それぞれの家庭(企業)がこれまでの生活(経営と業態)基盤を維持していくかが問題なわけです。

隣の家が、何かを購入したからウチも。。。、なんて時代ではないはずです。
先行きが不透明な時代ですから、どんな業界のプロでも今後の展開が難しい局面なのです。
とにかく、当面コアとなる「灯油配送ビジネス」くらいは基本に立ち返り大切にして、頑張りましょう。

これは、私だけの見解ではありません。