ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

原油バブル崩壊と石油ビジネス・・・内部統制の徹底がポイントです

2008年09月17日 11時48分35秒 | Weblog
原油バブル崩壊で価格が下がっています。大暴落と言えるような急激な下げですね今後は国内価格に反映されてくるはずです。

株価と同じようなもので大局的な相場ですからリテール業者があれこれ予想してみても詮無い話題です。現実的な話としては上げても下げても新仕切り体系の中で細かく変わる仕切り価格に対応して小売価格を変えるだけの話でしょう。

一般販売店レベルでしたら実際には資金繰りに与える影響や販売動向に気を配る程度で、先物相場でも張っている業者でもない限り石油相場はそれ程難しい商売ではありません。

ポイントは売れない時代に物を売る工夫や同じ商売でも考え方や工夫で採算性を向上させる努力ということです。色々な手法があります。

たとえば、灯油ビジネスでは「売れない」と嘆く業者もいれば、他店の閉鎖などで売り上げが飛躍的に伸びていると意気込む経営者もあるわけです。同じ商売で同じ商品を売っていても、チャンスと見るか、ピンチと見るか人によって見方は本当に様々です。

しかし、実際に他店の閉鎖や淘汰で爆発的に売り上げが伸びている業者は多いわけですから「物の見方」で商売が変わります。

泣きが入ったり、愚痴の多いネガティブな経営者と前向きなポジティブ経営者では経営の進め方や経営結果も全く異なるわけですから面白い。

何でも、安くすれば売れると信じている量販型経営者がいれば、顧客との親密度を前提に万全なサービスで適正販売に徹する経営者もいます。どちらも正しい訳です。

商い(飽きない)ですから、ここまでは其々が一途に自分の考え方を守って生きて来たのですが、これからの生き残りは本当に大変な時代になりそうです。
どちらを選択しても正解のないビジネスフォーム、(結果の出せない商売)がしばらく続くことになりそうです。

確実なのは企業としての相対的な経営管理コスト削減でしょう。
業務オペレートの工夫や見直しでの管理部門の人員削減、システムを駆使したデータ処理コストやスピードアップによる経営に関する意思決定速度の強化。

もちろん内部統制が徹底できていればこその経営力の強みです。
経営者に経営力があれば結果の出せる時代です。

私が見てきた優秀な経営者は、何故かいずれも「決して群れません」
自分で考え、自分で行動する力強さをお持ちです。

自分自身の内部統制がとれているのですね、意志強固です。
これから始まるドラマチックなオイルビジネスドラマの開幕にふさわしい役者ですね。

一緒に仕事をするのが楽しくなります。

恐慌前夜、石油ビジネスの心構え

2008年09月17日 05時50分25秒 | Weblog
「恐慌前夜」・・・ アメリカと心中する日本経済。(副島隆彦)
日本でも、もうすぐ銀行の取り付け騒ぎが起きるだろう。

なんとも刺激的な副題がついた本です。
偶然、数日前に読んだ本です。

散歩の途中に本屋に寄って買って、その夜一晩で読破しました。
副島氏の本は全て読んでいますが、内容はどれも自信に溢れかなり過激です。
今まで氏の経済予測は結構当たっているように思います。

直近の経済の課題からそこにある経済予測を行っているわけですが、将来といっても数年先ではなくて当面の課題と予測ですから予測経済誌としては、読み違えれば即時に間違いがわかってしまいます、著者としてはかなり度胸が要りますね。

ところで、
米国におけるリーマンプザースの破綻は日本経済にかなりの影響を及ぼすことになりそうです。
米国で3~4位の証券会社とはいえ野村証券の四倍もある大証券会社です。

日本国内でも農林中金の資金運用はサブプライム関連でなんと5兆円を軽く超えているとのこと。三菱UFJが3兆3000億円で日本生命も数兆円単位らしい。
地方の信用金庫クラスの中小金融機関などでも必死でサブプライムローンに関する運用内容と損害を隠しているところもあるらしい。
これで、はたして農林中金も三菱UFJも日本生命も本当に何の問題もないのでしょうか?
我々一般国民にとっては金額が大き過ぎてわけがわかりません。
とにかく大変らしい。

「らしい」というのが問題で、
実は、その他にもかなり多くの日本中小金融機関が被害を受けており、再び自己資本比率の問題が発生し貸し渋りをせざるをえないという最悪の状況が発生する可能性がある。

サブプライムローンに関するデリバティブ商品(金融派生商品)というものは、アメリカが勝手に複雑なルールを作って売り出しているものがほとんどのようです。

日本はまるで素人なのに麻雀のプロと勝負をしているようなものらしい。しかもプロは勝手にその場で自分の都合のよいルールに変更してしまうらしいから恐ろしい。

たとえば、日本がバブル崩壊で大変苦しい思いをした時期に、米国は日本の金融機関に対して時価会計ルールを強いたわけです、株価が下がった時に急に時価会計で決算をしたら当然自己資本比率が低下して貸し渋りが発生するのはあたりまえ。当時日本の銀行のBIS基準が8%以下になったら外国で仕事ができなくなり、4%を切ったら国内でも仕事ができなくなる。大変だと話題になったものです。

ところで、米国は最近自国の「時価会計原則」を勝手に変更して元に戻してしまったしまったらしい。財務会計処理のことだからかなり詳しい人間でなければ理解できないわけですがかなり巧妙な手口で「金融工学の罠」を仕掛けているようです。

米国の金融機関の自己資本比率なんて、もはや信用できないのかもしれません。

しかも、最近、原油価格はなぜ高騰し直近でだい暴落しているのか?
誰が相場を操作していたのかなどなど、色々な課題が山積です。

「恐慌前夜」と言われる時代の流れをどのように読み取るか、そしてどんな行動で勝ち抜くか、それは個人の能力と努力と度胸でしょう。
「樹を見て、森を見ず」、大きな経済のうねりを、石油業界だけの目先の価格体系の流れだけで予測したりするのは「経営者」として非常に危険な段階に入ったように感じています。

「烏合の衆」の油屋はブレーメンの笛吹き男に踊らされて必ず群れて淘汰されます。

こんな時代です。

群れて、酒を飲んで安心している場合ではありません。
経営者として、本当に必要な情報とは何なのか、「選球眼」が問われる時代です。