ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

グリッピング・ポイント

2007年04月18日 11時20分46秒 | Weblog
モータースポーツの経験がある方なら『「グリッピングポイント」』という言葉をご存じでしょう。

ゴルフでしたら、トップオブスウィングでの「溜め」ということになります。

コーナーに飛び込む時に、なるべく我慢してブレーキを掛けるポイントを遅らせるポイントの事を「グリッピングポイント」と言います。

ある程度「我慢して、我慢して・・・」極限まで我慢してブレーキを踏みながら次には一気に「ヒル&トゥー」でシフトチェンジしながらパワードリフトでコーナーを駆け抜けます。

我慢も度胸も勇気も必要です。

オーバースピードだとアンダーステアで曲がり切れないためフロントから突っ込んでしまいます。度胸がなくて早くブレーキを踏んでパワーオンしていたらオーバーステアでケツを振っているだけで実はコーナーを早く回れません。

「スローイン・ファーストアウト」というのが安全なのですが、競技ではやはり極限までの「我慢」が勝負の明暗を分けます。

ラリーでこんなドライビングテクニックばかりとらわれていると「シンヤクン」のようにミスコースばかりしてしまいます。(俺のことか??)

自転車と同じように自然に体が動くようになれば一流です。自転車は二輪なのに子供が乗っても転びませんね、経営も同じだと思います。私の人生のようにコーナーを回らずに「早道」ばかりをしているとコースアウトします。(笑
(おれたちの頃は、コーナーを廻り切れずにコースアウトすると「早道をする」といってましたね)

理屈では判っていても、なぜか競技になると焦ってしまいます。一度は筑波でニュートラのままでアクセルを吹かしても車がスタートしなくて慌てました。本当に我ながら馬鹿だなと痛感した次第。なぜかそんな時でも他のことを考えていたりするのです。馬鹿だね。

私はなぜか、ジムカーナやダートラで歩いてのコース試走と実際のコースのイメージが一致しなくて頭がクラクラしてミスコースばかり、よく加勢に大笑いされたものです。(奴は俺の車で優勝したのです・・・)

話が、それましたが、

人生でもビジネスでも「グリッピング・ポイント」があるようです。遅まきながら私もなんかわかってきたようです。ギリギリまで我慢するところは我慢して、一気にコーナーを抜けて相手を抜き去る技術。

何度も、何度ももコースアウトしたからわかる、人生と経営のポイントです。

そろそろ、当社もアクセル全開のパワーオンといきますか!!

価格乱高下への対応

2007年04月18日 09時00分56秒 | Weblog
昨年から、今年にかけての石油製品価格乱高下の影響でSS経営者の方は、最近再び価格動向にナーバスになっていらっしゃいます。

どなたも同じように「下げるのは簡単だけれど、上げはきついね・・・」といわれます。

確かに、上げを早くして、下げをゆっくりにしたら収益的にはいいのでしょうが、市場での販売戦争を考えたらとてもそんな悠長なことは言ってられません。
早く仕切りの上げに見合った安定的な収益価格帯を模索しようと考えていますが、今度は上げのタイミングを遅らせる「我慢比べ」のような状態にジレンマを感じていらっしゃる様です。

これは、どうも競争の激しいSS店頭ビジネスの宿命のようです。
仕切り価格の動向を模索しながら販売価格を同時に考えるわけですから神経も疲れますね。

こんな時に小手先の各種販売支援ツールや過剰なインセンティブに頼ろうとすると、余計にコストやエネルギーを要します。

昨日も、某大手ディーラーの管理部長様との打ち合わせの際、業務改善や省力化を実行するために要する社内的エネルギーの大きさを嘆いておられました。
現場スタッフは仕入れ価格や市況はともかく、売り負けないように努力しているという論理に立っているわけですから価格対策も大変なようです。

収益価格帯をキープするよう指示すれば、必ず現場スタッフから販売成果の伸びない理由に挙げられてしまうと嘆いておられました。難しいものですね。

エリアのシェア率が高いほど市況形成の大切さは認識していらっしゃるわけですが、すべての業者が同じ視点で考えているわけではありませんから、なかには「熱い湯に浸かって我慢」(値上げを遅らせる)してわずかな拡販を狙っているセコイ業者もいるはずです。

私に「どうしたらよいのだろう?」と聞かれても本当にどうしようもない事なのですが、こんな時の地域一番店のあり方としては、まさに「プライスリーダー」として価格を引っ張り上げるしかないと思います。

こんな時には「王道」の経営で行きましょう。

その分、質の高い配送サービスや外販ビジネスの模索など新たなビジネスフォームによる収益手法を模索したり総合力で勝負することが大切です。

アイデアはいっぱいありますよ。

その前提として、社内管理コスト軽減は必須条件となっています。
単なる「経費削減」だけでは経営の機動力が低下してしまいます。
業務スキルを向上させながらの省力化がポイントなのです。

しかし、この作業には大変なエネルギーが必要だと思います。

問題は「人的資質」ですね、これからは本社にまるで公務員のような古い体質や考え方の社員を多く抱えていらっしゃる経営者はあたまが痛いですね。相当な「改革の決断」と意志の強さを求められます。

まさに、経営者としての正念場なのです。
頑張りましょう!!