ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

③. 油外収益という販売概念の枠

2007年04月10日 16時06分20秒 | Weblog
このようにSS店頭販売を基軸として想定されている「油外収益」の枠をより拡大して広い意味で石油ビジネスとしての視点から考えると全く違うものが見えてくるはずです。現実的に展開されている石油ビジネスは非常に多様です。特に地域一番店などにおける地域ニーズに応じた関連ビジネスの業態の展開は非常に多岐にわたっています。それらはすべて「油外収益」という事になります。

たとえば、経営者や企業がマンションや貸店舗などの不動産を所有し、その部分から固定的な収益を得るならばそれは立派な「油外収益」なのです。軸足をSS経営者として考えるのか、グローバルな意味での「実業家」としての立場を想定するかでSSビジネスそのものが変わってきます。SS店頭収益は「サブ的な収益」となってしまうわけです。

実際の話、LPG部門や住宅設備機器、正規車両ディーラーや住宅販売、パチンコ屋から健康ランド、マンション経営、貸しビル業、コーヒーショップにコンビニエンス。地場産業ビジネスなど有力SS企業は数え上げたらきりがないほど多様な顔を持っています。

もはや、SSという単独のビジネスフォームに頼りしかもその収益に依存して企業が成長するためには並の努力では追いつかない事をほとんどの石油業界の方は認識されている事でしょう。

しかし、現実的にはSS経営を主体としている企業も多いはずです。すでにニッチもサッチもいかないという場合でも落ち着いて一度だけSS経営者という立場から軸足を外し、現在の経営資源を活用しての企業再生を模索することは決して無駄なことではありません。レッドソックスの松坂だって打者とのタイミングが合わなければフッと深呼吸をしてリセットしています。SS店頭ばかり考えるから息が詰まります。そしたら、風呂に入っていてもトイレで考えても地域や業態に合った何かが出て来るものです。

私はこれが本当の『油外収益』だと思っています。灯油配送ビジネスを強化してその起点と考える経営者の方が増えているのは実はここにポイントがあります。

SSビジネスを展開している場合、最も身近なホームエネルギーである灯油を外販の起点とすることは非常に大きなポイントなのです。そこから「何か」が生まれます。

実は、ゆきんこサポートセンターではそんなビジネスフォームを提案しています。
しかし、このブログに書き込んだら一日数百人も読んでいる業界人にその提案情報を公開する事になります。この企画内容に関しては現在、既存ユーザー様と特にご要望企業にのみ提供しています。

確固とした灯油受注配送体制の構築が次の石油ビジネスのヒントを与えてくれます。灯油だけのでなく、四季を通じての安定収益確保が可能となります。

確かに、暖冬による減販の年もあるでしょう。黄砂で洗車収益が増えたと喜ぶ方もいらっしゃいます。しかし、「降る雨を待つ」ような結果主義の収益を当てにしていたら抜本的な「油外収益確保」とはならないはずです。

SS既存ビジネスでの小手先の拡販手法に頼り無駄な努力とコストを掛けるよりも、現在のビジネスデータを経営資源として活用し「何か儲かる商売」に活用できないものだろうかと考えるのは当然のことです。「油外収益」を頑張ればSS店頭だけの収益で確実に採算が取れるという確率とそれに挑戦する熱意を失った企業の最終兵器が「セルフ化」だとしたら、行きつく先と結果は知れています。

気が付けば、自社で長期にわたり獲得した顧客管理データは「元売りカード」の乱発により、いつの間にやら元売りの得意先となっており、自社には顧客管理データさえも存在していないケースも多いのです。実際の話、自社の顧客マスタリストの数さえも元売り計算センターに問い合わせなければ正確に把握できていない状況さえもあるのです。

実際のところ、店頭では経費削減で資質の低い素人のスタッフが、来店するお客様に声をかけては「水抜き財」や洗車を販売しているケースが多いのです。零細企業でしたら社長自ら毎日緊張感を持って店頭で汗を流す継続の努力しかありません。それも必要でしょう。しかし、それしか方法がないとしたら抜本的な経営改善や成長は望めません。限界があります。どこかで息切れがしてきます。優秀な人材も集まりません。

「自社のお客様は自社で管理する」油外収益を上げるには、まずこれが前提でしょう。
自社で努力して獲得した顧客管理データを経営資源として再活用する事を考えるべきです。

単純にに何の矛盾も感じることなく店頭の「油外収益」に拘るSS経営者が多いのが現実です。油外収益は既存SS店頭を基軸としての視点ではなく、むしろ独立した企業として顧客管理データを起点に新しいビジネスフォームを創造する努力をすることのほうが大切なのではないでしょうか?

その意味では、SQLデータベースで本格的な「顧客管理体制」を構築できる「雪ん子」の潜在的なパフォーマンスと拡張性は絶対に他の追従を許さないものだと確信しています。

ボチボチ、気合いが入ってきましたが
明日は東北の山形まで出張です。
5か所の配送センターを統合して「次の時代」の配送ビジネスを提案してきます。

② [油外商品]の定義と灯油外販

2007年04月10日 15時36分45秒 | Weblog
SSに関連するビジネスフォームとして現在では保険、車検、洗車、中古車販売などが主たるものでしょう。これらの販売収益を総称して「油外収益」と呼ばれています。
先日、東北の某企業で元売りを含めた油外販売の勉強会に参加を要請されましたが、石油メーカーである「元売り」担当者みずからが「油外収益」を提唱しています。よく考えるとおかしな話なのです。メーカーが自らの基軸商品の主要油種以外の「油外商品」でSS店頭での利益を上げるよう特約店を指導しているのです。基軸商品以外での収益向上を推奨しています。時代は変わりました。その意味で「灯油配送外販」が油外収益のジャンルに入るとしたらこれもまたおかしな話ですね。灯油はまぎれもなく石油の基軸商品なのです。

要するに「SS店頭で販売されるもので」という前提がついて主要油種販売収益以外の収益が「油外商品収益」ということになるようです。あくまでも一般的なSS店頭販売という業態に基づいているものであり石油ビジネス全体を想定しているわけではないようです。ですから灯油は店頭で販売されたら当然「油外収益」ではありません。系列や担当者によって見解が異なるのかもしれません。しかし灯油は配送販売という業態をとる事によりSS店頭以外の「油外収益」ということになります。非常にあいまいですがこれが現実のようです。ですから、我々も「油外収益向上」の方法の一環としてアドバイスや提案を求められているわけで誠に分かりにくいのですが「油外収益」とは概念的にはこのように定義されているようです。

石油ビジネスにおける新たな収益手法 ①

2007年04月10日 08時42分19秒 | Weblog
最近、ビジネスから離れた情報が多いということでご注意を受けました。
そこで、石油ビジネスと新たな収益の可能性についてシリーズで書いてみます。

私は、職業柄1年間にかなりの石油流通業者と面談しています。これまでの十年間で北は北海道から南は沖縄、石垣島まで通算したら優に1000社を超えているはずです。

本当に現場に伺い、経営者や管理部門の方と面談したり、相談を受けたり、提案したり熱くなる性格ですから担当者を怒鳴りつけたりもします。いつも感じるのはSS(ガソリンスタンド)の関係者はビジネスフォームの創造力に欠けている方が多くて、SSの枠から抜けられないという習性があるからだと考えています。

過去において私のように元石油流通に携わっていて、現在石油流通に関するソリューション開発を行っているビジネスであっても、石油という媒体とビジネスキャリアを生かした石油ビジネスの延長線上にあり同じビジネスステージに立っていると考えています。

あえて、SSに於ける油外収益としないのは、石油関連ビジネスを含め色々な業態や規模の業者が多いのでグローバルに「石油ビジネス」とさせていただきたいと考えています。現に私どものクライアント様では石油関連ビジネスや副業、そしてすでに他のビジネスに基幹収益が移行しているところが多いのです。

実業家として考えたら、石油ビジネスはあらゆるビジネスの一つなのです。何もSSで苦労する必要もない訳です。SSを起点として展開される地域や経営力に合ったビジネスフォームを模索する必要があると考えているからです。

現に、当社のクライアントは、石油流通業の全般にわたっています。
SS専業者であっても、SSフィールドから飛び出そうとしている企業が多いのです。別にSSから撤退しなくても顧客という現在の経営資産を再活用して何か収益が上がるビジネスはないものだろうかと必死で模索していらっしゃいます。そのため灯油配送ビジネスの「雪ん子」のデータベースマーケティング機能は最近大幅に強化されました。

そこで、

①.最初に石油流通ビジネスの収益業態から書いてみます。

②.次に、SSという石油ビジネスにおける一つの販売窓口をテーマにしての油外収益をテーマにしてみたいと思います。

③.最後に視点と切り口を変えて、ビジネス全般からみた石油ビジネスの可能性について考えてみたいと思います。

①.グローバルに石油流通ビジネスとその周辺ビジネスを見回すと、色々なビジネスがあります。元売りから特約店、商社、などは流通としては上流のビジネスです。リテール部門にSSという業態があるわけですが、この部分ではセルフ化と直販の波にさらされており、今後この傾向は強まるはずです。

SS業界に色々な販売促進手法を提案しているコンサルタント企業もたくさんあります。洗車機やPOSを販売している企業もあります。それらも石油ビジネスてず。しかし、本当に現場ニーズから派生したコンテンツであるかといえば疑問があります。創造性の薄いSS業者が振り回されているようなケースも散見されます。

そして、リテール石油業界は大きな波にさらされています。
元売り販社系の窓口シェアが圧倒的に高まっています。この波は絶対に止められません。

しかし、石油ビジネスにもニッチ(隙間)産業は必ずあります。

例えば某大手商社などでは内陸デポを増やそうと考えています。実際のところ、SS一般業者の閉鎖や経営力低下で中間溜分の小口配送などはエアポケットのようなマーケットが全国に多発しているからです。内陸デポの整備充実により新たなビジネスフォームが発生しています。

某大手商社により首都圏エリアに最近開設された施設は、経営権の移譲により取得されたものですが、ローリー積み込みのためのステージや事務所を再整備することで見事に生まれ変わり、周辺業者の閉鎖や配送能力低下とも相まって見事な販売実績を上げています。我々が配送・出荷システムの構築を担当させていただきました。ハンディPOSによる出荷データ処理が可能ですから非常に低コスト予算での業務オペレーションです。今後同社は閉鎖や倒産による既存設備の再活用を本格展開する計画です。

これらの、模索は多品目の「工業用潤滑油」などのリアルタイム在庫管理可能にすることで独占的なマーケットシェアを狙うことも想定されています。特殊なグリスや切削油などを欠品せずになるべく早く消費者にお届けすることでの付加価値販売が可能となります。ちょうど文房具などの「アスクル」のような目線でのビジネス展開となります。

次に、「潤滑油」ビジネスに新たなビジネスフォームが発生します。
某有力業者によるデータベースを活用したビジネスフォームが企画されていますが、現段階では内容の公開について公開は差し控えさせていただきます。

本日は、序章としてここまで、

SS店頭のみを起点とする狭い視野での「油外収益」だけでなく、石油ビジネスにはまだまだ大きな可能性を含む「ニッチビジネス」が存在しています。

SS業界の経営が苦境になればなるほど、ビジネスチャンスは拡大するのです。
『マツタケは千人の股をくぐる』のです。

とにかく、下書きなしでそのまま書き込みますので、乱文はお許しください。

次回 ②へ・・