ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

淘汰が進む小売業

2007年02月25日 17時23分03秒 | Weblog
首都圏での大型ショッピングセンター建設はすごい勢いです。
現在あるショッピングセンターからそれほど離れていないのに、まだ、新しい大型店が出店しています。最近では自動車工場の跡地に高級品のアウトレットまで出店しています。

国内の自動車工場が海外へ移転して内需型のアウトレットショップがその跡地に出店するのはまさに今後のマーケット変化の縮図です。
家電、薬局、衣料品店、おもちゃ屋、メガネ店、八百屋、魚や、価格の安い理髪店、クリーニング店や旅行会社まで数え上げたらきりがない業種が一つのエリアに集約されるととにかく便利です。

私のマンションの近くだけでもセルフSS併設型の大型ショッピングセンターが2か所もあります。郊外にはこれからも出店計画が目白押し、これでは、中心部の高島屋やその他の地元デパートはどうなってしまうのか。

いやはや、淘汰にさらされるのはSS業界だけではありません。
高崎市の当社の裏側にはビックカメラ誕生の起点となった店舗。ヤマダ電機も高崎の当社の近くが起点です。その他にもカインズホームにベイシア、ワークマン、セーブオンで知られるいせやグループ。セキチュー、など数え上げたらきりがないほどの企業本部がしのぎを削る激戦地なのです。

家電店などには店頭に「○○さんには負けません!、価格が高かったらさらに値引きします」なんて書いてあるのです。当社のA君などは「秋葉原よりも安いかもしれない」なんて喜んでいます。さすがは「安売りの本場」です。

薬屋さんの競争もすごいです。マツモトキヨシ、カワチ薬局と地元業者の戦いが激戦です。マツモトキヨシはなんと高崎駅の西口と東口の両方に出店して頑張っています。

ガソリンの価格表示は現在レギュラー120円です。
全国に名だたる昔の「上州戦争」を考えたら、これが安いか、高いかは意見の分かれるところです。ところが実際には店頭価格から3~5円程値引きしているSSがほとんどです。道路側から見えないように「本日は店頭価格からさらに3円引き」とか表示していて、実際に給油した消費者には分かるように口頭で説明、スタンプカードなどが貯まるとさらにショッピングセンターの1000円の商品券進呈中。

これだけの激戦地になると安売りの手口と囲い込みもだんだんと手が込んできます。

これでは、SS1~2、3店舗のSSではとても生き残りは難しいと思われる状況です。事実、ほとんどの系列が元売りの販社化してしまいました。

何の商売でも、淘汰が進んでいます。
あの、協定価格がしっかりしていた。床屋のオヤジが頭を抱える時代なのです。